第25話「お人好しな青年4」
青年は農業をやっている農家の人に出会い、その人を勧誘し、オースティンのいる島に連れていった。
「うむ、連れてきたか。さて、次は…どうしようかの……ふ〜む、そうじゃ! ワシは長いこと、この島にいるが、こんな年寄りじゃ…そう長くは生きられんかもしれんし、急に体調を崩すやもしれない。そうでなくても、病で倒れるかもしれん……そこでじゃ、お前さんには『薬屋』を呼んできてほしいのじゃ。頼んでいいかの?」
「分かりました」
青年はオースティンの頼みを聞き、メグのいる村へと足を運んだ。
薬屋と聞いて、真っ先にメグのいる薬屋を思いつき、メグに事情を話し勧誘しようとする。
「う~ん、なるほどね。村を作りたいと……だからさっき建築家を。でも、行ってあげたいけど、私はこの村で薬屋として生きていこうと決心したの。この村に来た時に、私を拾ってくれたのはこの薬屋なの。この薬屋の先生に私はとても感謝してるし、恩返しのためにも私はこの薬屋で働くことを決意したの。だから悪いけど、そっちには行けないわ」
「そうですか……残念です……」
「ごめんね……」
「全然大丈夫ですよ。無理な話ですから」
「あ、そういえば……この村の名物ってもう見た?」
「名物? それは一体……」
「メンディ隕石って言って、この薬屋を出て北のほうを歩いていくと、この村に埋まった隕石があるの」
「隕石!? 一体なにが?」
「私がここに来る数年前にこの村に隕石が降ってきたらしいの。隕石が落ちた瞬間、村中は大騒ぎになったそうだけど、しばらくして隕石の危険な力がなくなり、隕石をどかそうとしたんだけど、重くて面倒になってどかすのをやめたんだって。それ以降、その隕石は一つの名物になったらしいわ」
「へぇ」
「暇があれば寄ってくといいわ」
「分かりました。ありがとうございます」
青年はその後、他の薬屋、医者などにも声をかけたが、話には乗ってくれなかった。
そしてメグが言った隕石の場所に顔を出し、一旦島へ戻るのであった。
♢♦︎♢
「そしてミクロン、お前は例の村に向かえ。アレを採取してくるのだ」
「はっ!」
「アレのことは分かっているな。そう、隕石の欠片だ。話によると数年前にメンディ村に隕石が降ってきたそうだ。そしてその隕石から採取できる欠片は現在、また新たに開発を進めている新兵器の素材に含まれているそうだ。なんとしてでも、その隕石の欠片を採取してくるのだ! そのついでにその村も制圧しておけ。もしかしたら隕石の欠片について情報があるかもしれないしな」
「了解しました!」
♢♦︎♢
ミクロンはメンディ村に着く。
「とはいったものの……島には着いたみたいだが、隕石なんてどこにあるのだ。ん? でかい岩がある。もしやあれがそうか?」
大きい岩を目印にミクロンは移動する。
ミクロンが見たのは例の隕石であった。
「これが例の隕石か。この辺りに隕石の欠片があるのか」
隕石の周囲には人々の姿があったため、ミクロンは少し距離を取り、様子を窺った。
「今は人が多い。とりあえず様子を見て、援軍を呼び、村を襲撃するか。村を制圧後、隕石の欠片のことを吐かせ、欠片を入手し、ラヴォス様の所へ戻る……でいいか」
♢♦︎♢
青年はオースティンのいる島に戻る。
「そうか……それは仕方ない。また次の機会でいいか。お前さんには移動させてばかりだったな。そろそろ休んでもよいぞ」
その時、向こうから声が聞こえる。
「おーい! 誰かいるか!?」
声は遠くで船を動かしている人だった。
その後、島に到着する。
「お前はジュアン! なぜここに?」
「あ、兄貴!」
「一体なにがあった?」
「大変だ! どこからやってきたか分からん連中が、俺たちの村を襲いかかってきて……」
「(もしや、またラヴォスの手下か?)」
「誰かに助けを求めてここまで来たんだ!」
「分かりました。すぐ村へ向かいます」
「ご老人、すみませんがあなたも一緒に来てもらえないでしょうか?」
「分かっておる。だがすまないが、先に行っててくれ。ワシは少し準備をしてからその村へ向かうとしよう」
