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1.装備は大切

「25.装備を整えないと」の主人公が気絶していた間の物語です。

え……主……?


「主が僕の胸を見て……気絶……?」


「そ、そうみたいですね……散々俺は人には興味が無い〜。って言ってたのに、そ、それよりリベア……周りが……」


え!?何!?うわぁ!?注目されちゃっている!?


「う、うわぁ!?み、みるなぁ!!あっちいけぇ!!」


「暴れたら余計注目されちゃうよ!!落ち着いてー、落ち着いてー。誰もぺたんこお胸なんて見ないよ!!」


「失礼な!!主は……僕の胸で気絶しちゃったんだ!!」


本当に失礼な奴だ……でも主が僕のこんな夢も希望も未来も胸も無いこの身体で……。


「あ、殴ってこないんだ」


「主が僕の胸で主が僕の胸で主が僕の胸で」


あ。取り乱しちゃったな……。


「よし、じゃあ3と3に別れようか?っていっても多分防具持ちが片寄っている方が早く倒すから、そうしたら防具を持ってないもう1チームにトレードで渡して、援護しに行く、どうかな?」


やっぱり僕って変な奴だよね……。


「チームは?」


「うーん。どうしようか……まず岩龍討伐チームには、僕が居ないと目撃情報場所まで行けないから、僕が居る必要があって。そうだ、僕と、シルフィと、レイルで行こう!!その後別の龍討伐チームの援護に行くって感じかな?どうだろう?」


こうすれば多分早く終わらせられるかもしれないから……でももし部屋から狭間を作ってワープする手段で、目的の龍の元に行けるとしたら6人で一斉に取り掛かった方が速いんだけど。


「それか炎龍か蒼龍のどちらかを倒して貰えれば後は残った方を討伐するだけだから……まぁある程度目星はついているけど。炎龍は大体ディカリム火山洞窟か、ダンジョンの何処かに。蒼龍は、雨雲の宮廷か、ダンジョンか……それかワープを使って目的の龍が居そうな場所に全員で行くか」


僕的には後者の方が良いけど。


「みんなでパパっとおわらせよ〜!!」


「後者の方が効率が良さそうだな。じゃあまず主を運ばないと……」


イフが背負ってくれた。


こうしてこの国から出る。


よし、じゃあ僕が部屋への狭間を作ってっと。


そうして、主の部屋のソファに横にさせて。


「目撃情報があった場所は、イラルド山の空洞洞窟。その奥の光る鉱石が採れる場所に居るみたいなんだ。今もかなり多くの人が挑戦しているけど、岩龍の硬さは半端じゃ無いからね。とりあえず行ってみよう!!きっと僕達なら倒せる!!」


みんなが息を合わせて、おー!!っと掛け声を掛ける。

そうして僕はイラルド山のその空洞洞窟に繋がる狭間を作った。

本当に主のこの宝珠の力……凄いな……。


「ね、ねぇ……あれが岩龍……?」


光る鉱石のおかげで暗いこの場所も凄く明るく見える……がその目の前にいるのはタニアが龍化した時のものよりもかなり大きい岩龍だった。


「間違いない……私の龍化したものにそっくり……でも大きさがシャレになってない」


っというか超大型の岩龍が入っていてもまだまだ余分なスペースがあるこの空洞洞窟も恐ろしいのだが。


「しょしょしょ所詮大きさだよ!!大丈夫大丈夫……」


「適当にゴリ押しして行けば勝てる!!多分」


何証拠も無いことを言っているんだ僕は!!


「なんか溜めてない?」


「え……?ま、待て、攻撃が来るぞ!!」


魔法を使った攻撃も出来るのか!?

しかも前に戦ったヤツらが無駄に怒らせたのか最初っから威力の高い技を!!


「吾輩の出番か……」


「レイル!?死ぬぞ!?」


「任せてくれ、吾輩が一撃で仕留める」


魔法防御力が特別高いわけでもないのに歩いて突っ込んで……どうしたんだ……?壊れたのか?


岩龍の口から推定する限りじゃ即死級だと思われる魔法攻撃が放たれる。


「まぁ、見ていてくれ」


レイルの周りに円形状の時空が捻れたかのような物が展開される……とは言っても流石に……。

消えた……!?いや、吸い込まれたのか?あの即死級の魔法攻撃が?


「吸引した魔法攻撃5回分の攻撃を蓄えて、次に魔法攻撃を行う時放出できる、能力。マジックマグネット」


「この能力、本当に対魔法攻撃ならダントツで強いんだ〜!!疾龍討伐の時すっごくお世話になったなぁ」


「友の為……消えるが良い」


レイルが右手を岩龍に向ける、そうして岩龍が放った魔法攻撃と同等以上の魔法攻撃を出す。


一撃で……倒した……?


