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軽井沢花

「きれい!」

「カワイイ!」

「いい匂いがする!」

「美味しそう!」

 一人の少女が歩いていた。周りの人間が見とれるほどの存在感だった。

「あの人は誰!?」

「あの人は、カロヤカさんよ。」

「カロヤカさん?」

 彼女の名前は、軽井沢花。人は彼女のことを、カロヤカさんと呼ぶ。


「どう? ドジっ子、ダメっ子、使えない子、いらない子が全盛期の世の中で、ダメっ子、ドジっ子に共感、他人より自分の方がマシだと慰め、おバカなキャラクターをおもしろがる、そんな世の中に現れたヒロインだ。」

「要するに、顔で笑って、スマホで陰口を言いまくっている現代人に対抗したいのね。」

「その通り。どうだ? 朝ドラの主役になれそうなネーミングだ。」

「朝ドラを狙って書いていたのか!?」

「カロヤカさんは、野球をやっては100打席連続ホームラン! テストをやっては全科目100点満点! モデルをやっては雑誌の表紙を飾り売り切れ御免! 歌を歌えば世界歌唱コンテスト最年少優勝! 街を歩けば1億円を拾う。それがカロヤカさんだ!」

 彼女は、スポーツ万能、成績優秀、容姿端麗。何でもできるスーパーな女子高生である。

「そんな人間いるのかね?」

「いる! いると思えばいるのだ!」

 最近、ダメっ子を描いたので、逆に何でもできる子を描いてみよう。実写ドラマ化できるレベルで。おまけに、ホラーコンがあるので、ホラーを混ぜ合わせよう。

「とても初期設定が、軽快文子とは思えんな。」

「だろ? ゴールドネーム! 軽井沢が舞い降りてきたのだ! そうだ! 朝ドラの舞台は、軽井沢で決まりだな! きれいな花が多い所だから名前を、軽井沢花にしよう! 1つ決まると清々しいな! ワッハッハー!」

「カロヤカさんに弱点を作ろう。完璧すぎるとアンチが生まれてしまうぞ!?」

「それもそうだな。完璧なカロヤカさんにも弱点があった。カロヤカさんの弱点をホラーにしよう。ホラーから文芸部の人間が、カロヤカさんを守ると。」

「青春と友情だな。」

「ああ~、異世界と違って、学園モノって、ほぼ設定いらないんだ。楽だな。」

「良い名前を考えつくのも、登場人物を大量に投入しなくていいからだな。」

「ついでに私たちの名前も考えようか?」


主役・・・カロヤカさん・・・軽井沢(軽井沢)はな

部長・・・悪魔・・・春夏冬あきなし あまね

顧問・・・見て見ぬふり・・・伊集院 いちご

先輩・・・同情・・・宇賀神 ウララ

同期・・・ラノベ・バカ・・・越後屋 えみ

同期・・・ドジっ子・・・小田急 大蛇おろち


「やっぱりドジっ子はいるんだな。」

「あとホラーらしく、部室に幽霊も必要だな。」


桑原幽子・・・幽霊部員

おみっちゃん・・・本当の幽霊。


「おっと!? 今、気がついた。幽遊白〇の主人公の霊ガンって、ゲゲゲの鬼太〇の指鉄砲のパクリだったんだな。そのままだ。」

「100パーセントって、やつね。売れれば何でも許される業界だもんね。」

「そういえば昔、青山霊園からの青山霊子という、ご当地キャラクターも作ったような。」

「それでいいなら、乃木坂からの乃木坂子というのもいたな。」

「猫又のオカマも作ったような?」

「やめとこう。キャラクターを増やすと、話が壮大なスケールになり過ぎて、途中で書くのをやめてしまう。」

「そうそう、読み返しも、残している作品は10万字超えてるから、疲れる。」

「でも、くだらない在庫でも、1作売れてしまえば、高値で売れる原作になるからね。宝の山よね。」

「まったく陽が当たらない宝の山だ。」

「で、私たちの名前は決まったの?」

「もちろん私は、部長の春夏冬天と書いて、あきなしあまねだ。ワッハッハー!」

「悪魔なのに、天かよ!?」

 その一言が言いたいだけの名前である。

「じゃあ、私は宇賀神麗にしよう。ちなみに、うがじんうららと読みます。」

「優しいから、私の尻拭いばかりする設定だな。」

「あなたと同学年なのが運の尽きね。」

「幼馴染の腐れ縁にしとこう。」

「ああ~! 私は逃げられない運命なのね! ウルウル。」

「そこまでお淑やかなキャラクターか? 麗で、うららだから、ウラララ-! って、雄叫びを上げて、獲物を捕まえたら、獲ったぞ! っていうキャラだと思ったんだけどな。」

「それなら全員のフォローしていて、気が狂いそうになったら、ウラララ-! って叫んじゃうでいいんじゃない。」

「さすが宇賀神様。脚本の手直しもお手の物ですな。へっへっへ。」

「私にはアイデアの神が舞い降りてくる。神のご加護です。この幸せの壺を買ってくれれば、あなたにも神の救済がありますよ。」

「麗!? なんかキャラ変わってない!?」

「いいのよ! 天の方がキャラ濃いんだから!」

 春夏冬天と宇賀神麗は、幼馴染の腐れ縁なので仲が良かった。

「やはり1番の問題は、本当にカロヤカさんのような新入生がいるかどうかよ!」

「いやいや! 1番の問題は、アイドルで実写ドラマ化した時に、誰が幽霊の役をするかよ! 出番が少なくても目立つから美味しい役だ!」

 1番の問題は、部長と先輩の、この2人である。

「ああー!? やばい!?」

「どうしたの!?」

「カロヤカさんの話が最初の10行位しかしていない!?」

「気にしないで! どうせ私たち、軽い文芸部だし。」

「ライト文芸部。全国の高校に何件あるんだろうな?」

「調べるのも恐ろしい。」

「失礼しました。」

 お辞儀する部長と先輩。

 つづく。

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