4/7
4 転生の訳
書き直す場合があります。ご了承下さい。
その直後、二度目の頭痛が襲ってきた。
今度は、頭が軋むような、耐え難い痛みだった。
「――っ!」
「お嬢様?!」
視界がぐにゃりと歪み、やがて、すべてが闇に沈んだ。
*****
ちょうど、信号が赤から青に変わったところだった。
「はい、はい。分かりました。では、その方向で進めますね」
―「ええ、お願いします」―
「任せてください。お忙しい中、ありがとうございます」
―「いえいえ。それでは」―
「はい、失礼しま――」
言い終える前に、突然、体に硬い衝撃が走った。
身体が宙に浮き、そのまま地面へと叩きつけられる。
「きゃあ! 誰か、救急車を!」
「大変だ! 女性がトラックに――!」
周囲の音が、遠ざかっていく。
世界が、水の中に沈んでいくみたいに、ぼやけていった。
――ああ。
これが、死なんだ。
直感的に、そう理解した。
もう、助からないのだと。
そして、再び、闇。
*****
次に目に映ったのは、心配そうに覗き込むアリアの顔だった。
……そうだ。思い出した。
私は、仕事の電話中に、信号無視のトラックに跳ねられて――死んだ。
そして、この世界に転生した。
「物語の主人公」としてではなく。
――脇役として。
やっと、すべてが繋がった気がした。
同時に、自分が“いずれ死ぬ運命を持った存在”だということも。




