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11 私を証明するもの

書き直す場合があります。ご了承下さい。

目線をやった先にあったのは――

アストラフ皇国の国章。

そして、皇族しか所持することを許されないブローチだった。


これは、最初からキリアの寝台の下にあったわけではない。

義理の両親である公爵夫妻が、キリアに見つからないよう、こっそりと隠し持っていたものだ。


それを知ったキリアは、隙を見て公爵夫妻からこのブローチを奪い返した。

公爵夫妻は恐らく、キリアがすでにこれを手にしていることには気づいていないだろう。


そして――キリアが、そんな重大なものを隠されていた事実に気づいたのは、

転生前の世界での“とある記憶”を思い出したからだった。


*****

「先生、もしもの話ですけどキリアが自分の正体を知ったらその婚約破棄イベントは無くなってしまうんじゃないですか?」

「その可能性はなくはないですけど、帝国の人に自分の正体をキリアが口頭で明かしても誰も信じないと思います。何せ、皇族だと言う証拠を公爵夫妻に隠されていますから。」

「証拠?それを公爵夫妻はどこに隠しているのですか?」

「証拠は、皇国の国章ブローチです。公爵夫妻はそれを図書室にあるとある本の中に挟んでいるのです。」

「探すの大変そうですね」

「はい、探しにくい場所にあえて設定しましたから。」

*****


実際、このブローチを見つけ出すまでには、想像以上の時間がかかってしまった。

決心がついてすぐ探し始めたものの、無事に自分の部屋へ持ち帰れたのは、ほんの十五分ほど前だ。


(……やっぱり、あの時の話は本当だった)


(このブローチさえあれば、皇帝の前に立って、自分の正体をきちんと証明できる。

だから――何があっても、絶対に無くさない。盗まれるなんて、論外よ)


「お嬢様、出来ましたよ。とってもお似合いです!」


アリアの声に顔を上げ、鏡を覗き込む。

銀髪は美しく編み込まれ、頭の後ろでまとめられていた。上品でありながら、顔立ちがはっきりと映える髪型だ。


この銀髪は、亡くなった母から受け継いだもの。

そして、皇国の皇族にしか受け継がれないイエローダイヤモンドの瞳は、皇帝が実父である証。


――それらすべてが、

キリアという存在を、この世界に証明するものだった。

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