"告白"数井京矢目線
京矢君です。
横を歩く彼女は同じクラスの松岡スミレさん。
俺の好きな人。
きっかけはたいした事じゃない。
隣の席で毎日挨拶を交わし、他愛のない話をしてるうちに彼女の隣に居るのが心地いいと思うようになった。
「乙女ゲームやってるとか男の子は引くよね。」
話の中で彼女が躊躇いがちに言った。
「乙女ゲームを俺が好きだって言ったら?引く?」
「嬉しい!」
速答した彼女の笑顔に好きだと確信した。
今日一緒に歩いているのは俺が姉の誕生日プレゼントをどうしたら良いか悩んでいると話したら選ぶのを手伝ってくれると言ったからだ。
お礼に映画を奢ると言ったら目茶苦茶喜んでくれた。
待ち合わせの5分前についたはずなのに彼女はすでにいて焦った。
「悪い。待たせた。」
「あ、あの、ちょっと早めに来ちゃっただけなの、私こそごめんなさい。」
「松岡が謝るのは違うだろ?ありがとうな。俺に付き合わせてるのに早く来てくれて。嬉しいよ。」
彼女はヘニャリと笑った。
可愛いと思ってしまう。
横を歩いているだけで嬉しい。
白いニットワンピにグレーのニーハイ黒いブーツに黒い上着を着ているバックは小ぶりのショルダーで動きやすそうだ。
制服じゃない松岡にときめいてしまう。
「数井君の私服格好いいね。」
「………普通だろ。」
俺の服なんてどうでも良いよ。
松岡可愛い可愛い。
転生する前に彼女が居たかは思い出せないが松岡の事が好きだと思う。
「松岡はお洒落だな。」
「へっ!そんなことないです。」
「何で敬語だよ。」
可愛いな~。
なんだか浮かれて歩いていたら突然背後に衝撃がはしった。
何かと思ったら腰に腕が回り抱き付かれたのだと解った。
「京矢君だ~。買い物?マリナちゃんの誕プレ?」
西田さんだ。
俺は思わず松岡の方を見た。
驚いた顔でこっちを見ている。
「に、西田さん、たんま、はなしてください。」
「京矢君に拒否られた。」
ショックだと言わんばかりの顔をされてさらに焦る。
「拒否とかじゃなくて、空気読んで!」
俺の言葉に西田さんは松岡に気がついた。
「デート中?」
「………ち、違うけど……」
西田さんは俺からはなれると松岡の所にいって笑った。
「西田楓って言います。松岡スミレちゃんかな?」
西田さんの言葉に俺が驚いた。
「な、何で松岡の事を知ってるんすか?」
「マリナちゃんが京矢君の好きな人だって。」
「あいつ、殺す。」
俺は顔がひきつるのを押さえられなかった。
「西田さん、空気読んで。マジで空気読んで。」
俺は西田さんの肩を掴んだ。
「え?デート中でしょ?」
「俺の買い物に松岡が付き合ってくれてるだけなの!まだデートじゃないの!」
俺が必死に言うと西田さんは苦笑いされた。
「告白はまだなの?」
「まだなの。」
「好きなんだよね?」
「好きだよ。」
西田さんは満足そうに笑った。
「スミレちゃん。今度はお姉さんとも遊んでね。メアドと携帯番号は京矢君からきいてね!」
松岡は顔を赤らめて頷いた。
西田さんが居なくなると、俺は深くため息をついた。
「悪いな、松岡。」
松岡は可愛く首を横にふった。
「か、数井君今の本当?」
「?」
「わ、私の事……す、好きって」
俺はフリーズした。
良く良く考えれば俺は普通に西田さんに向かって松岡が好きだって言っていた。
俺は顔に熱が集まるのを押さえられなかった。
「………好きだ。」
俺は松岡から目をそらしてそう言った。
踞りたいやら逃げ出したいやら最悪だ。
すると、松岡は俺の左手を掴んだ。
「私も、好き。今日はデート…だよね?」
首を傾げながらそう言った松岡が可愛くて繋いだ手にも熱が集まる気がした。
「可愛すぎる。」
思わず口から出てしまった言葉に松岡はさらに真っ赤になった。
「これからヨロシクな。」
俺がそう言うと松岡は小さく頷いた。
思っていたのとは大分違ったが俺は告白を成功させた。
つうか、西田さんにはめられた気がする。
松岡には情けないところを見せたくなかったが仕方ない。
その日俺の好きな人は恋人になったのだった。
京矢君の話を考えた時に姉に邪魔されるバージョンと、楓ちゃんに助けられるバージョンを考えました。
京矢君を甘やかしたくなるんです。
京矢君はまだまだ格好つけたいお年頃だと思ったんです。
そして、格好つけきらないみたいな。
皆で幸せになってほしいな。




