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17.夢の中で

「聞きたいことはだいたい聞けたと思うけど、最後にいいか?」


「なんでも答えるよ」


聞くのは六属珠護龍のことについてだ。猫人になったり魔人になったり。どうしてそのような姿にさせる意味があるのか。


「第一世界の六属珠護龍についてだが、猫人だったりしたのか?こう、人間とはまた違った存在で。それにその姿にさせる意味はあるのか?」


まず龍になれる時点で人間から遠ざかっているのだが。


「そうだったね、第二世界のことは分からないんだけど確かに六属珠護龍は人間に擬態するというよりかはその各種族に擬態してたね。でもそれをこの第三世界で行う利点が無いように思えるんだけど。適合する魂の合成、ただの人間じゃできない技術なのは分かるんだけど、私達も専門家じゃないからなぁ。でも確かに強くはなれるから、もしかして強くした状態で配下に置こう、的な感じかな?」


なるほど、そういう考え方もあるわけか。結構謎深いが少しづつ分かってきたような気がする。気がするだけか。

他に聞きたいことは?っとルメラが聞いてくる。俺はもう無いかな、ありがとう。と返した。

そのまま二人は出口から出ていくとこの空間は俺とウロボロスだけとなった。


「それじゃあ23時40分に起こしてくれないか?」


「了解した。主はいつも寝ているな」


「まぁね、0時からは戦闘開始だ、それまでゆっくりと休憩を取っておきたいからな」


と言ってもあと10時間以上ある訳だがまぁいいか。


俺はいつものようにソファで眠りについた。



―――此処は何処だ。

曖昧な意識の中で立っている。此処が夢だと認識するにはそう時間はかからなかった。たまに見る夢、真っ暗な空間に俺が居て、目の前には何かを暗示するかの如く映し出された情景だけがある。

映し出されたそれは胴体から手足、頭がちぎれ今にも吐き気を催す俺の姿だった。

グロテスク、そう捉えられるのだが問題はそこではなく、その死体が隣接する地面に書かれた魔法陣だ。魔法に詳しくない俺だがこの魔法陣の危険性は充分に分かる。まるで儀式のようだ。考えられるのは死者蘇生のような魔法。だが、それに関して言えばそこまで恐ろしいものでもなく、回復魔法が得意であれば死者蘇生も可能だという。ならなんなのか?と言われればその周りに置かれた供え物の数々だ、骸骨であったり、血肉であったり。そして魔法陣の縁にある六本の柱に固定された生贄と思われる少女達。


声を出すこともできなければこの夢から覚めることすらできない。このまま次に起こることを見ろということなのか?できれば見たくないものだが……そこは仕方が無い。


と、次の瞬間、俺の腕に鋭い痛みが走り俺は目が覚めた。


「主、そろそろだ」


ウロボロスが俺の腕を鋭い牙で噛む。そして俺が起きたのを確認するとすぐ離した。周りを見渡すとメイデ達がぐっすりと眠っていた。


「あぁ……そうか?まだ22時だが」


「早めに起こしておけば安全だろう?」


「それは違いない」

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