「準備……ですか? 了解しました」
♢♦︎♢
その後、青年はメンディ村に移動する。
そこにはミクロンに襲われ、半壊した村があった。
部下が痺れを切らし、侵略したようだ。
「さあ、命が欲しけりゃ隕石のことを話せ!」
「そ、そう言われても…」
ふと、ミクロンの目に青年の姿が見える。
「お前はいつぞやの……ん? 青い髪?そうか、クルーを倒した青い髪の人間とはお前か! 前は見逃してやったが今度はそうはいかねぇぞ。覚悟しろ!」
息子はミクロンに追い込まれた。
「ど、どうすれば……」
その時、ミクロンの背後からミサイルが飛んで来た。
ミサイルはミクロンに直撃し、爆発が起こった。
オースティンが発明品である巨大なミサイルを使い、一発お見舞いしたようだ。
「グハァ!」
ミクロンは大怪我を負う。
「間に合ったようじゃな」
「ご老人!?」
「無事で良かったのう。襲撃された村はここだったか」
「き、貴様……! よくも……」
「抵抗するか? もう一発ミサイルがお前に直撃するぞ」
「くっ! 一時撤退だ!!」
ミクロンは村から撤退を余儀なくされる。
♢♦︎♢
「ありがとうございます。おかげで助かりました」
「いいってことよ」
「ん? アンタはもしかして元村長?」
村人が言う。
「む……?」
「ああ、やっぱりそうだ! あなたは元村長!」
「ど、どうゆうことじゃ……?」
「もしかしてなにも覚えていない? 隕石が落下した日にあなたはこの村を出て行かれたのですよ」
「隕石……? 隕石……なにか思い出せそう……そうじゃ、ワシは……」
ワシには夢があった。
そう、宇宙に行くという夢が……
村の村長でありながら、ワシは村民のことをすっぽかしてひたすら研究に没頭していた。
いつしか、ワシはさらなる研究を行うため、広い場所を求めて村を出た。
そして少し歩いたその時じゃった。
巨大隕石が落下したのじゃ。
落下した衝撃と共にワシは吹き飛ばされた目が覚めると、ワシは少し離れた見知らぬ島にいた。
「という訳か。ワシは隕石の落下衝撃で記憶を失っていたのか」
オースティンは青年の方に振り向く。
「お前さんが連れてきた人たちはこの村の人だったのか。ふぅ……もうよい……ワシ一人で帰るとしよう」
「待ってください、元村長」
「村民を見捨てたワシが、この村に残ることはできん」
「たしかにあなたは村長としてはふさわしくなかったかもしれない。けれども、我々はあなたが夢を叶えるのを見届けたいんです。この小さい島から大きな宇宙へ飛べるのならば、我々はあなたを応援します。だからこそ、あなたにはこの村にいてほしいのです。私たちは皆、あなたの夢に期待を膨らませています」
「そうか……ありがとう。じゃが前にも言ったようにワシが研究を進めるにはこの村は狭いのじゃ。だからワシは、あの島に戻って再び作業をするつもりじゃ。皆には迷惑をかけたな。それではワシは行く」
「待ってくれ村長! そういうことなら俺も行くぜ! 村長一人、島に置いてくわけにはいかねぇよ!」
「僕も行きます」
「俺も行く!」
「私も!」
ぞろぞろとやってくる。
「み、皆……」
「私も行きたいところだけど、私には店が……」
「行ってきなさい、メグ」
「せ、先生! クラーラ先生は……」
「いいのよ、村の一つに医者や薬剤師がいなくてどうするの。人は誰しも仕事をすれば体調を崩すわ。そんな時、人の体を守るのが私たちの仕事よ。だからあなたも行ってきなさい」
「先生……分かりました。行ってきます」
「それにそっちに行く人もいるから、残された人たちで復興とかしなきゃだね」
「よし、それじゃあ準備が出来次第、島へ向かおう! 空よりも高い宇宙を目指して……あの島をスカイギャラクシーと名付けよう!」
こうしてオースティンの命名によりあの島はスカイギャラクシーとなった。
♢♦︎♢
「これで解決か……ん? 向こうの方から気配を感じる」
気配が感じる方へ青年が向かうと、そこにはラヴォスがいた。




