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16.竜人兵狩り

俺達は龍化したイフに乗り、あの城目掛けて飛ぶ。


下の方では何が起きているんだ?っとかなり注目を浴びている。のがわかる。


「そーいや、旦那達は戻っていてもいいっすよ?此処はオイラ達が何とかするっす」


ルドはいつものように気さくに話す。


「うぅん、皆が帰っても、こればっかりは私の問題だから。私一人でも行く」


タニアの熱意が感じ取れた。


「そ、そう深く考える必要は無いんじゃないかな……それに絶対に一人にはさせないよ!!……あと遅くてごめんね……」


「まぁ遅いどうこうよりもバランスを取って飛行してくれよ……?」


「うん!!」


そうこうしているうちに城の中庭に到着する。


「わらわは血が欲しいぞ」


「了解。吸っていいよ」


痛!?え?前はこんなに痛くなかったはず……?まさか防御力低下?

とはいえ騒ぎを聞きつけて竜人兵がゾロゾロと……。


「魔法兵相手なら吾輩に任せてくれ」


「結構自信あるな」


「まぁ……君にはまだ見せてない吾輩の能力発動には丁度いいから」


そう言った時、もう既に魔法弾がレイル目掛けて飛んでくる。


が、その魔法弾はレイルに吸収されていく。


「3……っと言ったところか」


「なんだアイツ!?魔法を吸い込んだぞ!?」


レイルの首から顔にかけて、青色のヒビが入っているように見える。


「5回まで魔法を吸収できるんだ。感心しただろう?」


「そりゃぁもう」


「レイルばっかに良いところは見せられないね!!」


イフもステータスを思いっきり改変させて、縦横無尽にこの場を駆け巡る。


「本当にすごいっすね〜!!よっしゃ!!負けらんないっすよ!!」


「お?こりゃあ、面白くなってきたなぁ!!」


「ったく。しょうがない。付き合ってやる」


そう言っているラーデンもかなりノリノリだな。って、うお!?ラーデンの背中から翼が生えたんだけど!?あ、違う、折りたたんでただけか……っていうか瞬きした瞬間、中サイズの龍に変形したんだけど!?


「オーバードラゴニックシステム……起動」


龍化したわけではなく、機械仕掛けのものなのか?それでも重量はあるようだし、そこら辺は魔法とかで補っているのか?どっちにしろわからん。


「じゃあ私達も!!」


「うぅ、やっぱりやるんですね……わかりましたぁ……」


ルメラとアメラは息の合ったコンビネーションで次々と竜人兵を蹴散らしていく。

使用武器は見たところ、ルメラが弓、アメラも弓。それにしては結構アクロバティックに動いて射抜くな。

しかもなんかよくわからない魔法で足場作って空中で戦っているし。


「お前さんとタニアさんは宝珠を取り戻しに行くんだ!!」


「了解!!」


「任せたよ!!みんな!!」


聞こえていたかわからない。そのまま俺達は城の中に入った。


「主。わらわのスーパーウロボロスセンサーに宝珠を護る龍の反応が」


「スーパーウロボロスセンサー?第三のウェポンスキル?」


「違う。つまり感ってこと。恐らくこのオーラはデット」


一瞬第三のウェポンスキルが出てきたのかと驚いたわ。


「デット……戦ってみる?」


「此処じゃギリギリ、あの竜人兵らと仲間達で火力増しが出来ている……それに防御力低下はかなりキツい……この狭い通路もあまり好ましくない」


突然、一本の柱が壊れる。


その煙からデットの影が見えた。


「よぉ……無幻の小僧。お前のせいで滅茶苦茶なんだよ……さっさと宝珠を渡しやがれ!!」


デットが鎌を一振りした瞬間、物凄い突風が吹き荒れる。これがあの鎌の力……。

それに防御力低下でかなり厳しい。


「タニア!!先に宝珠を取り返しにいってくれ!!防御力低下さえ取り除かれればまだ行ける!!」


「……死なないでよ?」


「ウロボロスが噛んでくれている間は死なない」


タニアは、宝珠の場所が何処にあるのか、明確でもないのに走り出す。


「あの岩龍を逃がしたか……まぁそれもいい。俺の狙いはお前だ!!」


鎌を両腕で防ぐ。が、すぐに両手が切断され、また再生する。

物凄く斬られた場所が熱く、痛い。

ギリギリ、ウロボロスが噛んでいる場所まで刃が通らなくってよかった。

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