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2.宝珠を取り返しに

動揺する賊を片っ端から吹っ飛ばして駆除を進めていく。


「僕達の出番無いね」


「う、うん」


人の状態に戻っている、まぁ宝珠を護らなければいけないしなるべく戦って欲しくは無いんだよな。


「ま、こんなもんでいいかな?」


「凄いね、賊をこうも簡単に懲らしめるとは、全盛期の頃を思い出すよ」


全盛期?っていうか一体何歳なんだ?


「君達は一体何歳なんだ……?」


「うーん、16歳ぐらいかなぁ?」


「多分僕もそうだね、君とあんまり変わらないよ」


んじゃあ全盛期っていつの事だよ……。


「さっき言った全盛期って言うのは一体?」


「それは宝珠が全て揃っていた時の事だね……」


「宝珠が一つ欠けると宝珠を護る龍達に制約が課せられるようになるの、今で言うと龍の状態での行動時間は1日30分、それと宝珠を護る龍の攻撃力の大幅低下かな。大幅低下しても一応倒せるんだけど時間が時間だし」


なるほど、宝珠が無くなると国だけではなく宝珠を護る龍にも影響が出てくるのか。


「それじゃその宝珠を取り返して護ってた龍に返しに行こうか!!」


「む、無謀過ぎるよ!!いくらなんでも!!」


このままじゃ龍達も不便極まりないからな。


「わかった、案内するよ」


「リベア!!危険だって!!」


「さっきの力を見ただろう?彼ならきっとできる」


信頼されているんだなぁ、結構嬉しい。


「少しの間しか龍の状態に戻れないからなるべく早く行くよ」


「わかった」


リベアが邪龍の姿に戻る、俺とメイデは邪龍に乗った、少しメイデは不機嫌そうだ。


「信用してないわけじゃない……けど君が殺されたらって思うと」


「大丈夫だって、この能力があれば生きて帰れるよ、それに君達も不便だろう?ここは主である俺が力を貸さなくっちゃな」


「今向かっているのは火炎の宝珠を奪った賊のアジトだ、そしてさっき戦った賊の連中もここの奴らだ」


「因みに宝珠は丸っこくって、あ、これの色違いみたいな物!!」


解説ありがとう、まぁササっと潰して宝珠を返してもらうか。


「着いた着いた、此処だよ」


「私達も行ったほうが良いよね?」


「あ、いや、来ないでくれ。宝珠を逆に取られてしまったら困るからね、じゃ、俺はここで、君達は安全そうな場所にいてくれ」


俺はリベアの背中から跳んだ、肩甲骨のところに気を込めてっと。


「えぇ!?」


「おぉ、やっぱり」


龍のような翼が生えた、一応飛べる。っていうか生えなかったらどうするつもりだったんだよ。


「な、なんだお前!?」


「名乗る名は無い」


このセリフ1回言ってみたかった。


「なんだかよくわかんねぇけど殺すぞ!!」


少し左足に力を入れる、その拍子に羽は消えた、そうして目の前の賊一人に向かった、脚力が大幅に上がっていてこれは凄い。


「殺ってみろ」


「……!!」


一瞬で間合いを詰め睨みつける、なるべく戦意を喪失させる為に、戦いはあまり好きじゃないしね。

一瞬の出来事に賊はぶっ倒れた。


「んじゃお邪魔しま~すって誰もいないのかな?」


さっきのは警備だったのだろうけど建物内は全く人が居ない。

ってあれが宝珠か、火炎の宝珠っていうぐらいなんだしすっげぇ赤いし、多分あれで間違い無いだろう。

良し、取りに行こう。


「これが火炎の宝珠ねぇ、よっと、ってあづ!!」


表面温度高いくせに周りに熱を発したりしないんだな。


ガジャン


「半竜人が一人、か。あいつはいったい何してんだか」


檻、か、よくあるトラップね、多分これすぐぐにゃっていくぞ。


「よっと」


「ほぉ、なかなかの怪力」


「それよりもこの宝珠、返してくんない?」


熱くてどう持っていけば良いのかわからないけど。


「身の程を知れ」


竜人状態の腕でガードしてなかったら突っ込んできた刀によって頭を貫かれ殺されていたんだろうな。

刀は折れて使い物にならなくなっただろう。


「ふん、なかなかだな、少々侮っていたみたいだ」


目力を強め俺を睨みつける、なんで異世界転生早々こんな事に……まだ1時間も経ってないだろうに……。


「ってうお!!」


「次は無いと思え」


また1本刀を無駄にしていく相手、瞬きも許されない空間、実践が物を語るような、そんな感じだ。

にしても勝てそうな気がしない、強いって言うのはこういう奴のことなのか。


「おい、どうした?折角の怪力を使わないのか?」


反撃する隙がねぇんだよ!!といってもいつかチャンスが訪れるはずだ。

それまで……待て、両腕に力を入れてみたらどうなるんだ?物は試し。


「ほぉ、それで?」


「これでお前を沈ませる!!」


無事両腕の変形に成功した、そのまま俺は振りかざす刀を受け止めず避け、死角に回り込む、これならいける!!

俺は思いっきり殴り飛ばした。


「……!!」


「さっさとこれを返してくれ」


「……それは俺が決めることじゃぁ無い、ボスが決めることだ、お前の運命も命日も死に場所もなぁ!!」


赤黒い魔法陣を出してニヤリと笑いどこかへ消える敵、逃げたか、それよりもこの火炎の宝珠を持ち出さなければ、これ触るといきなり熱を出すからなぁ。


「うーん、なにかに包んでいくか」


って考えてみたけど思いつかない、布に包んで行くか、そうしてみよう、とりあえず中にも服はあるので上の服を1枚脱ぐ。


「よいしょっとってあっついなぁ!!ふぅ」


っていうか帰りどうすんのこれ?一応布に包んで熱対策はできたけどリベア達が何処にいるのか全くわからない。

とりあえず外に出た訳だけど相変わらず静かだ、まぁさっきみたいに空を飛んでっと。

少し上の所から見下ろしてみる、ん?お、いたいた。


「取り返して来たぞ」


「流石!!あとは炎龍のイフに返すだけか」


「無事で何よりです!!それにその翼カッコイイです!!」


イフっていう龍に返せば良いって言うわけか。


「そのイフっていうのは......」


「今は行方不明で目撃証言も途絶えている龍なんだ、でも生きている事だけは僕達も何故か確認できるんだ、だからこの世界に居るはずだよ」


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