軍拡1 火薬製造
正直言ってうちは現状では弱小勢力である。
戦争になれば主戦力は体がスカスカで体重が軽いスケルトンと体格が子供とそう変わらないゴブリンだ。
単純に槍や剣を使っての白兵戦闘になれば間違いなく負ける。
そうなる前に出来るだけ相手の戦力と戦意を削いでおかなければならない。
さてその手段をどうするか?
まあ、そうなると思ってはじめから用意しておいてある。目的は黒色火薬だ。
子供の頃、火薬ってどうやって作るの~と見んな一度は調べたことだろう。
知っての通り硝石、硫黄、木炭の混合物だ。
硝石丘で硝酸が作られる過程は、糞尿や動物の死体からバクテリアの作用でアンモニアが発生し土の中に含まれる窒素とが硝酸バクテリアの作用で亜硝酸になり、亜硝酸が酸化されて硝酸となる。その硝酸が土や骨のカルシウムと化合して硝酸カルシウムになり、それに灰汁やヨモギの炭酸カリウムが作用することで硝酸カリウムになるという過程だ。
じつは現代でも身近なところにこのサイクルは利用されている。
水槽を綺麗にしてくれるバクテリアなるものがペットショップに売られているがそれはこの性質を利用したものだ。基本的には人間が出来るのは、バクテリア様がワッシワッシ増えてアンモニアと窒素を食べてボコボコ硝酸吐き出すの祈るぐらいだ。
だが、この時代の方法は化学もバイオテクノロジーもなかったので経験的にこれが良いという物を選択していったので幾らの点で非効率なものがある。それを無くせばより効率的に塩硝を得られるだろう。
戦国時代の日本で良く行われていた方式はまさに無駄だらけで、ぬか漬けを作るたび米ぬかを作り直すがごとき愚行である。
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それでは開催、マオちゃんの早わかり異世界硝石製造講座~
覚えないと転生したとき火薬も作れず現地勢力に押しつぶされて死にます!
用意するもの~
大量の糞尿と動物の死体、家畜小屋や便所の土(雨に当たらないところ)、クローバーやマメ科の植物。
細かく切った干し草、砕いた貝殻や骨に石灰、ヨモギや灰
風通しが良く、直接雨風が当たらない場所を用意しこれらの材料をかき混ぜる。
糞尿はある程度水気を飛ばす必要がある。バクテリア様やカリウムは水に溶けてどこかに行ってしまう。
アンモニアの元となる尿素は糞尿からとるが普通はそれほど含まれない、大酒飲みや病気の尿が手に入ればより良し、鮫やエイなど体内に大量の尿素をため込んでいる生き物を手に入れられればさらに最高だ。
窒素は空気中に多く含まれるがバクテリア様が食べやすいようにクローバーやマメ科植物など窒素固定作用がある植物を乾燥させて混ぜ込めればさらに良し。骨や貝殻、石灰を砕いてカルシウムを確保する。最後にカリウムを多く含むヨモギや灰を混ぜ合わせる。
最初にいったように塩硝つくりの要はいかにバクテリア様が糞尿と土の山の中で増えて頂けるかに掛かっている。糞尿や死体はバクテリア様が食べれる分だけ定期的に補給し、細かい干し草などを混ぜ込むことで空気の通り道を作り、定期的にかき混ぜ全体を空気に触れさせる。
これを続けることでやがては土中に塩硝の結晶が析出するに至る。
バクテリア様が増えることで悪臭も減り貴重な硝石をポコシャカ吐き出してくださるようになる。
硝石の純度も高く、連続で硝石を再生産できる究極の硝石丘法だ。
これは完全に秘匿せねばならんな。
これで、硝石は手に入った。
硫黄はそれほど近くはないが、間欠泉が湧いておりそこから手に入るだろう。
不足分はシオンに頼んで入手した貰うしかない。だが硫黄は皮膚病の薬に古代から使われてきた。
その他にも”いろいろ”と使われる重要物質だ。この世界ではどうか知らないが交易で手に入れるとなると割高になるかもしれない。
そして最後が木炭である。
この3つの素材が75:10:15の割合で混ぜ合わさることで、世界三大発明品究極の発明品! 黒色火薬が創造される!!
しかし混ぜ合わせるときも注意が必要だ。
黒色火薬は硫黄が着火剤として働き、硝石が木炭を爆発的に燃焼させることで爆発が生じるのだが⋯⋯⋯
硫黄は30°で発火するので棒でゴリゴリと混ぜ合わせると爆発してしまう。
羽を使って少しずつ少しずつ混ぜ合わせるのだ。
混ぜ終わった後に少量の水を加えて粒状にすることで更に利便性と火力がアップする。
こうして火薬は家庭一人一人に届けられるのだ。
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こうして完成した火薬をどうするか?
銃にするか爆弾として運用するか、大砲かなそれとも⋯⋯⋯夢が広がるな~
「ふふっ」
「随分と、楽しそうですね?」
「あらコンヒューマ⋯⋯⋯別に楽しんでなんかないわよ」
「まあ、そういう事にしときますか」
「いやホントに楽しんでなんかないわよ」




