魔界、さきゅばすさん登場。
魔界
一体のサキュバスがご機嫌に飛んでいる。
「さっきゅばーす、さっきゅばーす♪
私は、陽気なさっきゅばーす♪
人間に今大人気のさっきゅばす。
大人になった瞬間に魔王様に呼ばれるとか
玉の輿!!
まぁ、そこまではいかなくても、
きっと良い話よね。
みんな(同種族)のみんなにも応援してもらったし
がんばるぞ」
そうして、陽気なさきゅばすさんはお城の中に入っていった。
魔王城。
さきゅばすさんは震えていた。
魔王の巨大さに
その強さを感じる存在に
自分の色香が認められたと
何を浮かれて居たんだと……後悔を始めていた
が
色香が認められたのは正しかった。
「さっきゅばすよ。
お前に頼みがある」
その巨大なる存在
魔王から声がかかる。
「頼みですか? ご命令ではなく?」
頭を下げ
騎士のように膝立ちをしてさきゅばすさんは話をすすめる。
「うむ、頼みだ。
こころきゅんの良さがわからぬ、女など必要ないからな」
「………………こころきゅん?」
およそ、魔王らしくないきゅんづけの優しい声色にさっきゅばすは驚いていた。
そして、さらに驚くことになる。
「これを、見てくれ」
パチンと
指を鳴らすと
この魔王城、大広間に巨大なモニターが現れた。
その画面に映っていたのは
VTuber
天地魔心……こころきゅんの朝活配信だ!!
「今日は、卵焼きを焼いて……
えいっ、上手にひっくり返せましたね」
画面の中のアバターはぴょこぴょこ飛び跳ねているだけだが
料理が完成すると写真が出る。
よくあるVTuberの朝の配信である。
「えっろ……命が、モノ食べてるし
卵とか混ぜてるのとか、これうちらの仕事ないじゃん」
エロスの専門家であるさきゅばすさんも、この光景には頬を染めるしか出来ない。
「うむ、わしらはそう思うが人間にはそうでもないようでな。
そこで、お前にVTuberをやってもらいたい」
さきゅばすさんの反応に満足したと言わんばかりに
大仰に頷いて魔王が言った。
「……ええと、これと同じ事をやれと?」
期待が大きすぎるとさきゅばすさんは困惑した。
「そうだが、そうではない。
こころきゅんには、最高のパートナーを与えたい。
かといって、まさか相手が決まってる奴も与えたくない」
魔王は、ひとつずつ
噛んで含めるように説明を続ける。
「それで私と……?
こころきゅんは知っているので?」
「知らん。わしらもしらん。
近づく事から、お前の仕事だ」
「難易度たっかぁ……
それに、私らが相手したら人間であるこころきゅんがすぐにダメになるのでは?」
さきゅばすの"権能"で、人間は堕落すると言われている。
その事をさきゅばすさんは指摘した。
「わしらにとって、こころきゅんの肉体に興味はない。
ダメになろうと、それはそれで良し」
「それならやります、やらせてください。
だめっていっても、脱走してでもやります!」
「やる気があって!、大変結構!
天や異世界のみんなにも協力を取り付けてある
わしもすぐにいく、配信開始してがんばるが良い」
「はい! がんばりま……って、人間界に行っても?」
「パートナーにする気だといったろう、すぐに向かえ!
住所、VTuber事務所はすでに用意されている」
「はっ、誠心誠意がんばります!」
(玉の輿どころじゃねー、完全にトップのお妃……は言い過ぎか、愛人候補じゃん! みんな! あたしがんばるよ
がんばる!)
決意を固めたさきゅばすさんは人界
人間界に向かうのだった。
VTuberと言えば、魔王とサキュバスですよね。




