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21.ギルドを作りに行く最中に

さて、何処にあるんだろうな?っというか周りの視線が……きっとさっきの事件で思いっきり注目されてしまっているし……はぁ。


俺は少し睨み気味に隣にいるメイデを見る。すると気づいたのかしょげた。


「私悪いことした?」


「した」


服を握る力が強くなっている気がするんだが、っていうか何もあそこまでする必要は無いんじゃないのか?やりすぎだって言うかなんというか、でもネタばらしを聞く限りじゃ両腕両足を透明化させ、実態が無い状態に置き換えた、って言ってたからな、実質無害な訳だけどそれでもあれは不気味すぎる。


「あ、ありましたよ!!宿屋!!」


「じゃあもう夜遅いしまだ道は長いから部屋を借りて寝よっか」


そうだな、早いところ寝ようか。


「7名様ですね、でしたら」


部屋に案内される、ただ夜寝るだけで飯を頂くわけじゃ無いから凄い安い。


……。

暗い……メイデ……?なんだ?その腕に抱えている物は……?良く見えない……首か……?黒色の髪をした誰かの首……?この顔何処かで……ん?


俺なのか?


「!?」


いつもの如くしがみついて寝ているメイデの姿が視界に映る、そして目の前には以前無かった時間表示と今の自分のHP、MPと思われしものが映っていた。本来名前の入るであろう場所には何も書いてない。

修正が入ってこう言うのが見れるようになったのか……一層ゲームっぽさが増したな。そして今は深夜3時か……寝よう。


俺は目を瞑り寝ようとする、しているのだがさっきの俺の首をメイデが暗い場所で持っている夢の映像が脳に焼き付いてしまって寝れない。

さっきのはなんだったのだろうか?ただの夢のはず、夢のはずなのに夢だと思えないぐらい生々しくて。メイデの腕が血に染まっていて。変に笑っていて……不気味で。

何かの暗示か?まさかな……ないない。そんなに深く考える必要なんてあるわけない。ただの夢だろうし。


そもそもこの世界に来た理由って、事故死で。龍に好かれやすい性格って言うだけで転移特典が龍になったりして。そういえばあの女神って誰なんだ?俺をこの世界に転移させたあの女神。もしかしたらあれがこの世界の創造主?そういえばメイデとリベアはあの女神に会ったことがあるみたいな事言っていたっけ。何にせよ謎が多すぎる。修正が今さっき入って、視界にHP、MP、時間の表示が出てくるのもそうだが。そういえば一斉に修正したのだろうか?



「お寝坊さんだね。メイデはいつものことだから良いけど主まで寝ているなんて」


声が聞こえる。リベア達の声だ。

もう朝なのか。


「も、もうお昼なのに」


「寝る子は育つ!!でも寝すぎは……横に育つ?」


「あ、起きた」


「おはよ」


目覚めの悪い……昼だ。

そしてメイデも起きる。


「見てわかるとおり修正が入ってHP、MP、そして現在の時刻が表示されるようになったんだ」


「確かにそうだな、この緑色のがHPで。その下の青色のがMPってわけだよな?」


「そうそう、それでもってその右下にある鞄の形をしたアイコンを触ってみてくれ」


鞄ってこれか。おぉ、鞄のアイコンがアイテムストレージっていう名前のやつになってなんか出てきた。


「それがアイテムストレージ、特定数アイテムが入れられる。じゃあ次にその隣にある手紙みたいなアイコンを触って」


このなんか赤く光っている奴か。運営からのお知らせっていうのが出てきたぞ。とりあえずこれも触ってっと。

追加機能に関する事が書いてあった。


「それがメール、主に運営が僕達に向けて不具合とか修正したとか言ったりするところ。じゃあその隣の、魔法陣の奴を触ってみてくれ」


紫色のこれか。スキルスロットっていうのが開いたぞ?スキルスロット?何それ。


「おそらくこれは今まで習得したスキルをコストに見合う分此処に組み込んで、使用可能にするってところだろう。今まではスキル習得上限数が5だったからこれは非常に有難い。コストがある分いくらでも入れられるからな。因みにコスト上限は、初期段階では100だけど、アイテムをスキルコストに変換するっていうことができて、それで増やせるという。さて次はこの身体のアイコンを触ってみてくれ」


