14.今夜の0時
「で、その宝珠を護る龍の一人のサイヴを倒す、と」
「倒す。じゃなく、殺すだ」
殺して何になるんだか。能力の遺伝は4回目に殺したものに遺伝するはずだしな。
「質問!!」
突然シルフィが手を挙げる。
「はい、緑色のふわふわ少女」
緑色のふわふわ少女……名前が出てこずに特徴だけが出てきたんだな。
「シ!ル!フィ!」
「で?質問とは?」
「サイヴっていう龍を倒すだけならシルフィ達を呼ばなくても良いんじゃないの?」
「あぁ、まぁそうなんだがサイヴの研究資料に六属珠護龍に関することが書かれているかもしれないからな。それに岩龍、蒼龍、炎龍に第一世界の頃のあるべき姿に戻れるようにさせたのはサイヴ以外の何者でも無いだろう。っというわけだ」
イフは隣で猫人になって見せる。
「わ、私はこの姿の方が色々と便利ですけど……高いところにもひょいって登れますし」
「吾輩は不便なんだがな。迷惑極まりない」
「私の場合は鎧要らずになるから戦う時は便利だなぁ。意外と軽いし硬いし」
まぁイフとタニアなら便利だと思うがレイルに関したら定期的に魔力を逃さねばならないから大変だよな。だがなんとなくここまで来ると親切行為にしか思えないんだが。なんかこうパワーアップさせているような。
「主、何故僕達は出来ないんだろうか?」
「いや……聞かれても知らないんだけど」
「主!!私もなんかこう変身したい!!」
「変身じゃあ……ないよな」
「シルフィが第一世界の姿になると兎人になるんだよね?ぴょんぴょんって跳ねれるんだよね?」
「らしいな……」
っていうかなんでこうも全く何も知らない俺にこんなにも聞いてくるんだよ……。
「まぁそういった謎を解く為に行くんだ。分かったな?」
「まぁ大体分かった。で、いつ乗り込むんだ?」
「今夜の0時だ。場所は全部アリファが特定済みだ」
本当にアリファは万能で有能だな。それでも滅龍賊が六属珠護龍を察知できなかったのは条件を満たされてなかったから。だと思われるけど。
で、今日の0時か。まぁ面倒だがこれも第一世界の謎を知るためだ。っていうことはまだ時間があるな、古今夢走のところの姉妹に第一世界のことについて聴けるだけ聴いてくるか。
