保育園の女神
ある日
家庭の女神ティアスは
宗教画と言うものを見た
赤子を抱いている女性を見て
「これだよ。これ。
僕もこんな風にあるべきなんじゃないか?」
そう思った。
居るんBOSS
「そういうわけで
別の神様のお母さんがすてきだったので
僕も赤ちゃんが欲しいと思ったんだ」
家庭の女神であるティアスが
VTuber事務所でもある
家族の前でそう語り始めた。
「よし、それなら任せろ。
さあ、姉ちゃん
布団を敷こう」
雷の神様であり
少年VTuberとして活動している
紀元前生まれの、ゆぴたんは
姉が、子を欲しがっているのに
すぐに便乗しようとした。
「目的はエロスだろう?
僕は処女神でもあるんだぞ。
そして、宗教画といわれたそのお母さんは
処女受胎したんだって
これなら、僕にも出来そうじゃない?」
そう、思春期の少女の願望みたいな事を
同じく紀元前生まれである
この場で一番の年長者はうっとりとしていた。
「あなたも
妻の前で
姉に手をだそうとするんじゃないよ」
そう権力の女神yu-noがたしなめるも……
「僕の妹なんだから
yu-noも、ゆぴたんの姉だからね?」
複雑な家庭環境に
話題は尽きなかった。
後日。
秘密結社Old Lex所属の
女郎蜘蛛の怪人系VTuber
蓮
は、相談を受けて
「それなら、一緒にがんばりましょう」
と、職場に誘った。
さらに後日
Old Lex市の
秘密結社Old Lexが運営する保育園
「わーい、蜘蛛のお姉さんだ」
「今日は、お胸のおおきいお姉さんもいる」
「遊んで遊んで」
と、子供たちに囲まれる
家庭の女神と
女郎蜘蛛の怪人。
ここでは
異形の生物を、なんら恐れない子供たちしかいない
家庭の女神にしては、絶好の働き場だった。
「……すごいです。
抱っこするだけで
どんな子もすぐにおとなしくなって」
蓮は
ティアスのその手腕を
とにかく褒めちぎった。
「そんな
経験は少ないけど
僕は家庭の女神だからね
育児、教育も権能のうちさ」
自分の能力に
さらに深い信頼と自信を持つ
「能力であっても、それを使うには
並々ならぬ苦労があったはずです。
聞けば私よりずっと年上だそうじゃないですか
尊敬します」
一気に尊敬を集めたティアスは
「これだよ、これ。
僕は本来こうあるべきなんだよ。
ここが、僕の天職かも知れない」
と、女神が
1地方の、30人ほどの
他人の子を一時預かる
保育権の業務を天職と感じていた。




