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第一話 厄介な頼みごと

お久しぶりの投稿です。まぁ、バイトバイトの生活にも慣れてきたのでなんか書こうかなぁと思い書いてみました。 相変わらずの低クオリティですが、今回こそ完全なる完結を目指して頑張りたいです!


血の繋がらない姉や妹ってのに、憧れを感じたことはあるだろうか?



俺はないと断言できる。



理由?俺が実際に体験してるからだ。血の繋がらない姉と妹。それに俺と同い年のアイツも含めて三姉妹との同居生活。



まぁ、初めて会った時にワクテカしなかったと言えば嘘になる。



約一年前、高校一年生という思春期真っ盛りの俺は、それはもうはしゃいでいたさ。



そんな昔の俺に長々と説教してやりたい。



世の中、そう上手くはいかないと。






☆☆☆☆






朝飯の食パンをくわえながら玄関の戸締まりを確認する。



最後に家を出るのはいつの間にか習慣になっていた。


母さんは、俺の記憶がまだ曖昧な頃に死んだ。交通事故だったそうだ。



ま、人ってのはいつかは死ぬんだし、今は特に何も思っていない。



父さんが再婚をすると申し出てきたのは、俺が中学を卒業して、決まっていた高校に入学する前日のことだった。



突然のことにため息は出るも、父さんが急に何かを言い出すのは今に始まったことではないので特に驚きはなかった。



再婚相手の名前は相良 愛<さがら あい>さん。



父さんにはもったいないくらいの美人で、知り合ったのはどっかの国の遺跡を調査してる時だったとかなんとか。



詳しい話は100%がのろけなので割愛させてもらおう。


とりあえず再婚は新幹線のごときスピードで決まり、愛さんもバツイチだったらしく子供が三人いるという。



父さんはどっかの研究所の偉い学者さんで、しょっちゅう海外に行ってたんだが、愛さんも学者さんらしく、二人でハネムーン世界遺跡巡りをするとか言って、さっさと海外に行っちまいやがった。



残された俺は、父さんから『愛さんの子供さんはみんな女の子だ。俺とマイスイートハニー(死語)が帰ってくるまでしっかり守ってやるんだぞ?』とかいう伝言をもらい、馴染みの土地から泣く泣くおさらばして愛さんの家に引っ越しをすることになった。



もちろん、決まっていた高校は蹴って、愛さんの家の近くの高校を受験。ギリギリで編入試験に合格した。



まぁ、これから愛さんの子供たちと一緒に住むわけだし。血の繋がらない姉妹ときゃっきゃうふふな展開を期待しながら、引っ越し先に着いて家の玄関をあけると、そこには三人の女の子が。



