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23.掃除開始

「恐らくデットに与えられた命令は周囲の見張りと言ったところだろう、そして可能なら侵入者を捕らえること。まぁ転送されてしまえばその与えられた命令は消され、またただの死体になっていることだろうよ」


「結局死体を送り付けたのか……」


「まぁ死体だもんな」


「結局死体ダモンナ」


そういえば今ふと思ってしまったんだが、ギルド滅龍賊の宝珠を護る龍である者達って半数以下が死体なのか生きているのか分からない奴が多いな。ミイラだったり幽霊だったり骨だったり。さ……特に関係ないか。


「さて、そろそろ下降してくれ」


アヴェルがそう頼むと2匹の龍はゆったりと下降していく。


「そういえばお前はあの商人に何を渡したんだ?」


下降し始めてから少したった時にアヴェルが聞いてくる。あの商人というのは恐らくリビュドの事だろう。この6属性のブレスレットのことか?


「金剛龍の魔臓器って奴を渡したが」


「いや、その前だ。リビュドに願いを叶えて貰う時に差し出した物のことだが」


俺が出したのは……確か……()()()()()()()()()()。これだけは覚えている。一生のお願い。なら俺は頼むことを取られたのか?ならちょっと頼み事してみるか?


「イフ、ちょっといいか?」


「ど、どうしたの!?」


とりあえずイフを指名したんだが……その先を考えていなかった。どうしよう。あんまり待たせるのも良くないしな。適当に胸でも揉ませてもらうか。


「……!!」


出来ない。というより言えない?不思議な感じで喉を押しつぶされているような。それよりもまず頼み事の内容が可笑しすぎる。どのみち頼み事は出来なくなっているみたいだな。


「いや。なんでもない。という感じに、頼めなくされたという感じだ」


「なんかどうでもいいものを取られたんだな」


「まぁそうだな。本当にどうでもいい。だけどそれを取引するってことは何かしら意味があるはずだしな」


それにしても何故こんなもので取引したんだか。しかも時間を戻すという大層な事をして。

やはり分からないな。考え方がまずわからない。

それに、俺はイフに対してちょっといいか、と頼むことができたし……まぁどういう基準なのかは曖昧だがとりあえず頼み事は出来ないということがわかったな。


「……早速戦闘開始だそうだ」


着陸する地点にはさっきのデットのような動く死体、言い例えるならゾンビのような大軍が呻きながら俺達を狙っている。


「なら先に俺らが片付ける!!スケイル!!異論は無いな!?」


「アァ。勝手ニシテクレ」


「テメェも来るんだよ!!掃除開始だ!!」


「ウワァ!?」


骨だらけのスケイルを掴み浮翼龍から飛び降りる。


「お前達はそのまま空中に滞在しておけ!!」


アヴェルはスケイルの骨を二本空中で奪い取るとそれをゾンビらに目掛けて投げつける。

その骨がまるで自我があるかのように死体の胴体と頭を切り離して回る。


「あの二人、超強い特攻隊なんだよね」


そう浮翼龍に変身したリメルは誇らしそうに言う。


「あぁ。アヴェルの強さは身に染みているよ」


一応これでも同等の条件で一度戦っているが俺は負けた。やはり俺より多くの経験を持っているから当たり前なのかもしれないが。


「……うん。スケイルもとても強かったしね。でもあの二人、あんな風にして戦うんだ」


そういえばイフもスケイルと戦っていたんだったな。あの勝負はイフの勝利となったが、イフには過去に戦って負けた経験がある。そこから繋いだ勝利だったともいえる。

……だがアヴェルとスケイルがタッグを組んで戦うとなると容赦なくスケイルの骨を投げ出すんだな。掃除と言っておきながら汚れている気がする。

……まぁ気にしないでおこう。

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