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旅路

 遮那王、現九郎義経の目には、青い空が見えている。都を遠く離れた、奥州の青い空だ。あの時、鞍馬の天狗の目には何が見えていたのか。そして、何を言いたかったのか。今をもって、それは分からない。あの日の出来事は、それほど時は過ぎていないのに、遠い昔のことのように思える。それは、単純に遠い所に居るからなのか。それとも。

 あの後、ほどなくして遮那王は金売り吉次と呼ばれる男に出会った。彼は奥州の砂金を運んでいた。彼に着いて、奥州へ下る事が選択肢として出て来た時、正直、最初に思ったのは不安だった。自分が今まで生きて来た場所とあまりに遠い。そして、聞き及ぶ東国の話は、あまり良い話では無かったからだ。

 しかし、寺に在れば出家させられる。それはどうしても避けたかった。

 そして、何より、持って生まれた好奇心が勝った。噂話より、伝え聞く話より、書物の中より、実際に行って、その体で感じて知りたいという気持ちが不安を超えた。

 遮那王はそうして鞍馬を離れ、途中、元服して源九郎義経と成った。



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