13.作戦もクソもない
「……で、ボスも行くと?」
「ボスって言い方はやめてって言ってるのに……まぁそうだよ。まぁサイヴに会いに行くんですのよね?」
「正確には殺しに行く……だが奴の周りには動く屍共がうじゃうじゃといるからなぁ」
「ふぅん、なるほど。私がいると足でまといになりそう?」
出来ることならサイヴの能力は俺が引き継いでおきたいんだが普通にあいつらが盗み聞きをしているって言うのがどうも気に入らねぇ。
「盗み聞きして後に追尾って魂胆か?」
「サスガダナ」
「よく、分かったね」
スケイルにメイル、そしてミイラ。
「リーダーが行く場所には例えどんな境地であっても行くのが私の命ある限りに与えられた命令なら……」
「あぁ分かったよ!!で!?俺ら全員で乗り込むワケなんだな!?」
全員が頷く。
メテウスとアリファは留守番ってところか。でもまぁこんな大人数で……。
あいつのことだ、今もよからぬ実験を楽しんでいるんだろうよ。とりあえず俺は奴の能力を引き継げればいい。出来なくとも今後六属珠護龍への危機を減らせればいい訳だからな。
……奴は恐らく世界の修復を企んでいる。また、そうでなくとも前の俺らのようにそのような団体に所属しているはずだ。
だとしたらありえるのがこの滅龍賊の元メンバーである奴らが再築したもの、あるいは別のものに所属した。これがかなり濃厚だろう。
まぁサイヴにとってしちゃあ六属珠護龍を使った実験が最優先事項なんだろうがな。
「で、いつ乗り込むんだよ」
「今日かな?」
「……居場所は分かるのか?」
「アリファの、サーチ能力からは、だれも、逃れられない」
流石だな、一度目をつけられたら元仲間であろうと永遠に監視されるのか。ってことは普通に現仲間でもある俺も監視されてたりするのか?あぁ恐ろしい。
「マァ作戦実行ハ今日ノ0時ダナ。ト言ッテモ作戦モクソモナインダガナ」
ゴリ押し、まぁ大体いつもそうだったしな。滅多に凝った作戦だって失敗するしゴリ押しが一番だ。
「彼も……呼ぼう?」
「竜人の?あぁ……まぁ確かに呼んだ方が俺らが状況説明する手間も省けるしいいんじゃないのか?っていうかそれなら全員呼んだほうが良いんじゃねぇの?」
「……チッ」
竜人だけ呼びたかったのか……まぁ片思いなのは分かるがコイツに好かれてしまった竜人もまた哀れだな。




