18.酷い夢を見た
「っていうかそもそも今から殴り込み……っていうか戦う相手って言うのは何処のどいつなんだ?」
「タニアやレイルやイフを第一世界の種族になることができるよう手を加えた人物だと思われるが」
「あぁ、そっか。まぁメテウスとアリファを抜いた滅龍賊と名無しのギルドの総勢で完全に潰しに行くわけだからそこまで苦にはならなそうだが」
「全然、苦戦は、するよ。勝手に、上がらせて貰ったけど、良いよね?」
そこには半透明で気付かなかったがメイリの姿があった。ずっと起きるのを待っていたのか?なんか寒気がしてきた。
「もうすぐ、みんな来るけど……作戦というか、相手の特徴とか。まぁ、作戦を伝える、だけだから」
作戦会議ねぇ。まぁ相手の素性を知っている彼らが考えはことならまぁ信用できるから良いが。さて、じゃあ起こすべきだよな。
「……!?」
メイデが目を見開いたままこちら側をじっと見ていた。
「ど、どうしたんだ?」
「うぅん。ちょっと嫌な夢を見ただけだよ……おはよう。主」
乾いた目を擦り、流れるように俺の隣に座る。
「主を寝取ろうだなんてゆるさないから」
寝取るとかコイツらの中で俺は一体どういう存在なんだよ。
「バレた?」
メイデは眠たそうに左右に揺れる。そして次々と床で寝ていたリベア達が起き上がる。何故床で寝るんだか。俺だったら寝心地が悪すぎて寝れたもんじゃないぞ。
「酷い夢を見た……気がする。主?メイデにメイリ?」
「シルフィも見たよ……とても怖い夢」
「わ、私も見ました!!柱に縛られていたような……」
この様子で行くと全員あの意味の分からない夢を見てたのか?イフが言っていることと俺が見た夢は一致しているし可能性としては充分すぎるはずだがどうして全員に……紛れなんて問題の話じゃないのは確かだ。何らかの意図があるはずだが。俺が見たのは魔法陣の縁にある六本の柱に固定された誰かとまではハッキリ分からないが少女達の姿とお供え物として用意された血肉があったのは覚えている。
「主も見たのか?この不吉な夢を」
「あぁ……まぁ俺は吊るされる側じゃなく見ている側だったが。そっちから見えた景色はどうだったんだ?」
「多分吊るされているのって私達じゃないんだよね。横を向くことは出来なかったけどそれでもなんとなくそんな気がする。私達以外の誰か。なんだか過去の記憶ぽかったんだよね」
吊るされていたのはメイデ達ではなく別の誰かの記憶。と言う考察か。第一世界や第二世界の六属珠護龍という可能性もあるわけか。あるいは俺達に何かの暗示をしているのか。
……分からないなぁ。単に俺が馬鹿なのか?
ドアをコンコンと叩く音がする。
俺はとりあえず開けた。
「よう。作戦会議っつーことで来たぞ。というかおおよその作戦は練ってきたからそんな長くなるわけじゃないけどな」
滅龍賊のアヴェル達が俺の部屋に入ってきた。待機班のメテウスとアリファも一緒にいる。




