レイナ・アルバートについて
新作です、チートな公爵令嬢が大暴れする話です、頭空っぽで読んでくだされば幸いです。
レイナ・アルバートは公爵令嬢でありながら冒険者としての顔を持っている。
元々アルバート公爵家は武勲を上げ成り上がった事で有名で王族も一目置いている。
そんなアルバート家の血を引くレイナも幼い頃から『自分の身は自分で護れ』という家訓により父親から武芸の訓練を受けていた。
父親は最初は護身術程度を教えるつもりだったのだがレイナは筋が良く覚えも良かったので徐々に本気になっていった。
気がついた時はレイナは武芸百般の達人になっていた。
そんな彼女が『腕試し』と称して冒険者になったのは当然と言えば当然の結果だった。
冒険者になった彼女は成果を上げていき気がついたらSランク冒険者になっていたのは1年後の事である。
流石に強くなりすぎた、とレイナが思った時は既に遅かった。
じゃあ公爵令嬢としてはどうか、と言ったらそっちの方面でも彼女は優秀だった。
家庭教師として雇われた夫人達は『レイナお嬢様に教える物は何もありません!』と早々に去っていったのでその優秀さは垣間見える。
そもそもレイナは真面目でストイック、そして何よりも学ぶ事が大好きだった、その結果、完全無欠の冒険者と公爵令嬢という二刀流令嬢が出来上がってしまったのだ。
そんな彼女も年頃となり婚約者を決めなければならなかった。
有名であるアルバート公爵家の令嬢であるレイナにも当然釣書がやって来た。
その中には王族も入っていて第一王子の婚約者に、という話もあった。
レイナも乗り気だったのでお見合いが設けられた。
しかし、レイナの恋心は一瞬で砕け散った。
「お前が俺の婚約者か? 俺と結婚するんだからありがたく思えよ」
次の瞬間、レイナのグーパンチが第一王子の顔面にヒットして吹っ飛んだ。
「あら? パンチ一発で吹っ飛ぶなんて随分と貧弱ですわね、こんな方が将来の王なんてこの国の未来も明るいものではありませんわね、そもそも初対面の女性に対して口の利き方もなっておりませんし王族というより人としての教育がなっておりませんわね」
当然だが婚約の話は無かった事になったがレイナは一切後悔していない、両親には怒られたけど。
因みにだが第一王子はレイナのグーパンチ+説教のおかげで生意気だった性格はなりを潜めた。
ただトラウマにはなったので生意気な事を発言したりすると周囲の人間が『レイナ嬢を呼んできましょうか』と言うと顔面蒼白になりガタガタ震える様になった。
レイナ曰く『黒歴史の1つ』であり穴があったら入りたいぐらいの記憶から消したい思い出なのだが周囲からは武勇伝の1つと認識されている。
そんな訳でレイナには浮いた話は余り無かったし本人も気にする事は無かった。
跡継ぎには兄がいるし将来的には独立も視野に入れている。
彼女の運命が一変する事になるのは貴族学院の卒業記念パーティーで起きたある騒動に巻き込まれた事になる。