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呪文  作者: 蓮田 れん
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わたしのはなし②

中庭のベンチ。

虫が多く、砂だらけで、日差しだけは無駄に強い。本当は大嫌いな場所だ。制服の裾は汚れるし、落ち着いて座れた試しもない。


でも、教室で一人で弁当を食べるのは、もっと耐え難かった。

視線が刺さる。見ていないふりをした悪意が、空気みたいに充満している。


この学校では「孤独」は罪なのだ。

理由がなくても罰せられるし、弁明の余地もない。


だから私は今日も、何も持たずにベンチに座る。

弁当箱も、水筒もない。昼休みをやり過ごすための、最低限の擬態だ。


食べる必要がないのは、少し嬉しい。

空腹より、咀嚼している姿を見られる方が、ずっと不快だったから。


初めて彼に会ったのも、ここだった。


不意に転がってきたサッカーボール。

それを追いかけて現れた、太陽みたいな笑顔。


無遠慮で、無自覚で、まぶしいほど無防備。


――撃ち抜かれた。


理屈なんて後付けだ。

その瞬間、絶対に欲しいと思った。


何をしてでも。

壊してでも、奪ってでも、自分のものにすると。

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