盗賊の神
異次元。
時間も空間もない場所で
大神は、雷神は
父として、泣いていた。
「マクスよ。
盗賊の神よ。
その権能から
宿命から、逃れられなかったわが子よ。
父が
大神が、お前を救おう。
お前を助けよう。
今度こそ
今度こそだ。
目が覚めた時、思えは何も知らない
知らないだけじゃない
魂を
尊さを知る事が出来なくなる。
今は、
ただ、こうする事しか出来ない父を
大神などと言われながら
息子、一人救うのに
記憶を消すしかできないわしを許しておくれ」
昨日。
時間の関係ないこのものたちに
昨日と言うのもおかしいが
たしかに昨日である。
そんな深夜に、マクス
盗賊の……情報の神は一つの民家に忍び寄った。
「姉さんが、父さんが気にしている尊い魂。
たとえ、魂であろうと
ある
の、なら盗んで見せるさ」
いろいろな手をつくすなんてまどろっこしい
そう思った、マクスは単独で
1人で考えて、その民家に来た。
民家の部屋。
二階の一室に入りこみ
寝込みを確認した後
そ れ は と つ ぜ ん あ ら わ れ た 。
魂
魂である。
いや、魂であるはずだった。
だが、マクスにはなんだかわからなかった。
まるで、昼間に懐中電灯をつけたように
月も星もない夜空の下で黒い髪を拾うように
大きな?
大きいんだと、思われたそれに
マクスは塗りつぶされると思った。
そして、命からがら逃げだした。
そうして、今
父に泣きつき
盗賊がいる。
「なんだ、なんなんだあれは。
魂は
魂とは、虫も人も
なんなら神と言われる俺達だって同じ
同じ大きさじゃないのか?!
俺は何にあったんだ。
何を盗もうとしたんだ。
助けて、助けてくれ父さん。
何かが
何かが、もし怒っていたら
俺が
俺が消えてしまう
いや、消えるんじゃないのかもしれない
ただ、ただ
大きさに包まれる!
たすけてよっ」
たすけを求めてきた息子を大神は抱きしめる。
頭を、
背中を
頬を撫でる。
「マクスよ。
ただ一人、尊い魂に触れることに成功した息子よ。
お前の勇気!
行動! 決断!
決して、わしは無駄にせんぞ。
幾ら、記憶を消そうとも
たき火に虫が吸い込まれるように、こころきゅんにふれた息子よ。
万の、億の、それ以上の数の記憶を消してもこころきゅんを求めた息子よ。
かならずや、かの魂を手に入れ。
世界を作ったとされる全知全能。
何かが爆発したと言われるビックバン!
そんなものより、もっと大きく
ワールド イズ ワン(1の世界)
世界、この世はわし
ただひとつのわし、
そう、言われるようになってやる」
ここに、一人の勇敢な若者によって
偉大なる神が野望を決意に変えたのだった。
そんな事があった翌日。
居るんBOSS
盗賊の神マクスはお手伝いをしていた。
父の
姉
つまり叔母の下着を盗むと
お小遣いが貰えるのだ。
寝室に忍び込んだマクスは
そこで、見る事になる。
父と叔母が、一つのベッドで寝ているのだ。
しかし、それならばより仕事はしやすい
そう思ったマクスは
寝室にある衣装箱をあさり
奥の方の下着を一枚
そう、一枚だけ拝借したのだ。
翌日
「へっへっへっ
やりましたぜ、父さん」
悪い顔というより
三下な表情で、マクスが笑う。
「よくやった、よくやったぞ。マクス」
そうして、マクスより
全然。背が小さい美少年
ゆぴたんが下着を受け取った。
そして、顔の近くに持っていき
ゆっくりと
そして、確実に深呼吸をした。
「?」
何かがおかしいと思うゆぴたんであったが
これはこれで良い。
と、思い直して
もう一度深呼吸をしたときだった。
yu-noが現れた。
そして言った。
「なぜ、あなたが私の下着を?
なんだかんだで、あなたは私が大好きなのね。
まぁ、下着一枚くらい持ってても良いけど
昨晩も一緒だったのに……」
そう頬を染めるyu-nが
マクスに気が付いた。
「こほん。
息子の前でする話ではなかったな。
まぁ、そういう事だ。
夫婦仲が良いのは良い事だと思って諦めてくれ」
そういって
この場から離れて行った。
ぽかん。
そのあとでマクスは殴られた。
「妻の下着じゃない!
姉さんは三人いるのに
なぜ、妻のを選んだ!
他のだ、他のを持ってこい」
「叔母のとしか言わなかった父さんが悪いんだろう!」
そう、ぎゃーぎゃー言ってるところに
ティアスが、長姉が
うるささを聞きつけてやってきた。
「……姉さん?」
「なんだい、ゆぴたん。
うん、聞いていたからね
弟と同じめにあうと良い」
それを聞いたマクスは逃げようとしたが
「マクスも、どうせお小遣い目当てだと思うけど
変な事しないように
教育
しないとね」
それからしばらく
投網に吊り下げられた
ゆぴたんとマクスが確認された。
おまけ
「弟と、甥が、わしと同じ趣味に?!
よし、海に行こう!」
「違う」「違う!」
勘違いした、ポセイどーんの説得に1時間かかった。




