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3.転送の条件

竜人達はよく発達された足でもう遠くまで逃げている。竜人の体の仕組みは半人半竜の俺より、あちらの方が詳しいからな……。


「い、いや……追うチャンスは今だけだろ!!」


レクトがツッコミを入れる。確かにそうだ。メイリだけに任せるのも良くないし。俺達に出来ることをするんだ!!

とりあえずあいつらを引っ捕らえる!!


「待ちやがれ!!」


「タニア!!マスター!!シルフィに乗って!!」


「すまない……!!」


シルフィが遠くの方から龍化してこっちまで来てくれた。シルフィは翡翠色の髪をした、最速の龍。疾風の宝珠を護る疾龍で、幼い体型の少女だ。龍化するとほかの龍と比べると小さく、乗れても二人程度。


タニアと俺はシルフィに跳び移る。


あんなに遠くにいた竜人らがこんなに近くに!!


「っ止まれぇぇぇぇ!!」


「急には止まれないよぉ!!」


シルフィは逃げる竜人に不本意立ったとはいえ強力な突進をお見舞した。

めっちゃ吹っ飛んでるし……まぁ竜人だし大丈夫だろう。


スピードを落とし竜人の元へ近づく。


やはりシルフィの速さにはやはり適わなかったみたいだな。流石疾龍って言うだけはある。


「なんであんた達がまた私を狙ってるのか教えてちょうだい!!」


「タニア様……タニア様の為なんです!!っとしか知らされてないので」


「私の?迷惑だからやめてってあれほど言ったじゃない!!」


ご立腹だ。そりゃそうだ、領地をめちゃくちゃにされちゃあなぁ。他にも方法ならあっただろうし。


「俺達いるか?」


「シルフィは分かんないよー」


「とりあえず貴方達には情報を洗いざらい吐かせるまで逃がしませんので!!」


まぁそれが妥当だわな。

アリファからギルドチャットのほうにメッセージが届く。滅龍賊の準備が完了致しましたのでギルド内部に負傷した竜人らを転送させます。っというものだった。もしかしてだれでも転送させれちゃったりする?


しばらくすると目の前の竜人らはあの赤黒い魔法陣に取り込まれた。


「よし!!アリファちゃん凄い!!」


「もしかしてだれでも転送させれたりするのか?」


「えーっと……確か条件があったような……転送させる場合、ギルドメンバーなら無条件で転送させれて、その他の人の場合その人のHPが半分を切っている必要があるらしいよ?でも凄い便利な能力だよね!!」


っというかあんなに吹っ飛んでてもイエローゲージまでしか届かなかったのか。竜人の耐久恐るべし。


「じゃあ私は一旦滅龍賊のギルドに行くね」


タニアは滅龍賊のギルドに行くための狭間を作り中に入った。


俺はそのまま竜人化を解いた。


……果たして俺は必要だったのだろうか?


シルフィに乗り、レクト達の元へ戻る。


「はぁ……俺って必要だったか?」


「それはわかんねぇな」


レクトも竜人と戦ってたみたいなこと言ってたしな。活躍はしているわけだ。

そういえばメイリは大丈夫なのかな?少し心配になってきた。


「あぁ……いい夢を見た……」


地面に寝転がっていたリベアが起き上がる。

そういえば竜人フェチだとかなんだとかメイデが言ってたが普通に戦ってたんじゃないのか?竜人相手に。


「こっちは片付いたよー!!」


「バッチグー!!ですの!!」


メイデが向こうから手を振りながら歩いてくる。その後にはリメルと包帯の子が居た。恐らくシルフィとリベアはあそこのパーティにいたのだろう。


綺麗な白色の髪をした閃光の宝珠を護る聖龍のメイデ。俺の転移特典の一人で、かなりおっちょこちょいなところが目立つ子。光魔法が専門だが、回復魔法は苦手。一度裏の顔を見たことがあるがかなり恐ろしい。


翼が生えている人は前まで敵だったギルド滅龍賊のマスターで、浮翼の宝珠を護る翼龍、リメル。今じゃ世界を再構成させる必要が無くなり、俺らのギルドの同盟ギルドとして仲間という形で終わっていた。


その後ろにいるミイラの姿をした子はよくわからないけど、リメルをかなり慕っているように思える。


「なぁ、メイデ」


「?」


「リベアって普通に竜人と戦ってたか?」


どうしても気になるから聞いてみる。


「……そういえば普通に戦ってたよ?鱗が汚い竜人には興味が無いとかなんだとか」


「そっか、竜人相手でも好き嫌いはあるんだな」


竜人ならなんでもいいのかと思ってたけど多少のこだわりがあるんだな。


また別の方向からイフとスケイルがいがみ合いながら来る。


「絶対さっきの私の得点!!」


赤い髪の毛をした巨乳で、火炎の宝珠を護る炎龍。元々引っ込みじあんな感じだったが、たまにああやって元気に喋ることがあるよくわからない子って感じだ。能力は確かステータスを自由にいじくれる。


「オレガトドメヲサシタカラ、オレノモンダ!!」


身体のすべてがむき出しの骨で、できている滅龍賊のメンバー。イフの火炎の宝珠と、レイルの激流の宝珠を奪った手練。その後、イフのリベンジマッチによって負けている。自分の形状を骨によって変えれる。常に声が機械音のようになっている。


その後ろの方でやれやれとリヴェルとレイルが来る。


「全く……仲がいいのか悪いのか」


蒼い髪をした、激流の宝珠を護る蒼龍。かなりクールなイメージなのだが、幽霊怖い、夜のトイレ一人じゃ行けないと言った少しかわいい一面もある。


「こいつらガキかよ」


12本もの妖刀を操る、人の時間を止める、というはっきり言ってチート級な滅龍賊のメンバー。合計で三回戦ったことがあるのだが、勝てたのは最初の一回のみ。今は仲間という関係なのだが、敵だった頃気に入られてしまい滅龍賊に勧誘させられたことがある。


「ガキじゃないもん!!」


「ガキジャネェ!!」


何故そこで息が合うんだよ……。


「こっちの方も片付いたぞ。殆ど転送してもらったし、今頃メテウスのお手製超鋼金檻にぶち込まれているだろうよ」


メテウス、滅龍賊のメンバー。かなり筋肉があって、宝珠を護る龍の中でも攻撃力は計り知れない程と聞く。かすれただけで致命傷を負うぐらい、とアヴェルは言ってた。


「アイツ、アアミエテモカナリ、キヨウダカラナ」


「へぇ……意外だな」


器用なのか……でも一時間動いたらエネルギー使い果たして寝ちゃうからな……本当に勿体無い。


「とりあえずギルドの方に戻るか?」

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