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27.骸骨の龍

いま私の目の前にいるこの骨は。骸の宝珠を護る骨龍、スケルト……過去に一度戦ったけど……勝てなかった。

でも今は……リベア達と協力して手に入れた、この防具があって、この武器もあって……。もう負けるわけには行かない!!

負けたらアイツの方が強かっただけ、憎みもしない……でも今は前より充分戦えるはず!!

炎短剣サラマンドル。火属性値が大きく上昇し、与えれるダメージは持ち手の火属性値に非常に大きく左右される武器。


「……テカゲンハ……シナイゾ……」


「当たり前……」


二つの骨が物凄い勢いで迫ってくる、あの時と同じ。宝珠を奪われた時と!!

すかさずその二つの骨を短剣で弾く。そのまま迫り来るスケルトの胴体を短剣で斬る。


……斬れてない?

というより空洞の部分が多いから当たらないのか……。

でもこのまま蹴りを入れ込んで!!

……よし!!バラバラに飛び散った!!

頭蓋骨目掛け走って、短剣を突き刺そうとした時、飛び散った骨が後ろでまた形状を取り戻す。それに注意を引かれてた時、いつの間にか頭蓋骨はその人形のようなものに引き寄せられていた。

いや、人形と言うよりは馬と人が合体したかのような姿。ケンタウルスの様な姿だった。骨の数を増やすことも減らすことも出来るみたい……。

向かってくる骨の槍を短剣で受け流し、反撃の一突きを肩に喰らわせる。骨は割れた……がまたすぐに別の骨が代理を果たす。

おそらく肝心のスケルト自身にはダメージの一つも入っていないんだろう……。


だとしたら少しずつダメージを蓄積させるより、確実に脳を破壊する方がいい!!


一旦後退する。

着地の隙を狙ってまた突っ込んでくる。そしてその攻撃を不安定ながらも受け流し、次はその槍を持っている右手を破壊、その後蹴りで顎を蹴り上げた。

すると上手く当たっていい感じに宙に浮いた。


「チャンス!!」


体制を整え、頭蓋骨を空中で確保し、短剣を構える。が、スケイルは躊躇わず肩の部分を強く強化した状態でタックルをかましてきた。勿論避けれ無かった。

痛い。当たりどころが悪かったのか凄く息がしにくい、しかも頭蓋骨がまたスケイルの元に……。


「……ユルセ」


槍を構えだす。

それでも闘えなくなる最後まで闘ってやる!!


突き出して来た槍を全力で避け、ステータス値を全て極限まで下げる。意表を突かれたのか、スケイルはかなり硬直している、本来ならチャンスだけど……流石に此処は回復を図った方が良い……。


そしてまた次は槍を突き出しながら前方へ一直線に突っ込んでくる。私は直ぐに体力を確認する、まだ半分のところみたい……咄嗟に瞬発力の値を無茶してぶち上げ、避ける。


「はぁ……はぁ……」


次は槍が飛んでくる。短剣を横に構え、力を振り絞って弾く。

弾き返したそれを容易く空中で掴み、私へとまた突き出して来る。

そろそろスタミナが……疲れを知らない上に痛みも知らない身体の敵には流石に勝てなかったか……やっぱり私、ダメダメだなぁ……もっとレイルやリベアみたいに強くなりたい……。


私は反射的にその槍の攻撃を避けていた。隣には食い込んだ槍を抜き取ろうとするスケイルが居た。


チャンスだ、短剣を強く握り頭蓋骨を狙って刺し込む。姿勢が低かったから上手く刺せれた。これで私の勝ち!!


「!?」


頭蓋骨は破壊したはず……!?

頭蓋骨に短剣を突き刺されたまま槍を引き抜く。


「……う、嘘……」


どうすれば良いの……?もしかして考え自体がおかしかった?でも他に……考えられることは……。


「ミゴトダ」


スケルトはそう言って崩れ出した。

良くわかんないんだけど、本当に勝っちゃったの……?


Winの文字と共に目の前の骨の塊は元の形状を取り戻した。


「オマエノカチダ」


本当に勝っちゃったんだ……!!


「イフー!!」


「うわぁ!?」


メイデに押し倒される。奥の方からリベア達が来てくれた。


「おめでとう、イフ」


メイデ達が祝ってくれた。


「えへへ……」


「まさかイフにあんなにもの執念があるなんてなぁ。すっごい殺意だったぞ」


「え……えぇ……?」


私……そんなに殺意だしてたのかな……?でも勝てたからいいや!!


そうして私は座ったまま、滅龍賊の龍達と和気あいあいと話し合うスケイルの元に立つ。


「ドウシタ?マケタオレニナニカヨウカ?」


「……闘ってくれてありがとう」


「……ソウカ……ワルカッタナ」


私は右手を差し出した。

スケイルは躊躇わずその右手を掴んで立ち上がる。


「さてっと、イフとその……スケイルとの戦いも終わったことだし。えぇっと滅龍賊側で僕らに何か申し出よう……とかは」


リベアが話を持ち出した。

滅龍賊マスターのリメルが、前に出る。

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