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12.死龍との対決

鎌が突然、俺の胴体目掛けて降り掛かる。


俺は真上にジャンプで避ける。一瞬であんなに遠かったか天井にかなり近づく。巨大龍の死龍はあんなにも小さく見える程に。


「わらわが噛んでいるうちは全ステータスも上昇するからな?」


「ほぉ……通りで」


俺は翼を真っ直ぐに立たせ、死龍目掛けて勢いよく落っこちる。


死龍の頭に俺の足が見事当たると、その巨大な身体はすぐにぶっ倒れた。


「どうだ?」


「……半分も入ってない」


「うっそ!?」


俺はこんなにも足が痛いっていうのに……あんな高さから落っこちるんじゃなかった……。


死龍は立ち上がると、耳が痛くなるぐらいの咆哮を浴びせてくる。


耳を塞いだ瞬間だった。


咆哮を発しながら降り掛かった鎌が、俺の胴体の少し下を切り落とした。


痛いなんてレベルじゃない。血が飛び散るなんてものじゃない。


俺は勢い良く宙を舞った。


切り取られた方の胴体は光となって消える。

俺は負ける……のか?


「ストレージにあった下半身装備を装備しておいた。全く。ドジが過ぎるぞ」


何故か下半身が生えて、痛みも引いていた。俺の身に何が起きたんだ……?


「第二ウェポンスキル、再生能力だ。ウェポンスキルの次のLvまでの経験値があの蹴り一発で溜まったのだろう。どうやら命拾いしたらしいな」


俺はちゃんと生えているのか確認した後、翼を正して、死龍に向かって飛んだ。


左腕が切り取られない限り、俺は痛みはあってもある程度は無敵だ!!


全力で鎌を避け、俺はその鎌の上を走り、腕に乗り移り、腕から跳んで、死龍の頭を全力で蹴っ飛ばす。

すると死龍は黒い血を吐きながら、がむしゃらに鎌を振り回してくる。


竜人だって龍に勝てないわけじゃない。武器だより、っちゃ武器だよりだけど……まぁ強いことして何が悪いって訳よ。


そしてもう一回蹴りを入れ、右手で殴る。

そのまま一時的に上昇したこのステータスを駆使して、反撃を食らわないように避け蹴る殴るを繰り返す。

そしてようやくHPが無くなり光となって消え、宝珠と思われるものが手に入る。



「よし……!!」


ウロボロスが左腕から牙を抜くと、そこから大量の血が飛び出てきた。とりあえず右手でその傷口を塞ぐ。


「やっぱり美味い……今度また飲ませてくれ」


「飲んでたのか……」


「折角の飯だからな。それも主の血という一番美味いご馳走が」


おだてられているのだろうか?そんなに美味いのか?ちょっとだけ……普通の血の味だな。


あれ……?視界が……?


「貧血気味か?」


「そりゃ吸われればな……」


俺はリベア達が居る場所へ繋がる狭間を作り入る。


「主!!凄いじゃないか!!」


「デットを一方的に仕留めるなんてな。お前も中々だがウロボロスもチート染みてるな」


あの胴体が斬られた時、腕ごと切られていたらそのまま負けていただろう。ウロボロスが俺を噛めているあいだだけだからな……それに第二ウェポンスキルって聞いてないぞ?まぁそのおかげで勝てたと言っても過言じゃ無いけど。


「わらわと主は一心同体……っというわけだ。わらわがチートなら、主もチートよのう……」


「……竜人はどうしたんだ?」


剣とか盾とか……血とか、その他諸々散乱しているんだが……。


「アリファの魔力が完全回復して無いのに、無理して魔法を使ったから、不完全過ぎて解けちゃったんだよね……それで竜人達が襲ってきて……ちょっと……ね?」


「全く無謀な奴らだ……俺に勝てる見込みのある者などいるわけないのにな……あの人間と珠護龍以外にはな」


あの人間。レクトのことか……今頃、ちゃんと蘇生できているといいんだが……。


「レクトはどうなんだ?」


「う〜ん……一応生体反応はある。僕には分からないけどなんとなく、ちゃんと蘇生出来たんじゃないのか?」


「ん?あぁ、その事なら問題ないぞ。古今夢走のメンバーは無事、全員蘇ったとよ」


そうか……良かった良かった。特に問題が無いんだったら。


「そんじゃあ協力してくれてありがとう。あの竜人の王が諦めてくれると良いんだけど」


「……多分それは無理」


タニアはそう言い、後ろを向く。


「竜人の王はそんな簡単に諦めないよ……多分。必ず勝つことを前提に事を進めていたんだから尚更」


集団で確実に俺を殺して、無幻の宝珠とウロボロスを獲得する気だったろうし。

……同じ竜人だと思われたくない。


「少なくても死龍は主を憎んでいると思うなぁ……きっとそういう奴だと思う。でも今、一つの宝珠が失ったことにより、私達にも、死龍自身にもペナルティが課せられているからね〜。まぁ死龍に与えられたペナルティの方がよっぽど辛いものだろうけど」


領地の破滅……?


「領地はどうなるんだ!?」


「あぁ、それに関してなら問題は無い。破滅するのは六属珠護龍の領地のみだからな」


そうか……そうだったのか……なら大丈夫か。俺が持ってても。まぁいつか返さないとこっちもこっちで、ずっとペナルティ背負ったままじゃ辛いからな。


「ペナルティはどうやら、闇属性低下らしい。六属珠護龍のものはどれもキツいものだけど、その他はそうでも無いな……まぁ僕からしたら厄介極まりないけど」


リベアはもはや闇属性の塊だもんな……かなりペナルティを食らっているように思われる。

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