33.岩龍と蒼龍
「お腹すいたなぁ……」
やっぱり何か食べてくるべきだったなぁ……食材はあっても私達は火属性魔法とか使えないもんね……。
あ、そう言えばお菓子が入ってたっけ。緊張感の欠けらも無いけど無駄に緊張するのも私には合わないしね。
「そうだ、レイルってお菓子食べる?」
「吾輩は……良いなら食べたいが……」
まぁただのどら焼きなんだけどね。多分レイルは好きだと思うんだけどどうなんだろう?私の料理なんかはよく食べに来てくれるけどお菓子を食べているところを見たことが無いって言うか。
「はい、どうぞ。中身は王道の餡子です!!えっと粒あんだったっけ?これで大丈夫?」
「本当はこし餡が好きだけど。とりあえずありがとう、それじゃあ頂きます」
一応お菓子とかは食べてたりするんだ。
「……美味しいぞ。あとこし餡だったな」
「あ、まぁそっちの方が好きならばそれで良いしね!!じゃあこっちが粒あんだね。私はどっちも好きだから良いんだけど。頂きます」
普通かな、特に何の変哲もないどら焼きって感じ。まぁそんなふうに作ったのは私なんだけど。でもやっぱり自分で言うのもあれだけど美味しいな。
「やっぱりタニアが作るものはなんでも美味しいな。吾輩の嫁さんになってはくれないか?」
いつも二人だけになるとこうなるんだから……みんなと一緒に居る時はそこまでテンション上がってないのに。
「女の子同士じゃ出来ないよ」
「まぁそれは良いとして……」
そう流れを断ち切るように今までの話が途切れる。そしてその要因は前から堂々と歩いて来た。動く死体。それが今の私達が戦う相手。
その相手がいきなり不意を突いてくるように魔法攻撃を仕掛けてくる。
「よし、吸収成功……さて、敵のお出ましだ。このまま魔法を使うのならば吾輩が相手をしてあげるんだが……」
「もしも直接殴るって言うなら私が相手になれるんだけどね」
でも剣を持っているし多分魔法も物理も使えるんだよね……とりあえず私は魔法に対する耐性が微塵も無いから一撃でも受けたら致命傷、または死ぬし、それはレイルも同じで魔法に対する耐性はあるけど物理に対する耐性は無いから慎重に、尚且つ冷静に。
レイルも魔人化をしているし、とりあえず私も鋼人化をしておこう。これで魔法に対する耐性が上がるとは思わないけど。
「戦うって感じだね」
「あぁ、物理はタニア、魔法は吾輩。役割はこうだな?」
「そうそう。じゃあ戦おう!!」
「了解!!」




