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第53話「死闘の序曲はスッキリの後に」

カルロスたちは、ギブタウン城付近で青年の変死体を発見した。

青年は宝石店で働くごく普通の人間であったが、その平穏な生活は一変し、突如として未来の世界の敵軍により命を奪われてしまったのだ。


カルロスたちは、死者を生き返らせることができるという天使の翼の情報を入手し、青年の蘇生のために危険な場所へ向かった。

しかし、そこに生息するモンスターに襲われ、彼らも命を落としてしまった。


しばらくして、死亡した青年の息子と名乗る者が、その噂を聞きつけ城に現れた。

チェロスが経緯を説明すると、息子はなんとカルロスの代わりに天使の翼を探すと言い出した。


だが実はその息子は、父とは正反対の性格で、ねじれた野心と金への執着を持っていた。

文句を言いながらも報酬目当てで、天使の翼や、もしカルロスたちが蘇生した場合に元の世界へ戻すために必要な水晶の欠片などを集めるため、ウッドタウン、サハラタウン、ウィンタータウン、ボルタウンと各地を巡った。

道のりは過酷であったが、彼は少しずつそれらを収集していった。


息子は城内の人間には媚を売り、関係のない他の町の人々には当たりが強かった。

その傲慢さと苛烈な態度のせいで、町では自殺者も出た。

亡くなった者たちの怨霊が息子に取り憑き、さらなる不幸をもたらすこともあった。

やがて天使の翼などが一定数集まり、ギブタウン城に預けられた。

しかし、間もなく強盗が押し入り、全てを奪われてしまう。

息子はスカイギャラクシーの宇宙まで追いかけたが、その最中、生身で地上まで墜落してしまった。

息子は生死の狭間で自らの悪行を振り返り、反省した。

すると、取り憑いていた亡霊は消え、彼はついに解放されたのである。

その後、無事に強盗から天使の翼やその他の財宝を奪還することができた。


 ♢♦︎♢


テイクタウンにて、息子も探している天使の翼の情報を入手したラヴォスはラヴォス軍の兵士に指揮する。


「業務連絡だ! もし出先に天使の翼ないし天使の翼の羽というアイテムが落ちていたら拾ってこい! 画像はこの本に書いてある!」


「「はっ!」」


 ♢♦︎♢


息子は次々とラヴォス軍のボスたちを倒して、ラヴォス同様、父親らを蘇生させるために天使の翼などを集めていた。

だが、ギブタウンの城に強盗が侵入し、翼などを盗まれたのである。

暗闇の中で犯行は行われたが、なぜかチェロスは犯人の正体や、逃げた場所を突き止めていた。

残された二人は、深刻な表情で話を始める。


「……で、なんで宇宙に行ったって分かったんだ?」


「……実は」


チェロスは全てをカルネスに話した。


「なにィ!? チェロスは元々、テイクタウンの元で働いていた兵士だったのか! なるほど。だからさっきの強盗が誰なのか分かったのか。にしても、なぜお前は、テイクタウンから離れたんだ?」


チェロスはラヴォス軍による不毛な戦いで故郷や家族を失ったことや、残忍な手段で人を殺したことなどを隠さず話した。


「そんなことがあったのか……それでヤケになって、俺の城に来たってわけか……」


「さっきの奴が来たってことは、ラヴォスたちがこっちに来るのも時間の問題かもしれない。逃げた俺を連れ戻しに来るか、裏切った俺を殺そうとしてるのか。除隊に神経質になって襲いかかってくるなら後者だろうな。このように内情を伝えるのは、ラヴォスにとって絶対に許されない行為だ。とにかく、ボヤボヤしてる暇はない! 息子さんが帰る頃には、ラヴォスがこの城に来るかもしれない。なんとか対策を練らなければ!」


「そうか、分かった。指揮統制を図る。陣形を乱すな!」


「ああ! 周りの兵士にも伝えておく!」


「(ラヴォス……なんかどっかで聞いたような……まさか…まさか……あの時の!)」


カルロスが縄で縛られた際、カルネスが隠れていたときにすれ違ったラヴォスを思い出す。


「(そうだ、父さんを殺そうと企んでいた奴だ! 今頃になってまた来るとは。しかしもう父さんは……すなわち、奴の狙いは、俺なのかも。チェロスを連れ戻すとか、殺すとかそれが奴の狙いではないかもしれん。殺そうとしていた父さんを開放した俺も狙われるかもしれない。とにかく、チェロスや城の兵士、息子さんだけでは奴の足元にも及ばないかもしれない。だが、どうにかしないと、全滅するかもしれないし、また翼やかけらを盗まれて、それを使ってなにかよからぬことをするかもしれない……)」


 ♢♦︎♢


テイクタウンでは──


「ラヴォス様、5ボスが水晶の欠片と天使の翼を奪うことに成功した模様です」


「おお、でかしたぞ」


「今、現在テイクタウンに戻る準備をしているとのことです」


「よし、下がっていいぞ」


「はっ!」


「(これで、水晶を回収したのち、過去からやって来たカルロスを殺し、水晶を使って城を乗っ取れば、この俺の悲願は達成される! 今に見てろカルロス!)


