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魔法で奏でる三重奏! ~無慈悲な世界は女神の箱庭~  作者: 雨宮鈴鹿
魔法で奏でる三重奏! 一章、無慈悲な世界は女神の箱庭
1/85

2人の女神

シナリオ1

魔法で奏でる三重奏 A.D.1526~A.D.1549

主人公組(このシナリオでは三人です)

  マギア・ドゥミナス

  セシリア・フェアフィールド

  ???

このシナリオでよろしいですか?

 ▶YES/NO



シナリオ2

未知と可能性の探究者

未開放です。

A.D.???


周囲には見渡す限りの花が咲き誇り泉が湧き鳥がさえずる、まさに幻想的な風景が広がっていた。空は青く地平線までどこまでも花が咲き乱れる大地。それは世界の何処でもない理想の世界だった。


そんな広大な大地の中心、庭園の真ん中で向き合ってティータイムをしている二人の女性の姿があった。いや、女性と言う表現は少し間違いだろう。それはニュアンス程度の違いだが。


そこにいるのは二人の女神だった。


「はあ……暇だよねぇ、マギア」


一人の女神、見た目は15歳ぐらいだろうか、肩にかかるくらいの綺麗な銀髪。それに姿相応のワガママ飽きっぽさを備えた幼さを残す女神。だがその目つきは全てを見透かすように鋭い金色の目。退屈を漏らす彼女は本当につまらなそうに紅茶を口に含んだ。


「暇なのは今に始まったことではないでしょう? それに貴方はやる事あるのではないでしょうかセカイ。昨日張り切っていたではありませんか。それに貴方には前科がありますからおとなしくしていて下さい」


セカイと呼ばれた幼き姿に向き合うように座るもう一人の女神。その姿は20代前半、言葉を失うほどの綺麗な金髪に宝石のように澄んだ深く蒼い目。そして透き通る白い肌に纏うのは誰もが見蕩れるほどの青いドレス。装飾品で飾られたそのドレスは金色の刺繍で彩られ目重視でありつつも決して動きを邪魔しないようにスカートは長すぎずそれを補うように地面にギリギリ付かない長さのマント。腰には金に輝くフランベルジュを挿していた。


彼女はセカイと呼ばれた彼女に微笑みながら暖かいコーヒーを口に含む。


「それはそうだけど、あと新しい世界の創生でしょ? 止めた止めた、だって飽きたもん。どんなに世界を作ってもあとは勝手に人間は学習し発達して生きて行く。作ったところでそれで終わり、つまんなーい。もっと面白い事ないかな? 創生は飽きたって……」


「飽きっぽいのもどうかとは思いますが……あなたは七人の神の頂点に立つのですから少しは自覚は持っていただかないと。それに貴方は監視しておかないと危なっかしくて」


その言葉にセカイは手に持っていたティーカップを机に置き対面して座っているマギアに対して身を乗り出した。その含みの無い純粋な笑顔は含みがない故に残酷さと混沌をも見て取る事ができた。


「そんな事言うけどさー、私が司るのは創生だよ? 森羅万象全てをを司るわけじゃないんだから。偉そうな肩書きだけ持ってるけど出来ることは大した事ない。マギアはいいよなー」


「あら、それは何故?」


「だっでそうじゃん、マギアが司るのは人、そして愛。たまに暇すぎて下界を眺めているけど人と言う生き物はどうも理解が難しい、だから面白いところもあるけどさ。私には生き物は創生できても一定の感情を超えた生き物、人は作る事が出来ないんだから」


人、それは愛を司る女神マギア・アモーレが作り出した愛を持つ生き物。マギアが愛という感情を深く与えた生き物だった。


「確かに人は私が作り出しました。でも私が人に与えたのは他人を思う心です。そんな気持ちはセカイには解らないでしょう?」


神と言う生き物はどうも合理的な生き物で感情はあるが人と比べた時にそれが薄い。そもそも絶対数が人より圧倒的に少なく神一人で何でも出来る。他人ならぬ他神の感情や心境なんて読み取れなくてもなんら問題は無い。必要の無いものだった。


「確かに解んないかなー、第一神である私には愛する理由なんてない。あ、好きな神様はいるけどそれは人間で言うところの友達関係みたいなもんでしょ。だいたい好きって感情は人が子孫を残すためのものなんじゃないの?」


「そうかもしれないしそうじゃないかもしれません。人間の愛する気持ちは恥ずかしい話私にもあまり無いものですから。人が他人を愛するのとは違います。私は愛の女神ですから自愛の心で人を愛す。そこには人が人を思う気持は無くただ与えるだけですから」


「確かにマギアが持っているのは慈愛の感情であって人と人が愛し合うものとは違うわけだし。っても人が持つ愛って感情がどんなものかは解らないけどさ。それってマギアにも解んないの?」


