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第十八話 試験と決別

文字数が足りないだと・・・・。2000文字なんてなめプもいいとこですね申し訳ない



俺とディリアは、人混みから数歩離れたところで立ち止まった。



どうやらこの広場みたいなとこにいれば、何をしていてもいいらしい。



木陰で腰を下ろしている者、何人かで雑談をしている者、と様々いる。



猫耳や犬耳もチラホラ見かけるし、エルフっぽいのもいる。なんというかファンタジー。



「マサ、大丈夫ですか?顔色悪いですけど」



「・・・・あー、うん。ちょっと人混み苦手でね。少し距離とってれば大丈夫だから」



人と猫耳の組み合わせが珍しいのか、視線をちらほらと感じる。



それよりも、だ。



(誰もいないか・・・・)



俺と同じようにこの敷地内に飛ばされたやつがいるかもと思ったが、よくよく考えればクラスメイトの顔すら覚えてなかった。



『皆さん、注目してください』



どこからともなく声が聞こえてきた。皆の視線を辿ると、いつの間に設置されたのか、朝礼台のようなものの上に誰かが立っていた。


ここからは遠くてよく見えないが、スカートっぽいのをはいてるので女の子だろう。



『数ある騎士養成学校の中から我が校を選んでくれた皆様の眼力と幸運には、何か必然めいたものを感じませんか?残念なことにこの場にいる皆様の半数とは今日限りでお別れになるでしょうが、我が校は来年も再来年も生徒募集はおこなうつもりですので、必然とあらば私の在学中に顔を合わせる人もいるでしょう。』



声は魔法か何かで大きくしているのだろう。凛とした女の子の声ははっきりと俺の耳まで届いた。



『さて――――時間というものは限られておりますので、長い前置きはこのあたりにして早速試験にとりかかりましょう。ルールは簡単です。我が校の校訓、゛騎士は何よりも強く在れ゛に則り、今、ここにいる皆様でサバイバルをしていただきましょう』



ざわ――――と、静まっていた広場に一つの波がうまれた。急に戦えと言われておろおろとする者がほとんどだが、数人はきっちりと冷静に武器を構えた。


「端の方に行っとこう」



混乱しながらの乱戦が予想されるので、ディリアを促し端の方へと向かう。人混みに巻き込まれるとかまじ勘弁してほしい。



「え?あの・・・今から戦うんじゃ」



「違うよ。ようするに、これは入学する生徒を絞るための試験なんだろ?」



つまり、だ。答えは戦うだけじゃないってこと。あんな大勢に混じって戦うなんてヤダし、俺は別の選択肢を選ぶね。



「生徒が一定数になるまで生き残ればいいんだ。戦ってもいいし、逃げてもいい。簡単だろ?」



「逃げる、ですか」



何が不満なのか、ディリアはむーと唸りながら俺を見る。



「逃げるって、なんか卑怯です。騎士が逃げたりしていいんでしょうか」



逃げるが勝ちという言葉もあるだろ?戦って勝つことだけが勝ちじゃないんだよ。



煮え切らないようすのディリアを何とか言いくるめ、端の方へと向かう。



『ミヘンチルダ騎士養成学校、生徒代表ミルキシアン・フィオーレ・ラ・クロガネがここに戦いの開始を宣言します』





☆☆☆☆






予想通り、戦いとは呼べないほどの乱戦になった。誰も彼もが実力を出し切れないように見える中、確実に人は倒れていき選別が進む。



皆戦いに夢中なのか、俺たちの方には気づいてないようだ。


そうしてしばらく待っていると、ディリアは我慢の限界とばかりに飛び出していった。



「騎士たるもの、戦わずして勝ちはないです。マサのこと、見損ないました」



ディリアの去っていくときに見せた目は、よく知っていた。軽蔑。それがにじみ出ている目だった。



(騎士たるもの、ねぇ・・・・)



俺が知っている騎士は、人知れず戦い血に染まるだけの損な役割でしかないんだけど。



それに、なんだ。一人の方が気楽だしな。俺にはやらなければならないことがたくさんある。



しばらくして、突然大きな鐘の音が響いた。さきほど戦いの開始を告げた女の人の声が聞こえてくる。


『皆様お疲れさまです――――今立っている方々の、我がミヘンチルダ騎士養成学校を生徒代表の名をもって約束しましょう。係員が向かいますので、名前を確認して入学説明のある別の場所へと速やかに移動してください。皆様、本当におめでとうございます』



倒れている人たちの身体には、マーカーのような魔法陣が浮かんでいる。きちんと合格者不合格者を分けるためだろう。



どういう仕組みか気になるな・・・・しかし、先ほどからチラホラと目に映る魔法。これは是が非でも覚えないといけないだろう。



神の遺物の能力だけで、影たちに勝てる気がしない。それに、尋もこうやって知識を深め自分が出来ることを増やしていってる。そんな気がするんだ。



やってきた係員に名前を言って、案内されるがままついて行く。



チラリとディリアが見えたが、その表情はうかがえなかった。ディリアも生き残ったのか、なんて少し安心してしまった俺はお人好しなんだろうか。



一人苦笑して、係員の人から変な目で見られた。



ここから始まるのだ。この世界での、俺の物語が。



・・・・なんてナレーション。厨二病乙だな。


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