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切ない別れ7

「佐用奈良です。よろしくお願いします。」

 俺は社会人になった。会社で新入社員として挨拶をしている。なぜ22の男が小学生みたいに挨拶をしないといけないのかが分からないと思いながら。

「よろしく。期待しているよ。」

「はい、がんばります。」

 三流大学、コネなしの俺では、学閥で大手企業や、コネで公務員になることはできない。言ってしまえば、勉強することに意味はなかった。一度、就職活動を経験すれば分かるが、面接で一瞬だけで相手のことが分かるだろうか? 答えは分からない。だから合否の判断は、大学の名前と、政治家だの先輩だの父親が働いているだのコネがものをいう。そこから残った枠を、コネ無しがサバイバルするだけであった。

「作用君の席は一番、端っこね。」

「はい。」

 今の時代、非正規が大卒の9割を占める。もっといえば、正社員で大卒を雇う必要が無くなった。全ての仕事はアルバイトや派遣社員でできてしまう。同じ人間なのだから。その中で中小企業だが形だけとはいえ、正社員になれたことを良しとしなければいけない。

「うわあ、周り外国人ばっかり。」

 会社に入ると、職場の先輩は中国、韓国、フィリピン、ベトナム、ネパールなどの外国人ばかりだった。今の日本人の若者が情けない、使い物にならないので、企業は外国人労働者を積極的に採用した。結果、俺が社会人になった頃には、日本の労働者は半分は外国人に変わっていた。

「よろしくお願いします。」

「よろしく。君の教育係の堂致志麻です。まあ、座りなさい。」

「はい。」

「いや~、嬉しいな。私の下ができた。これで雑用をしなくて良くなるぞ。やったー!」

 俺は先輩には恵まれたのかもしれない。1年前は先輩も俺と同じ気持ちだったのだろう。「なんじゃ、この会社は?」第一印象は、そこから始まり。先輩社員に会社の雑用を押し付けられたのだろう。苦労をされたのだろう。新人いじめとかはなかった。 

「さあ! 新人君! お茶をくんできてくれたまえきてくれたまえ!」

「あの、新人君では無くて、佐用という名前があるんですが。」

「大丈夫! 新人が先輩に楯突くことも、今の時代では普通だ。気にしないから全員のお茶をくんできてくれたまえ!」

「は、はい。」

 この人には勝てない。俺は直感的に感じ取った。諦めた俺は素直にお茶をくみに行こうとする。

「佐用! ラブホテル行くぞ!」

「え? ええー!?」 

「勘違いするな! 求人の募集に行くんだよ!」

 俺の就職した会社は大手求人会社の下請けの営業会社だった。

 つづく。

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