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19.死体を操る

「作戦というかまぁそうだな。奴は現状三つの能力を得ている」


「三つ?」


宝珠を護る龍の能力が増える場合は宝珠を護る龍が宝珠を護る龍に殺害された場合だ。そしてこの場合、その敵は二人も殺害しているというわけか。


「あぁ。解迷の疑龍サイヴ。殺した相手は、巨悪の断龍ギリアム。卑導の惑龍アルグス。実際に会ったことは無いが奴らの能力は人を殺すことに特化している」


巨悪の断龍と卑導の惑龍か。なんとも恐ろしい響きだ。


「巨悪の断龍の能力は一定時間自分に何らかの制限をかけることによってそれに見合った力が得られるってものだ。卑導の惑龍の能力は五感を奪う。まぁ痛覚とか聴覚とかだな。相手にするだけなら非常にめんどくさいだろう。そして肝心のサイヴの能力は死人を蘇らせ命令をほぼ全て聞く……まぁ操る能力と考えてもらえば充分だ」


自身に制限をかけ力を増幅させる能力。五感を奪う能力。死体を操る能力……ということは死体も相手として見なければいけないのか。


「そういえばどうしてそのサイヴっていう宝珠を護る龍を倒さないといけないの?」


メイデは少し首を傾げながら不思議そうに尋ねる。確かにそうだ。俺もよく分からない。ただ六属珠護龍を第一世界に存在した種族へ俺みたいに変身的なのが出来るようにしただけで。


「聞くと思ってた。簡単に言えば奴は元俺ら滅龍賊のメンバー。そして今は別のギルドに入っているもののそのギルドの目的は世界の破滅と修復。お前達にも倒す意味が無いわけでは無いだろう?」


後々奴らを倒しておけば良かったという状況を作り出さない為にもか。

それに。と付け足してアヴェルは言う。


「奴は死体を操る能力なだけあって今までに転々とギルドを移動してきたという。他の世界の破壊と修復を目論むギルドを転々と回ってだ。いち早く気づいたメイデは先にギルドメンバー全員を殺して一時的な幽霊にしたあとその状態で効果が切れるまで逃げるように勧めたらしい」


殺した人を一時的な幽霊へと変えて効果が切れると同時にその場で残基があれば蘇る。無ければそのまま魂が消滅するという能力。そういえばレクトが幽霊が見えるとかいう目薬をさした後、メイデを見たら後に大勢の幽霊が居たとかなんとかで驚いていたな。結構前の話だが。


「褒めて……?」


「さて、じゃあつまりサイヴは今、様々なそういったギルドを襲っては自らの戦力にしている、というわけだ」


「ま、そうだな。奴が襲うギルドは大人数ただそれだけだと言う。力より数で押すという考えだな」


「そりゃ恐ろしい」


そして今、俺達はその死体の軍団。ゾンビのような存在の相手と戦おうとしているわけか。

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