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6 味方のいない屋敷で

書き直す場合があります、ご了承下さい。

味方がいないどころか、この公爵邸にいるのは敵ばかりだ。


(公爵夫妻が、私を道具としてしか見ていないからだよね……)


小説を読んでいた時も酷い扱いだとは思っていたけれど、実際にキリアとしてここに身を置いてみると、それが骨身に染みて分かる。


部屋を見渡してみても、置かれている物はほとんどない。

(五歳児なら、動物のぬいぐるみや人形を好むはずなのに……。それどころか、この部屋には必要最低限の物しか置かれていないなんて)


そして、キリアを粗末に扱っているのは公爵夫妻だけではない。この屋敷の使用人の、ほぼ全員がそうだ。

今も、公爵令嬢の朝の身支度を手伝っているのはアリア一人だけ。


アリアだけは、キリアが赤ん坊の頃に公爵邸へ連れて来られた時から、大切に育ててくれた存在だ。

言うなれば、キリアの乳母のような人だろう。


(でも、私を大切に育てたせいで……アリアは他のメイドたちと馴染めず、虐めを受けていたって書いてあったっけ)


今のところ、彼女の体に目立った外傷はない。

けれど、嫌な思いをしているのは間違いないだろう。


だとしたら、尚更――この状況を変えなければならない。


(……だって、それこそが、私が処刑された時にアリアがもうこの屋敷にいなかった理由だから)

そう。

キリアが正式な婚約者として認められた15歳の頃、アリアは公爵邸を去った。


それまで耐えていたのは、紛れもなく彼女の優しさ。

そして15の時に出て行ったのは、キリアが幸せになれると知ったからなのだと、今なら分かる。


けれど――その2年後。

キリアは冤罪で処刑された。


(確か……キリアの死を知った後、アリアは毎日欠かさず墓参りをしていたんだよね)


アリアだけが、キリアの死を心から悲しんでくれた存在だった。


そんな悲しみに沈んでいると、アリアが少しだけ怒ったような声で言った。


「お嬢様。鏡の前で考え事をなさる前に、先に食堂へ行く準備をしてしまえばよかったですね!」


それを聞いたキリアは、こう答えたのだった。

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