13 運命とすれ違う夜
書き直す場合があります。ご了承ください。
それからしばらくすると、王城が見えてきた。
キリアたち3人を乗せた馬車は王城の門をくぐり、やがて宮殿の前で止まった。
馬車の扉が開き、公爵が先に降りる。
彼は公爵夫人に手を差し伸べ、夫人がその手を取って降りた。
それに続き、キリアも馬車を降りる。
(さぁ、ここからがいよいよ本番ね。気合を入れていかなくちゃ!)
キリアは公爵夫妻の後ろを追うように、夜会が行われているホールへと向かった。
緩やかにカーブした階段を一段ずつ丁寧に降りると、そこには大勢の人々が集まり、それぞれ談笑を楽しんでいた。
ふと視線を巡らせたとき、ある人物に目が止まる。
(ティアラ・ディー・ヘルディン……)
小説の主人公。
そして、ヒロイン。
彼女こそが、キリアが死んだことで王太子と結ばれる存在だ。
(……なんか腹立つわね。私はキリア本人じゃないんだけど……それでも、やっぱりムカつく!)
そう思いながら、ヒロインらしい可憐な姿を見つめていると、不意に目が合った。
彼女は人の良さそうな微笑みを、キリアに向けて浮かべる。
思わず身構えた、その瞬間——
ダンスの曲が始まった。
(はっ……! 急がないと!
私があの皇帝と対峙できるのは、このダンスの時間だけなんだから!)
正確に言えば、キリア一人で自由に動けるのが、この時間しかないのだ。
それ以外は公爵夫妻と行動を共にするため、皇帝に近づくことは難しい。
(善は急げ、ね!)
そうしてキリアは、皇帝がいるであろう場所へ向かうため、ホールを後にしたのだった。




