8 隠されていた事実
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どう動くべきか悩んでいたとき、前世でのある会話がふと蘇った。
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「先生、主人公じゃないとはいえキリアの扱い、酷くありません?
容姿も才能も兼ね備えてるのに、あんな退場って…もったいなすぎます。」
「読者はみんなそこ、引っかかってますよ。じゃあ——編集のあなただからこそ知れる“キリアの秘密”を教えましょう。」
「脇役に秘密?そんな仕様アリです?聞いたことないですよ!」
「ふふ、それが“秘密”ってものなんです。」
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思い出した。そうだ、あれだ。
キリアは——養子。公爵家の本当の娘ではない。
実の母はこの国の踊り子で、キリアを産んですぐ亡くなった。
そして実の父は——隣国アストラフ皇国の皇帝。
つまり、脇役とはいえキリアは皇国の皇女としての血を引いている。
では、なぜそんな子が今、公爵家で暮らし、表向き王太子の婚約者として扱われているのか。
理由は明白だ。実父である皇帝は冷酷無慈悲、血も涙もない残酷な男として知られている。
母は、娘が生まれれば皇帝に処分されると思い、身を隠したまま自分の実家で出産したのだ。
そして母の死後、たまたま通りかかった公爵夫妻がキリアを拾い、育てた——それだけの話。
「その結果がこれ? 王太子の婚約者として飾られて、死ぬ間際には誰も助けなかった。
私の実父が皇帝だと知られたら震え上がるくせに。どっちが“悪役”なのよ、笑わせないで。」
そんな毒づきを胸に、私は途方に暮れるしかなかった。




