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最終夜 デパートのその後
就職してしばらくして、職場が移転した。
都会のど真ん中から、ちょっとばかり地方へ。
そして、職場の近くにあるデパートに入って驚いた。
螺旋階段。
八本のエスカレーター。
デパートに渡り廊下でつながった駐車場を含めれば、くの字の建物。
すべてがあの夢の通りだった。
ぞっとした。
夢のかけらは、こんなにも身近で口を開けている。
このまま進めば、あの未来が来るのだろうか。
しかし…数年してデパートの資本が変わり、模様替えがあり、あの螺旋階段はなくなった。エスカレーターは残ったままだが、ほんの少しの変化にほっとする。
これで終わりならいい。
当たらなければいい。
閃光の夢を見ることはなくなった。
この話はここで終わりだ。
あまり上手な終わり方ではないと思うけれど、これはこれでどうしようもない。
いくつかの夢は見たけれど、どれも自分ではどうしようもないものばかり。
夢の中には期限がない。
いつ起こるか分からない。
そんな夢…なんの役に立つ?
終わってから、あれだったとわかるばかりだ。
だからこの話はここで終わりなのだ。




