プロローグ
周囲を見渡すとそこには、草原が広がっていた。
どういうことだ?
先ほどまでは図書館にいたはずなのに。
その日、俺は図書館に出かけていた。
図書館ではいつもと同じようにふらふらと本を探していた。そこで、ふと変わった本を見つけた。
題名は「誰にでもかける小説・冒険篇」。
小説の書き方のハウツー本か。ありがちな題名だな、それが正直な感想だった。それだけならば特に興味をひかない。
しかし、題名はありがちなのに、本の背表紙は百科事典のように分厚く立派なものだった。厚さは10センチほど。その珍しさから思わず手に取ってしまった。
かなり重い。ハウツー本でもこんなに凝ったものがあるんだ。
中を開いて、ぱらぱらをページをめくってみる。白紙だった。
印刷ミスか?それにしても変だ。図書館はこんなことも確認せずに置いたのか。
そう考えながらも、もう少しこの本を見てみるかと考え、近くにある椅子に腰かけ机に本を置く。
改めて今度は表紙から本を見る。題名は「誰にでもかける小説・冒険篇」。表紙をめくる。
見開きでこう書いてあった「あなたはどんな小説をかきたいですか?」
それを思い描いてください。どんなものがいいですか? SF? 異世界での冒険? 厳しい自然との戦い? 歴史もの?
いきなりかよ。この本は前書きも目次もないのか。
しかも、見開きで。ページの無駄遣いだろ、そう思いつつも考える。小説ならば、異世界での冒険がいい。
次のページを開く。
さらに見開きで「異世界での冒険ならば、どのようなものですか? それは魔法のある世界? それとも科学が発展した世界? あるいはモンスターと戦う世界?」と書いてある。どうやらこの本は見開きで必要事項が書いてあるらしい。
それなら、魔法のある世界だな。特にゲームであるような剣と魔法を駆使して冒険するようなものがいい。
次のページには、どんなストーリーですか? 世界を救う? のんびり冒険をする?
世界を救う物語のほうがいいな。そう考え次のページに移動する。
次にキャラクターを考えます。
主人公を自分に置き換えて考えてみてください。主人公はどんな人物ですか?
ずいぶんアバウトだな。まぁいい。自分が主人公なら強いほうがいいだろう。何か選ばれた力があるようなそんな主人公がいいな。
そう考え次のページへ
ヒロインは必要ですか? 必要ならばどんなヒロインですか? 姿とイメージを簡単に考えてください。
いきなりヒロインか。だが必要だろ。そうだな。まずは金髪碧眼の美女か。 いやいや黒髪で涼やかな瞳の大和撫子風もありだな。しかし、いきなりは思いつかないな、保留だ。
そう考えつつ次をめくる。
こうしていくつもの質問について考えさせられながらページをめくっていき、ようやく最後の質問になったらしい。
「最後にそれはハーピーエンドですか?バッドエンドですか?」
基本的にはハッピーエンドだろう。
そう思いつつ次のページをめくると。そこには、「では今からその小説をかいてみましょう。」と書かれていた。そしてその瞬間に目の前が暗転した。
とりあえず思いつくまま書きました。
至らない点多数とは思いますが、率直な感想をいただければ嬉しいです。