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3.火の国へ

「とりあえず返さなきゃどうにもないから......」


手がかり捜索ってわけか。


「因みにどの制約が消されるんだ?」


「攻撃力低下だな」


なるほど、それにしても本当に行方も何もかもが分からなくなっているって相当だよな。そういえば宝珠が元に戻ったのなら国はどうなるんだろうか?徐々に元に戻っていくのだろうか?全くわからないな、一生崩壊したままなのだろうか。


「うーん、イフは火の国の龍だからもしかしたらそこにいるのかもしれないけど......なにせあそこは......」


「どうかしたのか?」


「いや、一度言ったと思うが国は滅んだんだ、まるで何も無かったように、更地になってな、まぁそれとは関係ないが賊の奴があまり居なかっただろう?」


「あ、確かに」


「こちら側で色々調べてみたのだがどうやら暴風の宝珠を護る疾龍のシルフィの目撃情報が出たらしいから全面的に捜索していたらしいんだ、まさかそんな時に取られるとは思ってなかっただろうな。それにシルフィは宝珠を護る龍の中でもダントツで早い、そう簡単には捕まらないだろうな」


それで2人しか居なかったのか、まぁ空っぽでとても楽だったけど。


「どうする、それで火の国に行ってみるか?砂漠のようになっていると思うが......」


そんなに悪くなっているのかよ、まぁ崩壊っていうぐらいなんだし当たり前か。


「まぁ手がかりがそれしかないならばそうするしか無いだろう」


「じゃあ次は私に乗って!!」


俺とリベアは白い聖龍に乗った。


「使用時間は28分程度か、まぁ早く行けば10分で到着するだろう、しっかりと宝珠を落とさぬよう気をつけてくれ」


「わかった、じゃあ頼む」


「飛ばすよー!!」


おぉっと、もう雲の上か、これは速いな、悪い景色じゃぁ無いな、って急にしがみついてきてどうしたんだ?


「どうした?」


「リベアは高所恐怖症でね、龍の状態なら大丈夫なんだけど」


なるほど、まぁこればっかりはどうしようもないよな。


「呆れた顔をするな!!僕は、か弱い乙女なんだぞ!!怖いものの一つや二つはあるに決まっているだろ!!」


なんかそんな気はしなかったけど、まぁか弱い、って言うのはまず当てはまらないだろうな。邪龍だし。


「だいたい君は女の子に抱きつかれている時点で興奮もしないのか!?」


震え声で言ってこられても、まぁあんまりそういうのに興味が無いっていうか。


「お胸ぺたぺただからね~」


「うるさい!!結構気にしているんだぞ!?」


よくこんな状況で話せるよなぁ、俺は火炎の宝珠を落とさないだけで精一杯なのに。

っていうかどんなけ怖いんだよ、これでも安全に飛行している方だろう、落ちたなら龍の状態になりゃいいんだし。


「っというより君は怖くないのか!?」


「いや......ただ景色がいいなぁぐらいとしか」


っていうか何時までしがみつくんだよ、そろそろ痛いし力入れてしまいそうなんだけど。


「痛てて」


「あ、硬くなった!!ゴツゴツしている!!もしかして......おぉ!!胴体が竜人のものに変形しているじゃないか!!」


痛くてつい力を入れてしまった......。


「おぉ!!初めてだ!!おぉ!!素晴らしい!!生で初めてみた......これが竜人の胴体か......!」


っていろんなところ触るな!!


