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第93話「全員集合1」

水晶が再び動き、カルロスとニーナが吸い込まれて封印が解かれ、カルゴスは復活。

未来側では仲間が結集する。

カルネスが金庫を開けた瞬間カルゴスが姿を現して世界征服を宣言する。


パオンタウンでは、空が黒煙で覆われる中、人々が逃げ惑い、戦士たちが必死に避難経路を作っていた。

その頃、カルネスは城の受付で一人だけ場違いな戦いを続けていた。

外で仲間が命を懸ける中、臆病な自分は掃除をして時間を潰すしかなかった。

だがジェイムズに説得され、カルネスはついに戦場へ向かう決意を固める。

ミオとともに城を飛び出し、パオンタウンへ向かう。


一方カルロスは薬屋で戦力外として薬草を雑に調合し、メグに叱られながらも必死に自尊心を保っていた。

そこへカルネスが駆け込み、父を説得して合流。


こうしてカルロス、カルネス、ジェイムズ、ミオら遅れていた者たちも戦場に加わり、最後の戦いへと向かっていった。


 ♢♦︎♢


全員集合──


カルロスは震える手で鍋を持ち上げ、ぎこちなく前へ踏み出した。


「よぉし、いっちょやってみっか! スーパーエリートの力、戦場で証明してやる!」


──声は勇ましいが、鍋の底は焦げている。


カルネスは汗ばんだ掌で剣を握り直す。


「パオンタウンとギブタウンは遠くはない。ギブタウン城の城主としてはやるしかなさそうですねぇ」


──強がりとは裏腹に、腰は今にも抜けそうだった。


ニーナは振り返り、かつて敵だった仲間も含めて一人一人の瞳を見つめて微笑んだ。


「みんな、来てくれてありがとう。私一人では何もできない。でも、あなたたちがいてくれるなら立ち上がれる!」


──その声は震えていたが、背筋だけは誰よりもまっすぐだった。


フラムは杖を握りしめ、声を張る。


「ニーナ……あなたが庇ってくれて私は変われた。そのことを私は一生忘れない! あの日の恩返しをしたい!」


──その瞳は過去の弱さを焼き払うように輝いていた。


アーサーは女性陣を見回し、剣を構えるよりも先に口を開いた。


「おっぱい……!」


──その瞬間、何人かの女性が同時に冷たい視線を放ったのは言うまでもない。


シーサーは深呼吸し、震える足を前に踏み出す。


「微力ながらお手伝いさせていただきます。いえ、微力なんかじゃ終わらせません! 行きますよ、皆さん!」


──その声には仲間の背中を押す力があった。


マヤは舌打ちして敵を睨みつける。


「こんな怪物、あたしたちにどうしろっての! ……でも、だからこそ燃えるんだよ! 泣き言言ってる暇があるなら、全力で暴れてやる! ねぇリリア、後悔すんなよ!」


──その拳は恐怖よりも先に怒りで震えていた。


リリアは目を輝かせて応じる。


「それな! だって私たちは一人じゃない! 力が足りないなら、みんなでぶつければいい! 笑って泣いて叫んで、最後は勝つんだよ!」


──彼女の無邪気な笑顔が、場の空気を一瞬だけ明るくした。


チェロスは拳を固め、力強く前を睨む。


「見ていてくれ! 強さというのを! 俺はもう迷わない! 弱さも恐怖も全部抱え込んで、前へ進む!」


──過去がまとわりつくが、その足は前を向いていた。


ラヴォスは至って冷静である。


「フン、くだらん。弱者の集いに何ができる? だがいいだろう。その必死の足掻きごと、この手で踏み潰してやる! 絶望を心の奥底から味わえ!」


──彼の周囲だけ、まるで空気が凍りついたように静まり返る。


メルは風にめくられる手帳を押さえる。


「手帳と魔法陣の準備完了! 歴史も、理屈も、魔術も、全部この瞬間に繋がってる!」


──ミオは見られない光景に怯えながら胸に手を当てる。


「なぜかついてきちゃったけど、こんなことになっていたなんて……でも、だからこそ分かったんです! 私もただの足手まといじゃない! みんなの力になれるように、精一杯戦います!」