そこへ5ボスが戻ってくる。


「おう、5ボス、よくやった」


「青髪の奴は自分からノコノコやってきたので、天使の翼とかを奪うことに成功しました!」


「おう、ご苦労」


「しかし奪い返されてしまいました」


「は? どういうことだ?」


「青髪の奴を追っかけて、城を突き止め、停電させて侵入して保管してあった翼はもちろん、一緒にあった欠片を奪い、宇宙へ戻ったところまではよかったのですが、なんと彼は私のとこまで追いかけて取り返されてしまいました」


「敵軍に刺激を与えるとはなんてことをしてくれたんだ! 俺が言ったのは勝って翼を集めろと言ったのだ!」


「す、すみません……」


敗北した1ボス〜4ボスは話した。


「にしても2ボスも3ボスも4ボスも敗れたか……」


「ワガハイも体力が尽きて負けたでござる」


「オレはミサイルを当てられた…...」


「右に同じ」


そう、息子は報酬目当てで簡単にボスをやっつけていた。

ラヴォスは怒りで顔が真っ赤になった。


「クルーもそうだし役立たずな連中だ! 所詮、元別の国の奴らだ……意識が足りねえんだよ! てめぇらがしたことは、ただその青髪の奴に俺らの情報を提供しただけだ! もう俺一人行ってくる! 俺を怒らせるとどうなるか思い知らせてやるわ!」


「私どもの護衛はよろしいということでしょうか?」


「だから俺一人でいいっつってんだろ! 青髪の奴……まさか俺が処分したネズミではあるまいし、ボスたちを次々と倒していく奴は一体何者なんだ……」


ラヴォスは父親の死を思い出す。


「父よ...…」


ラスボスは若い頃、カルロスに会い、父親に不祥事を擦り付けて清々した話を思い出してむかむかしだす。


「父の.…..父の仇を討ってやる! そしてラヴォスセンサーによると、奪い返された天使の翼は再びギブタウンにある。どうせならカルロスの始末のついでにその翼も奪ってやるか」


「ラ、ラヴォスセンサー……?」


「ん? 待てよ? だとしたら青髪の奴もギブタウンにいるのか? やはり俺の予想が的中したか。カルロスと組んでいたのだ! そいつも叩きどめしてやる! だとすればその青髪の奴はギブタウンの輩に俺たちの部下がヘマした情報を伝えているとなると流出している可能性が高い。もういい、我慢ならん、ギブタウンに行ってカルロスをぶっ潰して来る!」


「ラ、ラヴォス様! し、しかし……」


ミクロンが慌ててやって来る。

ラヴォスはミクロンを弾き飛ばす。


「足手まといはいらねぇんだよ! もう俺一人で十分だ」


そう言い残し、ラヴォスは去って行った。


 ♢♦︎♢


息子がワープポールでギブタウンに帰って来る。


「ハァハァ……やっと終わった。いくら父さんを助けるためとはいえ、こんなダルいこと引き受けなきゃよかったわ。良かったこととしては報酬をそこそこ貰えたくらいだ」


これで合計が天使の翼の羽が三枚、水晶の欠片が五つとなった。

受付のミオに挨拶しに行く。


「おかえり♪」


「ハイ、時間かかってごめんなさい」


「あんな過酷な場所、帰ってこれるだけでもすごいのよ?」


「とんでもないです」


「とりあえず、カルネスの所に行って報告するわよ。きっと喜ぶわ」


「ただいまです! 奪われた欠片や翼を見事に取り返して、新たな欠片とかも収集してまいりました!」


いつもカルネスがいる受付に行くと、そこにはチェロスだけがいた。


「あれ? カルネスさんは?」


「おお、あいつから奪え返したのか。すげぇな」


「あいつ? あのボスのことを知ってるんですか?」


「あっ……全てを話すぜ」


 ♢♦︎♢


一方、ギブタウンでは──


「長年地道に修行を重ねて来た、この完全な超肉体美を奴に見せつける! ……じゃない!! 地道に修行を重ねて来たこの力を、奴にぶつけるのだ!! そして、少しでも奴の野望を阻止する!! 張り切りすぎたら、腹痛くなってきた。お花を摘みに行こう」


トイレへ用を足していたカルネスは、用を済ませて深く息を吐いた。


「ふぅ〜スッキリ!」


戸を引いて外へ出た瞬間、目の前に人影が立っているのが目に入り、思わず声が裏返る。


「ぎゃあああああああああ!!!」


影の主は冷たい笑みを浮かべていた。

じっとこちらを見据え、低い声で言う。


「よう、久しぶりだな」

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