天使と悪魔は笑う4
俺の名前は渋井光。学校の授業が終わり、幼馴染でクラスメートの佐藤闇と鈴木聖と一緒に道を歩いて下校していた。
「いや、今日もよく寝た。」
「光、あんた、その調子で進級できるの? 留年とか恥ずかしいからやめてよね。」
「誰が留年なんかするか!? 聖ちゃん、勉強を教えて。」
「いいよ。光くん。」
「やったー! 聖ちゃんはアンコとは違うね。」
「誰がアンコだ!? 私は闇だ!」
「落ち着いて、闇ちゃん。」
俺たち3人は子供のころから大の仲良しだった。
「キャア!? 誰か捕まえて!? コンビニ強盗よ!」
その時、コンビニから男が手にお金を握りしめて飛び出してきた。コンビニのおばちゃんが大声で周囲の人に叫ぶ。
「あれは!? 悪魔!?」
コンビニ強盗の男を見た時、光は一瞬で男を悪魔と感じ取った。
「逃がすものか! 天使の時間!」
光は神の使徒、天使の力を解放する。光の頭の上には金色に輝く天使の輪。背中には白い羽が生える。光は天使になった。
「ここでは戦えない。天使の領域!」
人の目が多い街中なので、光は別次元を創り出し、自分とコンビニ強盗を別次元にやった。
「なんだ!? ここは!?」
いきなり目の前の世界が変わったので驚くコンビニ強盗の男。
「ここは俺の創り出した別次元。」
光がコンビニ強盗の目の前に座っているかのように現れる。
「なんだ!? おまえは!?」
「俺は神の使徒、天使だ。」
「天使!? ふざけるな!」
「おまえ、悪魔だろ?」
「ギクっ!? なぜ分かった!?」
「コンビニ強盗をするなんて、悪魔に魂を売っていなければできないからな。」
理由は人それぞれだが、人間が行う暴力、犯罪、わいせつ、いじめなどは悪魔と契約した悪い人間しかできない。だから光には、コンビニ強盗の男が悪魔と契約していると分かったのだ。
「バレたからには、おまえには死んでもらう! 俺はこれからギャルと温泉旅行に行くんだ!」
コンビニ強盗の男の皮膚がピキピキと割れて、中から悪魔の肌が見えてくる。
「正体を現したな! 悪魔め!」
「天使を殺して、俺は中級悪魔に昇進してやる! ゴブリン・パンチ!」
悪魔ゴブリンが姿を現わした。悪魔の昇進システムとして、悪事を働いたり、天使を殺したりすると下級悪魔は中級悪魔に進化できるのだ。
「愚かな。神の裁きを受けるがいい。天使の剣。」
天使は聖なる光の剣を何も無い手から生み出す。片手でしっかりと剣を握り構える。剣に聖なる光を集約させる。
「神の使徒が偉大なる神の言葉を伝える。天使の剣斬り(エンジェル・ソード・スラッシュ)!」
「ギャア!?」
聖なる光が悪魔ゴブリンを切り裂き光の中に呑み込んだ。
「神の裁き(ゴッド・ジャッジメント)。」
天使は悪魔を倒した。
「悪魔に化してしまった人間に神のご加護を。」
そして何事も無かったかのように、天使の領域が解除され別次元から現実世界に戻る。
「あれ!? 素早いコンビニ強盗ね!? 消えちゃった!?」
「そだね。どこ行ったんだろうね?」
「闇ちゃん、光くん、帰ろっか。」
「おお。」
「今度コンビニ強盗にあったら殺してやる!」
「無理無理。」
「なんですって!? ウキー!?」
「まあまあ二人とも。落ち着いてよ。」
天使も人間に戻れば、クラスメートと楽しそうに帰宅する普通の16才の高校生だった。
つづく。