身体ってこれか。開いたらステータスって書いてあった。上からHP。MP。物理攻撃。物理防御力。魔法攻撃力。魔法防御力。俊敏性。反射神経。状態異常耐性。っていうのがあった。その中でも優れていたのがは物理攻撃と魔法攻撃力と反射神経だった。


「見ての通りステータスだな。次は吹き出しを触ってみてくれ」


なんかチャットって出てきた、手を握っているようなアイコンがあるな。他にも鍵のマークとか。


「手を握っているような奴はパーティチャット、パーティのメンバーにしか伝わらないチャットだ。そして鍵の奴はダイレクトチャット、まぁ個人で話せるってところだな、恐らくフレンドになるとダイレクトチャットができるみたいだな」


へぇ。一気にゲームっぽくなりやがったな、この異世界。嫌いじゃないしむしろ良いんだけど。


「お、起きて説明もしたことだし早速ギルドを作りに行こうよ!!」



っということで宿屋から出て道を歩く、とりあえずリベアが詳しいようなのでついていく。


「僕が考えてしまった名無しのギルドで本当にいいのか?」


「問題ないよ、結構気に入ったし」


普通に龍になって飛んでその場所に行くのが良いような気がするんだけどな。

まぁもうこんな人が沢山いる中で龍になるのも被害が大きくなりそうだからなぁ。


「ねぇねぇ!!あれ買おうよ!!」


「?」


指を指した先にはクレープ屋があった。


「ちょうど甘い物が食べたかったから丁度いい、買ってくれ」


「い、いや、ほら、俺これでも金無いし」


っていうか宝石を換金して結構金、余っていなかったか!?


「そこは普通。俺が出すから。ってカッコよく言うんじゃ無いのぉ?」


「うぐっ……そもそも金を稼げることしてないんだし!!」


……ヤバい、周りが完全に、ニートが大勢の女子達を口説いて一緒に歩いているなんかとりあえずヤバい奴、みたいな空気になっていないか!?


「あの男、お金持ってないのにデートしてない?しかも大勢と」


「え〜マジヤバくない?」


何がヤベぇんだよ!?っていうかなんかよくわからんけどこの状況って圧倒的不利じゃないか……。

今俺は金持ってない、つまり、働いてない。

1対1なら許されていたかも知れないけどなんかコイツら何かが通じあったのか一気に俺にくっ付いて来やがったし!!6対1ってすっごい不利だし弁解の余地ないし。周りからの視線もギスギスして怖いし。


「ねぇ〜買ってよぉ」


「僕、お腹すいちゃったからさ、ね?」


「わ、私も食べたいです!!特に高いの!!美味しいの!!」


何故高いのを要求する!!


「なんだかよくわからないけどシルフィも!!」


「ささ!!行こう行こーう!!」


「吾輩も食べたい、そのクレープという奴を」


コイツら……!!俺が金無いこと知っててやっているのか!?……ん?メールのところが赤くなってる……開いてっと。なんだか可哀想だからどうぞ。差出人は……レクトって人か……えっと1万円も!?世の中には優しい人もいるんだな。

ってあの苦笑いしながら少し小さく手を振っている人がそのレクトっていう人なのか?

よくわからなかったけどとりあえず小さくお辞儀した。


「ごめんあったわ」


「!?」


「ど、何処から……!?」


「無かったはず!?なんであるの!?」


「クレープ食べたいんだろ?とりあえずこれで頼んどいてくれ、俺は少し用事がある」


俺は人混みをかき分けて、レクトと思われる人を追っかけた。



「はぁ……はぁ……助かったよ」


「いや、どうってこと無い。いくらなんでも可哀想だからな、ありゃ」


「いや、本当に助かった!!」


「おいおい頭なんて下げなくったって良いよ。どうせこの世界じゃ金なんて宿屋泊まる分と、飯の分だけで充分すぎるからな」


おぉ……。


「もうわかっていると思うけど俺はレクト、年齢は23。趣味はコレクション。夢は六属の領地に眠っていると言われている六属宝刀のコンプリート。そして彼女いない歴イコール年齢!!」