待っていてくれたのかな?と期待しつつ、あまり得意ではないコミュニケーションをとろうとして――――――黒髪の長い美人。



確か、長女の相良 志穂<さがら しほ>さんだったか。写真で見たのより数倍可愛いな、なんて思っていると、彼女からズビシッと指を指されて思わず後ずさる。



「しゃべらないで」



美人の見た目と違って、まるでアニメか何かのキャラみたいな可愛い声がその口から発せられる。



「アンタの部屋は一階の奥。トイレはそこ。キッチンとかはそっち。お風呂はあそこ」



次々と発せられる言葉に戸惑いつつ、なんとかトイレとかの場所を覚える。



「二階は私たちの部屋があるから―――――絶対に上がってこないで」



へ?と戸惑いつつも志穂さんの目を見る。そこには、あきらかな拒絶があった。



「私たちは他人。食事も、洗濯も全部別々。会話は必要最低限でね」



そんなこんなで俺の新たな生活が始まった。



実質一人暮らしになってしまったわけだが、一人暮らしには慣れているわけで。特にラッキースケベな展開などもなく、早くも一年が過ぎた。



自慢じゃないが友達を作るのは苦手だ。二学年に進級した今でも、友達は一人もいない。



ま、俺みたいな根暗なヤツに話しかけてくるのはただの物好きかとてつもなく人当たりがいい゛いい子ちゃん゛だけだろうがな。



「あ、あのっ!」



学校の校門が見えたあたりで、誰かに声をかけられた。



俺は目を隠すくらいまで伸びた前髪の隙間から相手をうかがう。



そこに居たのは見たこともない女の子だった。特徴的なのは、頭のてっぺんあたりから生えている、所謂アホ毛と呼ばれるもの。



風に揺れるそのアホ毛を目で追っていると、女の子がいきなり俺の手をつかんできた。



「ついてきてくださいっ!」



両手で、俺の鞄を持っていない方の手をつかんできた女の子は、必死に俺を引っ張る。



制服の胸のあたりにあるリボンの色から察するに、新入生か・・・・。



何か用でも?と質問しようとしたところで、周りから注目されていることに気づいた。



俺は目立つのが嫌いだ。だって、恥ずかしいじゃん。



つまり、俺がとった行動は一つ。女の子に引かれるがまま、着いていくこと。



女の子は校舎の中には入らず、そのまま不良たちがたまりそうな校舎裏に足を運んだ。


そこで、先に待っていたのか、にやにやと笑いながら右手を振る人物が視界に入った途端、とても嫌な予感がした。



予感、というか十中八九何かがあるんだろう。



コイツに会うたびに厄介事に巻き込まれるってのは、パターン化しつつある。



「またお前か・・・・」



俺がため息まじりに息をはくと、男は小さく苦笑した。



「いやだなぁ、まるで僕に会うと不幸が訪れるみたいな顔。もっと気楽に話しましょうよ、雅君<まさくん>」



「雅君言うなって言ってるだろうが・・・・」



不機嫌そうな態度をとる俺に構わず、相変わらずのイケメンスマイルを振りまいているコイツの名前は坂上 尋<さかうえ ひろ>。



何度突き放しても絡んでくる、変わり者だ。



まぁ、たまたま共通点があって知り合ったのだが・・・・コイツの隣を歩いていると目立ってしようがない。なんたってイケメンだから。



こうやって校舎裏に呼び出してもらったのはありがたいけど、むしろ関わらないでほしかった。永遠に。



「で、その子は?」



尋の隣に立って俺の方をキラキラした目で見ている女の子を指しながら質問する。



「あぁ。この子は・・・・」



「あのあのっ!初めまして!私の名前、坂上 瑞希<さかうえ みずき>って言います!雅君先輩のことはお兄ちゃんからいっぱい聞いてて」



「・・・・妹?」



尋に視線を向けると、尋は小さくうなずいた。



「全然似てないですけどね。僕と違って瑞希は、正直に生きてますから」



どこか悲しそうな表情を見せる尋。



女子どもがいたらキャーキャー騒がれるレベルの代物だな。・・・・イケメン滅びろ。



「んで、こんなとこに妹を使ってまで呼び出したワケを聞かせてもらっても?」



「えぇ。まぁ。頼みといいますか・・・・頼れる人が雅君しかいないのです」


そう言って尋は、耳を覆っている部分の髪を掻き分けて十字架を象ったシンプルなピアスを見せてきた。



「神の遺物<ジャンク>か」



それは神の遺物、通称ジャンクと呼ばれるものだ。



なんでジャンク、つまりゴミ屑なんて名称になったのかは知らないが、尋はコレの事を神の遺物と呼んでる。



確かに秘められた力は規格外。科学では解明できないような不思議な力が宿っている。神が残した奇跡の道具なんて語っていた尋の意見は間違ってないだろうな。



「もしかして尋の妹さんも持ってるのか?」



「えぇ。何の因果か、兄妹そろって」



そう言われて妹さんの方を見ると、恥ずかしそうに左手の中指にはめられている銀色の指輪を見せてきた。



「僕は能力的に、人に何かを教える事なんて出来ませんし・・・・どうかお願いします」



初めて見る尋の謙虚な態度に戸惑いつつ、渋々と頷いてやった。



ま、なんていうかコイツの事少しは仲間なんて思ってるわけだし。いや、言っとくが友達の一歩手前レベルな。



「ま、しゃーなしだな」



そう言うと爽やかイケメンスマイルでにこやかに笑う尋。



「雅君ならきっと、そう言ってくれると思ってましたよ」



「んで、妹さんは何番なんだ?」



俺たちが持つ神の遺物<ジャンク>は、世界中に十二個存在している。



これは父さんが言ってたので間違いはないと思う。



それぞれの能力はわからないし、何の目的でこんなものが存在してるかとかもわからないけど、まぁ、そのうち父さんがそれらを調べて教えてくれるだろ。



尋の能力は゛拒絶゛。



ありとあらゆるモノを拒絶する力だ。なんてチート。イケメンにチート能力与えて、本当、世の中は不公平だよな。



それぞれの神の遺物<ジャンク>には正式名称があり、尋が持っているピアスは八番目の騎士<knight of eight>と呼ばれている。誰がそう呼び始めたかは知らないが、父さんがそう言ってたのだから仕方ない。



確か指輪の神の遺物<ジャンク>は・・・・。



「終わりの騎士<knight of end>か」



十二番目の神の遺物<ジャンク>。同じ、神の遺物を使う者<ジャンクコレクター>としてどんな力なのか気になる。



「本人もまだ能力の発現はしてないようですし、頼みましたよ雅君」



「まぁ、教えれる事ってあんまりないんだけどな」



そこで朝のHRが始まる五分前を告げるチャイムの音がなった。



先ほどから大人しく俺と尋の会話を聞いていた、妹さんに笑いかける。


「ってわけでよろしくな、尋の妹さん」



人と接するのは苦手だが、嫌いじゃない。尋の頼みってのは少し癪だが、気軽にしゃべれる人が増えるってのはいいことだよな。



「はい!こちらこそよろしくお願いしますっ!」



彼女の元気な声に、俺と尋は顔を見合わせて苦笑した。

作者は英語が苦手です。これからちょくちょく英語の何かしらが出てくると思いますが、間違っている可能性大なので、そんなとこは指摘してくださるとありがたいですね。それではまた次回のし



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