「おぉ、なんとも言い難い素晴らしい筋肉......!!冷たく綺麗な鱗!!舐めたい!!良いよな!!良いんだよな!!」


「駄目だろ」


もう末期だろ、龍じゃなくって竜人が良いのか......?うぅん、本当によくわからないな。


「あと少しだよ~、ほら、見えてきた!!」


もう10分経ったのか、どんなに速いんだよ、って本当に砂漠なんだな、少しだけ崩壊する前の形跡が残っていたりするもんなんだな。

お、街があるな、一応人はいるのか。


「もう着いたよ!!でも果てしなく広いから......あ、村がある!!」


「寄ってみるか」


とりあえず地上に降り立った。


「恥ずかしいところを見せてしまったな......すまない忘れてくれ」


「多分一生記憶の片隅に点在すると思う」


「忘れてくれぇぇぇ!!」


急に肩を掴んで揺するなよ、あんな意外な1面見せられちゃ忘れられるわけが無いだろうが。

というか結構人が居るな、まだこんなところが残されていたなんて。崩壊してるけど人までは諦めてなかったんだな。


「あの、少しいいですか?」


「あ、はい?あれ?見かけない方ですね、旅の方でしょうか?こんな何も無いところに......あはは」


「火の炎龍のイフさんをご存じですか?」


「あ~イフ様なら......あ......」


何か知ってそうだな。


「僕は邪龍、こっちの白い方は宝珠を護る龍です、火炎の宝珠を賊から奪還して来ましたのでイフに合わせて貰えればと......」


「本当ですか!?」


俺は火炎の宝珠を包んだ服を出しそれを解く。


「ね?」


「な、ならあの塔にイフ様が眠っております......我々火の民の生き残りにしか伝えていない事なので......どうか他言は控えてもらえるよう......」


「わかった、他言はしないよ」


この人が指さす方には塔がある、あそこにイフさんがいるんだな、まぁさっさと行ってこれを渡しに行こう。


よし、到着だな。これって勝手に入っても良いのかな?まぁ火炎の宝珠を返しに来ただけだし別に良いと思うけど。


「じゃあお邪魔しようか」


なんのためらいもなく良く開けられるな、ってなんか端っこで蹲っている人がいる......。


「え、えっと?どうしたんだ?」


「あ!!その人がイフだよ!!」


「マジか」


やはり火と言うぐらいあって赤髪なんだな。しかも胸が無駄にでかい。


「皆私のせいで......きゃあ!?え!?誰!?」


「これを届けに来たんですが......」


俺は火炎の宝珠を渡す。


「え!?え!?」


「取り返してきましたよ」


「メイデもリベアもいる!?全く知らない人もいる!?あわわわわ」


まぁ驚くのも無理ないか、いきなり奪われた火炎の宝珠を差し出されたのなら。っていうかメイデの後ろに隠れるなよ......俺悪いことしてないぞ。


「あははは」


「ひえぇえ......ボーイフレンドなんですか!?」


「そうというかなんというか、一応僕達の主っていう関係ではあるな、友達のようなものだけど」


一応友達として見ていてくれたんだな、そっちの方がこちら側としても話しかけやすい。


「まさか私より先に人の友達が出来るなんて......それはそうと火炎の宝珠を取り返してくれてありがとうございます」


「いやいや」


「名前は......なんというのでしょうか?」


「すまない、名前は覚えてないんだ」


もしかしたら人見知りなのか?メイデの背中に隠れるあたりそうなんだろう。


「イフ、ちゃんと前に出て話そうよっ!!」


「う......うん」


いや、そんなに頑張らなくっても、ただ届けに来ただけなんだし。


「あ、あの!!」


「お、おう」


「次何処に行く予定なのですか!?」


火炎の宝珠を渡したら次はもう一つの宝珠も返しに行かないとだから......。


「他の奪われた宝珠は何があるんだ?」


「確か激流の宝珠、持ち主は水の蒼龍レイルだね、今度は力も戻っているし僕達も一緒に戦えるよ」


じゃあ今度は結構楽そうだな。


「あ、あのこれから先、一緒に同行させて貰っても良いですか!?」


「うん、いいよ」


「出来れば私の最初の人の友達になってくてませんか!!」


結構恥ずかしそうだけど俺は全然良いな。


「うん、いいよ。むしろこっちから願いたいぐらいだな」


「そうですよね......ダメですよね......私みたいなへっぽこは......って良いんですか!?」


「全然良いよ」


「ありがとうございますぅ!!」


泣いて抱きついてくる、そんなに嬉しいのか......?胸がデカい。


「あ、今日は此処で泊まっていってくださいね!!この塔には温泉がありますので充分に疲れを癒して下さい!!」


「温泉!?やったぁ!!」


一応そういうのはあるんだな、まぁあった方が良いんだけど。


「ですが混浴でして......だってだって男の人が来るなんて聞いてなかったんですもん!!おもてなししないと......」


「い、いや別におもてなしとかいらないから、うん」


「私の身体で許してくださいっ!!」


「それ友達になったばっかの人に言うことか......?僕にはよくわからないが」


周りも俺も正直ビックリしたというか引いた。


「ふぇえ......私の身体じゃ物足りないのですか......?」


「いや、そういうことじゃ無くって......うーん、主は女の子の身体には興味が無いらしいから......」


「そうなんですか!?」


まぁそうだな、っていうことで俺は頷いた。


「まぁ俺は一人で入るし気にすることは無いと思うぞ」


「な、なら」

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