目次 次へ 1/8 わたしのはなし① どうして、こんなことになったのだろう。 それが、私が最後に考えたことだった。 雨が降っている。 私の血は、アスファルトの溝に吸い込まれていく。 めくれ上がったスカート。 不自然な角度に捻じれた、時計のある右手。 乱れて広がる長い黒髪。 ――最低。 潔癖症の私には耐えられない光景で、直そうと手を伸ばしたが、もう身体は言うことを聞かなかった。 血は流れ続ける。 けれど、どれだけ流れても、もう関係ないらしい。 私は自分から視線を外し、屋上を見上げた。 目が、あった。