1 始まり
(まさか席替えで隣が学校一の美少女白井さんになってしまうとは••••••。緊張するな。でも、僕みたいな地味な人が話しかけられることもないか)
(あの静かな伊月君と隣の席になるなんて! 前から気になってたのよねー。ん? ゲームしてる!? 伊月君はゲームが好きなのか。実は私もなのよね)
キーンコーン
(あっ、授業始まっちゃった。ゲーム急いでしまわないと。って、えーーー!!)
(ふふーん、どう? 私もゲーム好きなのよ!
これで伊月君とゲームをして、親睦を深める作戦よ)
(ちょっ、え? 授業中にゲームはまずいでしょ!? こんな授業中に堂々とする人初めて見たぞ。早くしまって、しまって! でも言えないし••••••。いや、ここは勇気を出すんだ!)
「し••••••」
(し? これはしましょうってことだわ! 一緒にゲームをしましょうの『し』! それで間違いないわ!)
「いいわよ、一緒にゲームしましょう」
「? なにを勘違いしてるか分からないけど、ゲームしまった方がいいと思うよ。ほら、授業中だし」
「••••••••••••」
「••••••••••••」
(しましょうの『し』じゃなくて、しまっての『し』なのね。恥ずかしーーー!! 伊月君って結構真面目なのね••••••)
(あっ、しまってくれた! 白井さんは素直な人なんだなー)
二人のちょっと変わった関係の始まり始まり。