2.勝負の続き
「せっかくだし勝負しないか?」
アヴェルが話しかけてきた。
「勝負……?」
「そ。ちゃんと戦えた事が無かったからなぁ。おっと、別に強制的にさせる訳じゃあ無いんだけどさ」
確かに良いな……それ。
「一回やってみるか。じゃあ頼む」
まさかずっと敵だと思っていた人とこうやって共に話したりしているのって、意外と凄いことだよなぁ。
「よし来た!!手加減はいらんからな」
「分かった」
俺とアヴェルはあの戦闘部屋に入る、するともうその席には名無しのギルド側と滅龍賊側でもう座っていた。
「えーっ。これから名無しのギルドのマスターと、滅龍賊の異様な妖刀使い、アヴェルのデュエルを開始します!!」
リベアがなんか仕切っているんだが。っていうかあれ妖刀だったのか。
「どういうことだ?」
「あぁ、俺が提案したんだ。勝負の続きやるから、とりあえず来てくれ。ってな」
「ほぉ」
デュエルの申し込みが来る。
Okを押してから数秒後で始まるからな。
今、俺はOKを押した。
そしてゴングの音が鳴るのと同時にアヴェルの10本の内の6本が四方八方から襲ってくる。魔法かなにかで動かしているのは分かるが、6本も同時に操るなんてな……。
一旦3本だけ避け、もう3本を龍の鱗で弾く。
そして全身を竜人の物に変え、アヴェルに突撃する。
が、アヴェルは避けていた。
「あっぶねぇ……スピードも火力もあるなんて強すぎんだろ」
「お互い様だろ?」
「あぁ、言われりゃそうだな」
そしてまたアヴェルに突撃する。
次は刀で受け止めてきた。
「おぉ……こりゃ流石にキツそうだわ、俺の刀が折れちまう……」
背中から殺意を感じ、俺は一旦この場から跳んで逃げた。
背中に3本の刀が迫っていたなんてな。もう3本はまたアヴェルの元に戻っている。
「流石だな」
「それ程でも」
俺はそう言って次は跳んでアヴェルへ突撃する。
ん?さっきの刀と違うような?
上空からの攻撃を二本の刀で受けきろうって話か。ほかの刀はすべて地面に落ちているな。
「うぐっ……流石にキツいな」
宙に浮く俺を包囲する10本の刀……今度は跳べないよう天井にまであるし。
突破口は今俺の足場になっている二本の刀を退かすしか無いか。
俺は足に更に力を入れる。
足場となっていた二本の刀は崩れ、ついでにアヴェルも体制を崩した。
「!!」
俺は後ろに跳ぶまた跳ぶ。10本のその刀が俺を串さそうと襲ってきているからだ。そうしてアヴェルとの距離が出てしまった。疲労が溜まってきているな……。それに比べてアヴェルはまだ余裕そうだ。ここら辺がやはり差が生まれている証拠だよな。
俺じゃアヴェルに勝てない。観客席にいる誰にも勝てない。
「終わりだ」
10本の刀がまっすぐ俺を突き刺して、一瞬で俺のHPが0になった。
Loseの文字と共にゴングが鳴る。
「いやぁ、強いな」
「よく言うよ」
アヴェルが手を出してくれた。それを掴んで立ち上がる。
「この世界に来て間もない癖に俺の龍魔刀を使わせるなんてな」
「その今腰につけている刀が龍魔刀って言うやつか」
途中でいきなり出したあの。
「そ。オリジナルウェポン。自分専用の武器、みたいなやつだな。それはそうと、楽しかったぜ」
「どうもありがとう」
オリジナルウェポンか……自分だけの武器ねぇ。結構カッコイイな、そういうの。
「主!!良かったよ〜!!」
「俺らは今まで通り滅龍賊のギルド内で生活するから……まぁこれからもよろしく頼むぜ」
「了解」
もう一度握手をすると、アヴェルらが出口となる空間から出ていった。