「言った通りお恥ずかしながら」


「それだけじゃ無いでしょう、マギアはステータスが慈愛に極振りしてるから憎しみとか怒りとかそんな感情も無いだろうし。……まあもっともそんなのあったら今頃神話大戦とか起きてそうだしね。マギアは無条件で愛とは違うもので他の神を魅了するから」


ニシシと笑うセカイのその笑顔は作り物にも見えた。


「感情に関しては人の方が上でしょう。たまに下界を見下ろしますがやはり理解しがたいものもありますから。戦争、裏切り……見ていて心が痛くなります。それも含めて人間なのですから」


「でもそれに下端したらダメでだよ、神として」


「確かにそれが神としての正しい感情なのかもしれません。でもそれでも私は知らないといけないのでしょう。人を創生した者としては」


「ふーん、それって使命感みたいなものなの? だけどマギアは神の中でも特色あるからねー、唯一半直接的に人とつながりがある神様なんだから。あ、おもし……いい事閃いたっ!」


セカイはわざとらしく大げさに反応した。


「嫌な予感しかしませんが聞きますよ。それは暇つぶしかなにかですか? セカイは無邪気で無意識のうちに危険な事をしますから。あまり危ない事は賛成出来ませんよ、この世界まで滅んでしまいかねません」


「そうだね。ちょっとこれ見てよマギア」


まるで話を聞いていないセカイにマギアは苦笑いでため息をついた。そんな彼女の心境なんてまるで知らないセカイはふとそこら辺の地面を見つめた。するとそこは空間が切り取られ下には地上が映った。


「これは?」


「私が七番目に、最後に作った世界。この世界は貴方に作った世界かな。女神マギアを信仰する世界」


「私が知らないとも?あのような危険な事をしておいて……貴方がこの場所にいる理由でもあるでしょ?」


「痛い所をつくなぁマギアは。だって退屈だったんだもん、だいたい人間如きが……」


「はぁ……言いたい事は山ほどありますが、それでこの世界がどうしたのですか?」


「いやー、昔の懺悔をと思って……」


「それすらも暇つぶしなのでしょ?」


「うん、ただの暇つぶし」


「頭が痛い……発作みたいに……」


「じゃあ話を続けるよ。マギアはもっと人と言う生き物を知る理由があるし必要もあるよね。そして私は暇つぶしがしたい。これって利害の一致だよね?」


「百害あって一利なしの間違いでは? 」


「そうなの? そんな人間の作った言葉の意味なんて興味無いからね。で、この世界に意図的に私は人間を作ってみようと思う。その人間の生涯を追って見る事で貴方と私は人間について今まで以上に知ることが出来る。面白そうじゃない?」


「面白くありません。そんな、人を実験に使うなんて。またカノンに目を付けられますし報告はしますよ。感情は無いかもしれませんが考えくらいはしてください、仮にも神様なのですから」


彼女が怒るのは稀、それも何百年に一度の事だ。愛の女神としてはそこに感情が無いとしても自分の子のような人で暇つぶしに遊ぼうとしているのだ、怒りもするだろう。

 

「仮って……私創世神だけど。でもそれは神の特権だよ、そしてマギアだって感じているはず。いつかはやらないといけないって。人の生き様を見て感情を知る。貴方の本来の役割は何? 愛を与えるのも良いけどそれならもっと人を知る必要があるんだからさー」


「屁理屈にしか聞こえません」


「でも正論だよ。間違ってる?」


マギアは頭に手を当てて悩みだす。それはセカイと違いわざとらしくなかった。


「確かに酷く正論ですね……分かりました。やってみましょう。ですが度が過ぎると判断したらすぐに止めてもらいます。セカイの事ですから必ず干渉するに決まってるのですから」


そこからのセカイの行動は早かった。


「よし決定。じゃあマギアの気持ちが変わる前にぱぱっとやっちゃいますかっ! 折角だから監視する人間は女神の祝福を、強い人を生成しよっか!」


セカイが立ち上がりかかとで二回地面をトントンと蹴ったらその場に魔方陣が出来上がった。


「始めるよ、マギア」


「はい、セカイ」


セカイとマギアは魔方陣の中心に立ち向かい合って言葉を紡ぎ始めた。



「神が作るのは絶対で完璧な人形、それを構成し縛るのは創生主、女神セカイの力」

「神が祈るのは感情豊かで慈悲深き人、それを構成し縛るのは愛の女神マギアの名」


「その髪はセカイの綺麗な銀色の髪を与えよう」

「その目はマギアの綺麗な深い蒼の目を与えます」



二人の間にはこれから生を受ける二人の祝福を受けた人間がどんどんと構成されていった。


「あ、そうだ面白い事思いついた」



セカイが杖でで地面をコンコンと蹴ったらすでに存在している魔方陣より更に大きな魔方陣を構成、その目に光は無く笑っていた。


「さあ、では仕上げに入ろうか。さよならマーギアちゃん?」

ここまで読んでいただきありがとうございます!

なろう初投稿ですが頑張りたいと思います。

なお、この小説は誤字脱字が多発する可能性がありますので気づいた方は教えて頂ければ幸いです。

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