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第二十一話 呼び出し



「だるっ・・・・」



部屋に帰ってきた俺は小さく呟いた。



あの後、魔法担任の先生から神の遺物で起こした力について説明を求められたのだ。



結局、なんと説明すればいいのかわからず曖昧なままで解放されたが。



それにしてもあの先生、生徒たちの前で俺に説明求めやがって。



そのせいか視線の嵐に晒された俺は精神までたっぷり疲れてしまった。



ぼふっとベッドに倒れ込み、風呂は明日入れてもらおうと思いつつ目を瞑る。



ちゃんとこの世界にもお風呂の文化があったことは、かなり助かった。しかもこの学校の風呂は天然温泉で24時間入れるのだ。



深夜遅かったりしたら掃除のおばちゃんと遭遇したりするんだけど、そこはまぁ、仕方ないよね。



明日学校に行くことを鬱に思いつつ、そのまま睡魔に身を任せた。






☆☆☆☆





翌日。朝一で風呂に入った俺はさっぱりした気分で教室へと向かった。



教室に入ると、今までとは違った種類の視線がささる。まるで俺という人物を見極めようとするような視線だ。



さっぱりした気持ちは瞬間的になくなり、不快感がつのる。



ため息を微かにはいて、自分の席に座った。



朝の瞑想タイムが終わり、授業が進む。時折感じる視線にも慣れてきたのは昼休みの時間だった。



「・・・・ちょっと、来なさい」



少し気持ちが楽になってきた所に声をかけられる。見なくても誰かわかった。



「・・・・・わかった」



俺も、色々話したいことがある。―――――この、長女さんとはな。






☆☆☆☆






長女――――相良志穂の後ろに着いていく。校舎を出て、さらに男子寮の方へと歩く。そしてさらに奥に行くと女子寮があり、そこで止まった。



「こ、こんにちは・・・・」



女子寮の入り口で立ち止まった俺に話しかけてきたのは、左右の瞳の色が違うのが印象的な女の子だった。



朱と蒼の瞳は神秘的で、思わず息をのむ。



「で、とりあえずアンタが知ってる話、聞かせてもらえる?」



長女の生意気な言葉を聞き、現実に引き戻された俺はジト目で長女を見た。



あの時、助けを求めてきた女の子らしい長女は一体何だったのか。



「お願いたすけてー」



棒読みで呟く。長女は顔を赤くしながら俺の襟を鷲掴みにした。



「殴られたいの?」



「お願いたすけてー」



「・・・・いい度胸じゃない」



そんなやりとりをしていると、女の子が小さく吹き出した。



「ぷふっ・・・・ごめん、なさいっ。志穂ちゃんがそんな楽しそうにしてるの初めて見るから」



「た、楽しそうなんかじゃないでしょっ!どこが楽しそうなのっ」


ああだこうだと言い合いをする二人。



楽しそう、ね。ま、わからなくはないか。



元の世界の人に会って、会話する。たったそれだけのことなのに、嫌っていたはずの長女との会話が苦にならないんだからな。



「私の名前は、キリカ。志穂ちゃんとは、お友達、かな」



両目の色が違う女の子はそう自己紹介をした。



「志穂ちゃんと初めて会ったのは入学式の1ヶ月くらい前でね、私が夜散歩してたら志穂ちゃんが空から降ってきたの」



入学式の1ヶ月前?俺がこの世界に来たのとだいぶタイムラグがあるな。



「まぁ、私のことはいい。それよりアンタ、何か知らないの?私たちがこの世界に来たことについてとか」


「・・・・知らないって言ったら?」



「嘘だろうし、とりあえず殴る」



長女の顔には、俺が何か知っているという自信が現れていた。



「私、勘だけはいいの」



長女が俺を睨む。



はぁっと息をはいた俺は、どこから話そうか、と模索し始めた。





☆☆☆☆






俺が手に入れた力。影の存在。そして師匠が命をかけて使った魔法。かいつまんで長女に話すと、長女はあっさりと納得した。



「信じるのか?こんな話」



「信じるわよ。だってその方が色々考えないで楽だし。それに、嘘ついてるように見えないし」



意外な答えにぽかんとしていると、長女はいままで見せたことのない表情で微笑んだ。


「何変な顔してんのよ。バカみたい」



「誰だこいつ」



思わず口に出た。俺の知ってる長女はこんなヤツじゃなかった。いつもブスッとしてて、会うたびに文句をダラダラと言ってくる。



そんなイメージしかなかったんだが。



チラリと両目の色が違う彼女、キリカさんの方を見た。



「私が初めて会ったときは、大人しい女の子だったねー。私が何を聞いても答えてくれなくて」



「変なこと、言わないでよね」



二人の仲は、何年も知り合いで仲のいい友達のような雰囲気がある。



きっと長女がこの世界に来て、俺とこうやって出会うまでの間に色々とあったのだろう。



「あ、そういえば名前聞いてませんでした」



キリカさんの言葉に、そういえばと思い自己紹介をする。



「俺の名前は御代雅哉。よろしく」



ま、友達になるとかはないんだけどさ。出会いはきっと積み重なって、いつか尋まで届く。なんとなくそんな予感がするんだよな。



だから俺は、こういった出会いを大切にしようと思う。人が苦手なのは、出来るだけ我慢しないと。



出来るだけ、ね。

ぐだぐだ感が・・・・・新しい小説のネタばかり浮かんでくる罠。そして土曜バイトはゆっくり考えれないからやめてー

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