乗せる、乗せられる
今日も としかがゲームをしている。
さゆり:ねー、としかー
としか:ダメですー、さよなら。
さゆり:まだ何も言ってないじゃんっ。
としか:どうせゲーム貸してって言うんだろ?
さゆり:あ、あたりだけど。
としか:だからダメ。
さゆり:ちょっとだけ。
としか:さゆりちゃんの ちょっとは永遠だからダメ。
さゆり:貸してくれんと どうなるか分かってんの?
としか:どうなるの?別に さゆりちゃん怖くないもん。
さゆり:1戦だけやらしてっ。
としか:さゆりちゃんの1戦は無限だからダメ。
さゆり:お前、私の言うこと全然聞かんなっ?
としか:おう。
さゆり:こいつ、いちいちムカつくなーっ。
としか:さゆちゃん、オレの挑発に乗ってくれるから おもしろいんだよねー。
挑発に乗せられる さゆりが少しずつ怒りモードに入る。
さゆり:てめぇ、人をバカにするのも いい加減にしろーっ。
としか:あれ?バカにしたっけ?覚えがないわ。
さゆり:覚えがないとか、お前バカじゃない?
としか:で?
さゆり:ぐっ、くーっ。少しは姉の頼みも聞いたらどうなんだ?
としか:姉は今 留守にしております。
さゆり:私のことだわっ。もう、そういうとこ誰に似たっ?
言い争いが続く中、母が来た。
じゅんこ:としか、さゆりも こう言ってるんだから、ちょっとだけ貸してあげたら?
としか:けどさー。
じゅんこ:もし1回で返してくれなかったら二度と貸さなくていいから。さゆりも、分かってるよね?
さゆりは、少し遊んで すぐに返した。
としか:うわ、珍しい。
さゆり:だから言ったろう。