そこドヤ顔で言われても。さっきの言葉をドヤ顔で言って欲しかった。


「って言ってもお前さん自身はあんまり、充実感出してないんだな?」


「あんまり興味無いしね、女子の身体とか……はは」


「うお!?マジかよ?お前さんあんな風にベタつかれても何も思わなかったのか?」


結構グイグイ話しかけてくれるな。


「まぁあるとしたら、辞めてくれ。って感じかな?」


「ほぉほぉ、今どきの若いモンは公園のベンチとかでイチャついてからに……でもお前さんの目を見ればわかる、こんな風にいくらでもラブラブになれる権利を持っていながらもならないのは、この世界に来る前は女子には縁もゆかりも無かったから……だろう?」


「な、何故それを!?」


確かにそうだ、女子には縁もゆかり無くって、喋りかけられることも無く、俺は死んだんだ……そういえば死んだ時、自転車で二人乗りデートなんかしている奴が居たっけ……すっごいラブラブな……。


「まぁ目をみりゃ分かるってもんだよ」


「凄いな、レクトさんは」


「いや、レクトで良いぞ?なんだかお前さんとなら仲良くやっていけそうだしさ」


レクトは俺の手を握った。

年齢は違えどこういう感じの分かってくれる人がいるって凄い、いいことだよな。


「そういやお前さん、名前無いみたいだけどどうしたんだ?」


「記憶喪失かな?ずっと思い出せないんだよ、そういえばなんで俺の名前無いのにわかったんだ?」


「あぁ、それはなんか修正が入って今まで見れなかった時間表示とかあるだろう?それをなんかいじくっていたら見れるようになっていたんだよ」


あ、本当だ、HP表示のところを触ったら他の人の名前とかHPとかが見れるようになっている。それで探し出したっていうわけか。


「あ〜居た〜!!主ったら急に1万円渡してどっかいっちゃうからビックリしたんだよ?ってこの人は?」


メイデ達が追いかけてくる。


「あぁ、紹介するよ、レクトって人だ」


「うっす」


「へぇ、主に1万円も貸してくれた人か」


「貸したんじゃなく、あげたんだよ」


本当にこの人、凄い親しみやすくって良いな。


「本当にこんなに可愛いのに一回も手を出してないのか?」


小声で聞こえないように俺に話してくる。


「あったりまえだろ」


ひゅぅ、っと口笛を鳴らすレクト。


「さっすがぁ。そういやどうして此処に来たんだ?」


「あぁ、それはギルドを作りに来たんだよ」


「へぇ、そうか、もしかしてハーレムギルド?」


少しニヤニヤしながら肘で突っついてくる。


「んなわけ無いだろ」


ん?あっちの方でも何か会議しているな。


「レクトさん?」


「レクトで良いよ」


「あ、じゃあレクト、僕達が作るギルドに入らないか?面倒なら別にいいが……そんなに主と意気投合している奴初めて見るからな」


レクトは考える素振りをする。


「そうだな……俺も一応ギルドのマスターではあるしなぁ」


ギルドマスターだったのか……。


「そっか、じゃあ今後とも私達の主と仲良くしてあげてください」


「お、おう?」


少し困惑しているみたいだ。まぁいきなりそんなふうに言われたら驚くのも無理ないか


「おい……メイデ……そんなこと言わなくても」


「えへへ」


「んじゃぁ俺はそろそろ行くとするか、買い物も済んだしな!!じゃあな〜。フレンド送信しといたからしといてくれよ?」


メールが赤く光る。フレンド申し込みだ。勿論OKを押す。

えっとあった、所属ギルドは古今夢走って言うらしい。古今無双の無双を夢に向かって走る。みたいな感じに変えたのか。そういえば夢って六属の領地に眠る、六属宝刀のコンプリートって言ってたよな。何か機会があったら詳しく聞いてみるか。

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