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13.古今夢走メンバー

「まぁ今後の戦いに参加出来なくなる可能性が高い……っということだな。そこの異様な刀使いも」


「無属性に擬態化させてたつもりだったがバレてたか……」


アヴェルもちゃっかりペナルティ食らっているんだな……まぁ闇属性!!って感じするし……。

しかも属性の擬態化なんか出来るのか。


「ま、俺は火属性も多少操れるから、大丈夫だと思うがな」


「……私は、霊属性だから。闇じゃないから……これでも」


霊属性なんてあるのか。まぁ龍属性なんてのが存在するぐらいだし、あっても当然っちゃ当然か。

闇の塊みたいなのに……。


「主もペナルティ、大きく食らっているぞ?」


「え?」


「わらわが噛んだ時に発動する、ウェポンスキルの闇属性上昇が無効化になる。まぁ光属性の強敵と戦うなら避けておいた方が無難。ってことだな」


光属性……か。此処に居るので光属性って言ったら、メイデぐらいだけど心配は無いよな。


「あざっしたぁあ!!」


「!?」


俺は大きな声が聞こえすぐさま振り向く。

レクトと、デットに殺された古今夢走のメンバー達が頭を下げていた。

そこにアルメリの姿はない様に思える。途中で解散したのだろう。

無事蘇生が出来て良かった良かった。


「……本当にすまなかった!!お前さんにアヴェルさん!!」


レクトが俺とアヴェルに向かい、もう一度頭を下げた。


「あ、あげてあげて」


「俺に、さんは辞めろ。らしくねぇ」


「すまなかった……本当に。アイツに仲間の仇を打つハズだったのに……蘇らせるためには俺の記憶が少量必要だと知り、急いで行っていたら……」


「いや、それは別に良いよ。結局ウロボロスを持っていなかったら、戦わせてくれなかっただろうからな」


アヴェルやメテウスとかの戦闘狂が戦っていたならすぐに勝敗は決まっていたのだろうか?恐らく俺より早く片付けていただろうな。


「そういえば捕まえてた竜人は……」


「もう解放しましたの!!」


「あの場所を更に広くしといてくれてありがとう。おかげで戦いやすかったよ」


「それほどでも〜。同じマスター同士、皆様と協力し合いませんと!!」


……?結構汗かいているな。


「マスター!?あんなけ立ち歩いちゃダメって……」


ミイラの子が慌てて、倒れかけるリメルを支える。


「マスターがあんなにもの広い空間を作ったのですよ!?もっと感謝するなり土下座するなりしてください!!」


ミイラの子が俺を怒鳴りつける。

かなり温厚な性格だと思ってたから普通に驚いた。リメルのことになるとここまで変わるんだな。


「い、いいんですの……土下座なんて……私が勝手にしたこと……ですから……」


お、俺……感謝の意を込めてありがとうって言ったよね?


「じゃあ……俺らは古今夢走のギルド本部に帰宅するよ。ありがとう。本当に」


もう一度、古今夢走の全員が礼をする。


「あ。すぐに帰る予定とかは?」


俺は帰ろうとする古今夢走の人達を引き留める。


「特に無いな?」


「礼も済んだしオイラ達は用は特にないっすよね?」


「うむ。無いな」


とりあえず俺はフレンドリクエストを古今夢走の全員に送った。



「あ、そうっす!!オイラ達の自己紹介でも!!」


「時間があるならコイツらのことも念の為知って欲しいから自己紹介良いか?」


「了解!!」


一応HPゲージの近くに名前があるからわかるにはわかるが、死んだせいで武器も防具も私服状態だからわからないんだよな……。


「俺は古今夢走の疾風!!この短剣……ってもう無いんだった……いつか取りに行かなくちゃな……。まぁ元盗賊団の頭やってたギールってものだ!!」


私服……っと言っても鼻から口に覆いかぶさるようにスカーフを巻いた如何にも盗賊をやってそうな雰囲気の男が最初に始める。

目も髪の毛もスカーフも青色一色の男性だ。


「オイラは古今夢走のイメージアップ及び大剣使い!!っと言っても今は大剣も何も無いっすけど……。こんなんだけど重火力は任せな。って訳っすね。名前はルド。よろしくっす!!」


金髪で黒目。身長少し高めのチャラ男……って感じか。こんな容姿だから双剣とかか短剣かと勝手に思ってたけど、意外にも大剣なんだな。


「アルドーク王国ってとこの王子様らしいぞ?ルドは」


「ちょ!?それ口外禁止っすよね!?」


王子……なのか……?


