8.錆びた武器
「じゃあ、まぁ……これでいいんだよな?」
金剛龍討伐後、俺達は空間内に戻り、リビュドに一番高値のあるとされる魔臓器で借金チャラ、各属性のブレスレットを買ったわけだが、レイルが言うには城を買っても余裕で余るほどだと言う。それならそれでいいんだが、どうやら追加で何かくれたらしい。っというわけで今からその箱を開封するところなんだが。
「主、開けないなら僕が開けようか?」
「私が開けたい!!」
「シルフィが開けるのー!!」
メイデとシルフィが何故か争っている。
まぁ開けるか。
「……なんだこれ?」
錆びた武器?だな……それに手紙も付いてきている。
「主!?わらわ以外の武器を使うというのか!?」
「い、いや……っていうかこれは一体?」
とりあえず手紙を読もうか。
……アーティファクトの一つで錆びていない頃は物凄い力を秘めてたっていう幻の武器。持ち主の扱いたい武器に変化するらしい。とのこと。
なんか凄い力を秘めているらしいけど錆びた武器を頂いてもなぁ……。
「まぁ主はわらわ以外の武器は使わぬと言っているのでな。よかった……」
武器という立ち位置を守りたいのか。
「錆びてちゃ使えないしね」
結局使えなきゃ持っている意味が無いしな。でもリビュドが渡したということはやはり何かあるんだろうな。
「どうしてかこの武器から不思議な力を感じるな」
「なんだろう?主の夢幻の宝珠を出した時のあの不思議な感じに似ている……」
俺にはわからないその不思議な感じ……か。
じゃあやっぱり何かあるってわけか。にしても俺が使いこなせるかと言ったらわからないし、まずは錆を落とさなくちゃ使えないわけだし。
「その武器はどうやら主を試しているらしい。そうこの武器が言っている」
「急にどうしたんだ……ウロボロス、この武器が俺を試している?」
「らしい。自分の主にふさわしい人間かどうか……と。わらわ以外の武器は使わないんだよな!?」
「まぁ……そうかもしれないな、って話だ……って痛!?急に噛むな!!」
ウロボロスは急に腕に噛み付き、離し、また噛み付くという嫌がらせをしてきた。
周りは笑いながらそれを見る。
コイツらには助けるという精神が無いのか、地味に痛いんだが……。
「主の武器はわらわだけじゃ」
「あぁ、うん。そうだよ……」
結局もう適当に流すことにした。