──震える膝を隠すように一歩進むその姿は戦う人間だった。


ハックは剣を掲げ、仲間へ声を飛ばした。


「ピッケ! マニー! ギプト! 行くぞ! 俺たちは海で鍛えた仲間だ! 嵐よりも恐ろしい相手だが、波に飲まれるわけにはいかねぇ!」


──荒れ狂う海を潜り抜けた者の叫びは、戦場の空気さえ震わせる。


ピッケは本を読み、笑い声を上げる。


「オイラですらこんな敵のデータは知らないなぁ! でも逆にワクワクしてきたぜ! 分からないからこそ調べる、知らないからこそ戦う! それがオイラの生き様だ!」


──ページをめくる指がいつもより速かった。


ギプトは片目を細める。


「片目で十分……この世のすべては片目で見える! お宝も、敵の弱点もな!」


──その視線は研ぎ澄まされた刃のように鋭い。


マニーは髪をかきあげ、色気を出す。


「私の稲妻、あなたにも落としたくなったの。フフ、なんてね」


──その微笑みは、本当に雷が走ったかのような余韻を残した。


ミクロンは一歩進み、刃を前に突き出した。


「ラヴォス様。こうして出会えたことを光栄に思います。敵の討伐はお任せください」


──どこか常人とは異なる冷たい執念が滲んでいた。


クルーは慌てたように手を挙げる。


「お、俺っちにも任せてくだせぇ! ボルテックスマシンもそう言ってるでヤンス!」


──背後のマシンから異音がして逆に不安を増幅させていた。


ジェイムズはいつもに増して険しい表情である。


「お前の 教え ちゃんと 俺の中 ある」


──そのカタコトな言葉には、積み重ねてきた覚悟の重さが宿っていた。


エドワードは雷鳴を呼び込むかのように剣を高く掲げる。


「雷鳴と共に現れよう、雷鳴の戦士、エドワード参上! 我が雷が、必ずや勝利の道を照らしてみせる!」


──雷の気配が彼を包み込み、体中に戦意がみなぎった。


フレディは背の炎を揺らし、刀を抜いた。


「炎の如く、拙者は進むでござる! この炎が消えることはない。勝利という未来を燃やし尽くすまで!」


──炎の熱が彼の決意をさらに力強く燃え上がらせた。


スコットは水を纏うように柔らかな構えを取る。


「流れる水のように、全力で対応いたします! いかなる脅威も受け流します!」


──冷静さが彼の心を落ち着かせ、敵を見据える目を鋭くした。


ジョニーは漆黒のオーラを纏い、不敵に笑った。


「さぁ俺様の出番だ! 暗闇を切り裂いてやるぜ! ロックンロールで吹き飛ばしてやる!」


──黒い闇が彼の周囲を包み込み、笑みが一層凶悪に見えた。


パスカルは突風を巻き起こすかのように刃を振り抜く。


「風の流れに乗ってスパーンと行くぜ! 吹き荒れる風は敵を切り裂き、味方を守る!」


──風の力が体を駆け抜け、彼の動きを軽やかにしていた。


息子は珍しく報酬のことを半分くらいまでにしか気にしなくて父親の仇をとりたいと思えた。


「ぜってぇぶっ潰す!!! ギタギタのボロボロにしねぇと腹の虫が治らねぇ!!!」


──普段のちゃらけた態度からは想像できないほど、瞳の奥で燃える炎は強く鋭かった。


最後の敵、残穢カルゴスが吠える──

ギブタウン、そしてテイクタウンの全員が、その咆哮に応えるように声を上げた。


 ♢♦︎♢


ミクロンは息子を見て言う。


「あ、あの時殺したはずじゃ……」


「殺した? まさか父さんのことじゃ!」


「その割には見た目は同じだが」


「こちとらいろいろあったんだよ! てめぇのせいで俺は散々な思いもしたんだぞ!」


「お前はあの時の!」


カルネスも言う。


「ああ、だが俺はあの時よりも強いぜ。加勢してやらんこともないが」


「……好きにしろ」


「ま、今更ノコノコ出てきたんだ。戦力になってもらわねぇと困るぞ」


「味方同士で争っている場合じゃねぇ!」


ハックが来る。


「これはいざという時のために携帯していたんだが……」


ハックは腰の袋から小さな機械仕掛けの球体を取り出した。


「俺の祖先はハック・ションといい、数々の発明品を世に残した。このギア・ボムもその一つだ……だが俺には頭が足りねぇ。使いこなせそうなのはお前しかいねぇ、ピッケ!」


そう言って、ハックはその球体をピッケに放り投げた。

ピッケは慌ててキャッチし、眼鏡を押し上げながら目を輝かせる。


「こ、これって伝説に聞くハック・ション式の兵器!? こいつぁすげぇ! 解析しながら戦えるなんて最高だ! 行くぞ!」


ピッケはギア・ボムを素早く展開し、歯車を組み替える。

すると小型の浮遊砲台に変形し、カルゴスに向けて光弾を連射した。


「データ収集完了! 弱点は装甲の継ぎ目! そこを狙え!」


ギプトが口元を吊り上げる。片目が光る。


「片目で十分……この世のすべては見えている! 継ぎ目? とっくに狙ってたさ!」


彼はクロスボウを引き絞り、鋭い矢を放つ。

矢は巨獣の装甲のわずかな隙間へ突き刺さり、火花が散った。

その横で、マニーが両手を天へ掲げた。


「ふふ、もう抑えられない……! 私の稲妻、あなたにも落としたくなったの!」


轟音とともに雷光が彼女の全身を包む。

長い髪が逆立ち、瞳から稲光が迸った。


「これが女の本気よッ!」


マニーは稲妻をカルゴスの脚部に叩きつける。

巨大な体が一瞬よろめき、動きが鈍る。

ピッケは砲台を再調整しながら叫んだ。


「ナイスだ! 今のうちにギア・ボムを最大出力へ……!」


「勝負はこれからだ。片目海賊団の力、見せてやろうぜ!」


巨獣カルゴスは咆哮を上げ、闇をまとった腕を振り下ろす。

だがその瞬間、三人は互いの動きを読んだかのように連携し、攻撃を避けながら反撃を繰り出していった。

残穢カルゴスは雷を浴び、矢に射抜かれ、砲撃を受けてもなおその巨体を揺らさない。

黒い靄が全身を覆い、傷を無理やり塞ぎながら吠えた。


「チィィッ……下等ナ虫ケラドモガァァァ!」


その咆哮と同時に、漆黒の衝撃波が放たれた。

地面が抉れ、建物が吹き飛び、仲間たちは次々と押し返されていく。

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