「良いんだよ。信用できる人ばっかだからな。俺は古今夢走のマスター。レクト。使用武器は刀。まぁこの中じゃ一番知られているだろうけど、まぁ改めてよろしく」


レクトはこの中じゃ一番知っている人だな。

ミトラス、ツクヨミ、カワセミ、ガイアスラの四本の宝刀を持つ異常なコレクター。


「俺は……ディク。壁役だ。武器はランス」


正しくこれぞ盾役。って言う感じがする。


「まぁ人見知りだけど気にしないでくれ。物凄く良い奴だから」


全身鋼鉄の人が前に出る。次第にその目は緑色に淡く光る。


「俺はラーデン。改造竜人だ。品種改良された竜人……とも言える。また、同時に失敗作とも、試作品とも言える。武器はこの身体全体だ……」


この中世チックな世界じゃまず有り得ない現代チックなやつが出てきたんだが……。機械と竜人?


「メカドラゴニック、そう呼ばれている。かなり先の時代から転移してきた科学者集団が、竜人を使って、科学と魔法の複合として作られたメカドラゴニックのプロトタイプが俺だった訳だ……」


こう見えても、同じ竜人なのか……それにしてもカッコイイというかロマンが溢れているというか。でも普通に元は竜人なんだよな……。

かなり過去に訳アリな人が多いな。


「ルメラです」


「アメラ……です」


深くフードを被った揃って背もちょうど同じような子が言う。これが恐らくこれが二人の私服状態なのだろう。

……っていうか女性じゃね?


「双子……ってとこまではわかるんだが……何せ男性か女性かわかんないんだよなぁ……それにダンジョンに潜るその時しか来てくれないし。謎が多い」


「いや……明らかに女性だろ!?」


「え?そうだったのか!?」


「どっからどう見ても少女以外の何者でもないよ!?ほら、こっちの方。胸がある」


フードがぶかぶか過ぎて顔が確認出来なくても、普通に見て分かるだろ……


「おぉ。でももう一人の方は……フードが邪魔で見えないっすね。失礼しま〜」


ルドがルメラのフードを捲ったその瞬間、股間目掛けて蹴りが炸裂する。


「うぐあああっ!!」


そこからは赤茶色のふわふわな髪の毛と涙目の少女が現れる。もう一人の方、胸のある方は、おどおどしながらフードを外す。底からはほぼ黒に近い暗めのツヤのある紺色の髪をした少女が現れる。


「よ、よく私らの偽装を見破った!!私は姉のルメラ」


「こんなのしなくても良かったじゃない……どうせ見破られるんだし……っていうかどうしてこんなこと提案したのぉ……い、妹の……アメラ……です」


「え!?私が悪いっての!?」


「そうだよぅ……」


うずくまるルドを置いて話は進む。


「主?回復させてあげた方がいいかな?」


「……これは自分が悪い」


メイデが少し心配そうに訪ねてくる。


「え、ちょっと待って。情報を整理させろ」


まさか……ずっと男だと思ってたのか……?


「そういえば何処かのダンジョンで、古代資料さえ得られれば、謎が解ける。って言って押し込みに来たんだっけ」


「はいぃ……他のギルドよりダンジョン攻略数が平均以上をとっていて、人員募集中だったから……それと心良く受け入れてくれましたし……」


「別に騙そうってつもりは無かったんだけどさ……まぁ名無しのギルドと滅龍賊の皆様、今後ともよろしくね」


「よろしくお願いしますぅ……」


姉が胸が無くって、妹の方が胸があるのか……。

姉は男気があるけど、対照的に妹は女の子っぽい所が強いわけか。胸もそれに比例して……。

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