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25.装備を整えないと

「よし、じゃあまず装備を整えようか……」


「え?向かうんじゃなく?」


「今、まともな装備があるのは僕とシルフィだけ。時間内にできるだけまともな装備を整えた方が良いと思うんだ。それにあいつらの装備していた物は全て同種の龍のドロップアイテム。属性やステータスが一番噛み合うから、同種からドロップする装備良い訳だ。まぁ少し同種殺しには抵抗はあるが……まぁ、倒してもまた直ぐに何処かで出現しているから全く問題ない」


なるほどね。特に宝珠を護る龍となると、その龍のステータス値がそのまま影響されるから勿論その龍から手に入れられる防具もちゃんと合う訳か。


「じゃあまず、目撃情報のある岩龍から討伐しに行くのが良いと思うけど」


岩龍ってことはタニアさんか。


「え?私の?」


「そ、元々タニアさんはそんな身体の何処にあるのか分からないくらいの、化け物級の防御力、魔法防御力のおかげで通常装備でもある程度耐えれたけど、あの剛腕野郎は相当やばい。それに今度はキッチリ防具も武器も揃えてくるだろうし、こちらも対策しないとアイツに敗北を許してしまう……」


剛腕野郎……メテウスの事だな。


「その剛腕野郎。能力の関係で、1日に1時間しか動けないんだったけか?だから1時間以上持ちこたえれば行ける……と思うけど」


「それは何処から入手した情報なんだ?」


「メイリからだな。信憑性は欠けるがあいつは嘘をついているようには思えなかったな」


それにあいつの証言が正しい証拠に、アヴェルが何ヒント与えてるんだ。って言っていたしな、打ち合わせをしたという可能性も無くはないのだが、あのメイリがそんなことをするように思えない、あくまで俺の感だが。


「そうか……まず霊魂の廃墟に向かう為の時間をあの場所から考慮すると残っているのは45分位か」


「霊魂の廃墟って場所は知っているのか?」


「まぁ結構有名なところではあるからな。さ、とりあえず岩龍を全員で討伐、ドロップした防具はタニアに渡す、その後に時間があれば別の龍を討伐。こんな感じだろうか。だが気をつけてほしいのは倒したからと言って必ずしも防具がドロップする訳じゃないんだ。まぁ7人もいれば防具は集まるだろうし大丈夫だろうけど」


そういえばシルフィとレイルは二人で倒した、みたいなことを言っていたな。


「少し思ったんだが、7人で何分位だ?」


「えーっと、シルフィとレイルで疾龍を倒した時は20分位だったかな?逃げ回るから厳しかったなぁ……」


「そんな無謀なことしたのか。普通30人位で一斉に取り掛かる奴だぞ。まぁ時間はかかるが、どうせ時間も余っている事だ、一旦別れて行動しよう」


となると3と4で別れて行動することになるのか。


「そういえばあのレクトっていう人。閃光の刀って言うの持っていたよね?っていうことは、最低でも2匹ぐらいの聖龍を倒していることになるんじゃない?」


「あ、確かにそうだね、主、聞いてみてくれないか?」


「あ、分かった」


多分このチャットっていう奴から話しかけれる訳だよな?

とりあえず文字を打ってっと……ってなんか来た!?

ギルドは作れたか?っていう短い文字がいきなり出てくる。とりあえず返しに。お陰様で出来たよ。っと打っておく。

少し経って。そうか、そういや装備とかってどうなんだ?っと来る。俺は、今、整えているところ、もしかしたらだけど聖龍の防具ってある?っと返しの返事を送る。

また少し経って、変な物が届いた。聖龍装備一式※女性用。値段1円トレードしますか?っというものだ。

そしてまた文字が出る。あったぞ、女性用だったからもしも、仮に誰かギルドに入ったら渡そうって思ってたやつなんだが使ってくれるなら有り難い。メイデちゃんに着させるんだろ?かなぁーりセクシーだから興奮して襲っちゃったとかシャレになんないからな?俺だったら静止画だけでご飯三杯はいける。gifで10杯は余裕。それにトレードする為には最低1円必要だから。まぁとりあえず防具を整えるの頑張り。っと来た。

とりあえずこのOKを押せばいい訳か。

有り難い。それと襲うことはないから安心してくれ。出来れば画像送るよ。っと返した。


いきなり聖龍の防具が出てくる。


「おぉっと、とりあえずどーぞ」


俺は手渡しで渡す。


「わぁ!!聖龍の防具だ〜!!ってかなり涼しそう?」


少しニヤリと笑うメイデ。そのままストレージから防具を装備する。

本当にセクシー……だな。かと言って守るべき場所はしっかり守られているし、っていうかヘソ出しか……寒くないのか?


「もう主ったら!!本当は。なんだコイツめちゃくそエロい身体してたんだな。って思ってたんでしょ〜キャー!!エッ」


俺は右手で頭を鷲掴みにする。


「この状態ならいつでも殺せるぞ……?」


だいぶ竜の姿になるための力加減がわかってきたな。


「ふ、ふえぇ……」


涙目なのを確認して俺はその右手を離す。少しやり過ぎたか?とりあえずポンポンっと頭を撫でてやった。


「そういや女性用ってあったがこういうのって別れているんだな」


「まぁそうだね。僕のこれも男性用だし」


「胸が無いから女性用の防具が着れなかったんだ!!」


いつの間にか復活していたメイデは、リベアの怒りのげんこつをもろに受けた。


「いったたたた」


「僕だって今なら着れるはずだよ!!見てろよ!?」


ストレージから防具を変更している。

あ、変わった……って、え?


「あ……」


「胸が無いからスルスル〜って抜けてった!!」


流石貧乳。

ぐはっ……イフ……?いつの間に後ろに?

首の後ろを手刀で打たれたのか?

くそ……視界が揺らいで……。


「少しの間寝ててくださいね?」



う……かなり長い間気絶していたな……此処は……あぁ俺の部屋か。

時間は……6時30分!?っていうかあの場所以外の場所に移動したのか。


「起きたよ」


防具をつけてなかったイフとレイルとタニアさんが防具をつけていた。っていうことはもしかして。


「まさか胸無し胸で気絶しちゃうなんてね」


まさか気付かれないように後ろに忍び寄り手刀で仕留め、また元居た位置に即座に移動してあたかも俺が下着を見て興奮してぶっ倒れたと勘違いさせた訳か。イフ……恐ろしいな。


「まさか主が僕のこの魅力も希望も何も無い真っ平らな胸で急に倒れた時はビックリしたよ……」


急に寄り添ってきたんだが……。


「僕も少しは自信が持てたよ……ありがとう」


「お、おう?」


「じゃあ行こっか!!霊魂の廃墟に!!」


リベアが外に出る為の狭間を作る。

そうして全員が外に出て、少しリベアが離れ、龍化する。

そうか、リベアしか知らない訳だからな、その霊魂の廃墟ってところは。

大型龍だからやはり6人が乗ってもかなりのスペースがあるな。

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