「随分と恐ろしい魔法攻撃だったようだな……それに今までに溜めていた分もあって一撃で仕留めれた」


「流石レイルだよ!!凄い!!」


「それ程でも無い……それに溜めていられるのは5回までだからな……もし連続系だったらカッコつけたままダサく死んでいたんと思う。無茶をし過ぎたな……」


あんな能力があったなんて……僕の知識量の低さが改めて分かったよ……。


「そ、そうだ、防具はどう?」


「うーん、私は出なかったよ……」


ストレージを確認する。追加されたのはランスの部類だけだ。


「僕もだ、あったのはランスの武器。タニア、いるか?」


「私の一番好きな武器!!あ、私のところに、一式は装備あったよ!!」


おぉ、それはよかった。じゃあ取り出してっと……うあ……このランス重いなぁ。


「おめでとう、はい、これ」


僕はそのランスをタニアさんに渡した。


「ありがとう!!じゃあ次は……」


持っていないのはイフとレイルだけか。


「吾輩は最後でいい、イフを先に頼む」


「え、え?私が先?いいよいいよ。私が最後で」


「レイルが言っている事だし次はイフの装備にしよう!!」


「ご、ごめんね?」


「気にしなくっても良い。吾輩は対魔法攻撃ならば全裸になっても構わないからな。っといっても流石に全裸になる訳には行かないが」


こうしてレイルの一撃のおかげで3分もかからず岩龍討伐は完了した。


さて……次はイフの装備だ、だとするとディカリム火山洞窟……。


「よーし!!パパっと行こー!!」


あの空間に戻る。そしてディカリム火山洞窟の最深部へ繋がる狭間を造り、通る。


「あっつ……」


無駄に暑く広い空洞に出た。


「何こことっても暑いよぉ」


「み、みなさん大丈夫ですか!?」


イフは炎龍だから大丈夫なのか……そういえばその目当ての炎龍は……居た。完全にこっちを見ている。そしてなんか結構深い線が地面に刻まれているんだが。


「これは炎龍の習性ですね……この線から中に入ると襲ってきます!!」


流石イフ、炎龍なだけはある。


「じゃあこの線の外で魔法を使って倒せばいい訳だ!!」


「ちょ!?メイデ!!流石にそれは!?」


「くっらえ〜!!」


熱でおかしくなってしまったのか!?

でもちゃんと命中しているし……ダメージも入っている、そんなことよりも……すっごい怒っているぞ……。


「不意打ち成功!!やったやったー!!あ……」


完全にご立腹だ。標的はメイデ、ただ一人になっているんだろう。


「ふ、ふえぇ!?」


「メイデ!!逃げて!!」


「きゃああああ!!」


メイデは龍化して全力で逃げる、が炎龍も負けずと雄叫びを上げながら、メイデを狂ったように追いかける。


捕まったら……まぁ食われて死亡が良いところだろう。


「来ないでぇぇぇぇ!!あっち行ってぇ!!」


「おりゃあああ!!」


シルフィが龍化して、炎龍に突撃する。

そして見事、攻撃成功。炎龍は空中で体制を整えると次はシルフィに牙を剥いた。


「追いかけっこ楽しいぃぃぃぃ!!」


シルフィも熱で頭がやられているようだ。


「これってなんていう大怪獣バトル?」


「さぁ?」


「わ、私も行きます!!」


「気をつけてね〜」


イフも龍化して炎龍に突撃する。


そして着実に、段々と体力が削れていき、炎龍は力尽きた。


「やったぁ!!勝った勝った!!あ、炎短剣サラマンドル、って言うのドロップしたよ?確かイフは短剣使いだったよね?」


「は、はい!!良いですか?」


「うん!!良いよ〜!!その為の炎龍討伐だもん!!」


僕のところには……これといって良いものは無いな。売却すれば高いかな?


「あったよー装備!!はい!!」


「あ、ありがとう!!みんな!!」


さて次は雨雲の宮廷か。あそこは雲の上だからな……少し面倒くさそうだ。

またあの空間に戻り、レイルが雨雲の宮廷に繋がる出口を作る。


「よいしょっと」


「この雲って乗れるんだね!!」


「他の雲よりよっぽど特殊だからな」


「そぉれ!!」


雲を丸めて丸くしたものを僕に投げてきた。


「雲合戦だ!!」


「あんまり痛くない?よぉし、それなら!!おりゃあ!!」


「やったなぁ!!今に見てろぉ?」


両手に雲玉を持ちメイデに投げつけようとした瞬間だった。

下の方から何かが聞こえて来る、風を切るような音が。


青い龍。蒼龍が雲の下から勢いよく出現した。

足場が安定しない此処では龍化して、空中で戦った方が良さそうだな。

でもタニアさんの場合龍化したら重すぎて下に真っ逆さま……なんてことも。


「タニアは僕に乗って!!」


「うん、分かった!!」


タニアさんは僕の背中に。他のみんなは龍化した。

もう完全にリンチ可能状態になっちゃっているな。蒼龍もどうするべきか分からないんだろう。


蒼龍は命の危機を感じ取ったのか、大きな雄叫びを上げた。

……だが特に何も起こらなかった。


「じゃあ悪いけど……」



特に何事も無く終わった。なんだかかわいそうな気もしたが、そんなこと言っていられるような場合じゃないから……しょうがない。


「吾輩のところに目当てのものは全てあった……ありがとう」


「じゃあ……主が起きるまで各部屋にて待機!!かな?」


何故か主の部屋に全員が集合した。


「だ、大丈夫かな?」


「起きたよ」


いきなり起きるものだから結構ビックリしたなぁ。


「まさか胸無し胸で気絶しちゃうなんてね」


失礼な……でも……嬉しかったな。


「まさか主が僕のこの魅力も希望も何も無い真っ平らな胸で急に倒れた時はビックリしたよ……」


少しぐらいメイデみたいに甘えても良いよね?


「僕も少しは自信が持てたよ……ありがとう」


「お、おう?」


「じゃあ行こっか!!霊魂の廃墟に!!」

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