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" 喜ばせたい"二階堂昴目線。

年に数回ある俺の許嫁である四門美鈴の家族と俺の家族の食事会。

目の前に居る美鈴は、俺なんか視界に入れる気がないように料理を食べている。

昔は姉のように思い慕っていた相手だから恋愛感情なんていだかなかった。

「ほら、昴も美鈴さんに何か気のきいた話をしろ!」

散々親同士で話していたくせに突然俺と彼女が話すように進めてくる親父は生暖かい眼差しだ。

「では、美鈴姉。」

「あら、昴さんにその呼ばれ方をするのは久しぶりね。」

「俺、好きな女が居るんだけど何したら喜ぶかな?」

俺の言葉に両家の親が真っ青になったのがわかった。

「まあ、素敵!詳しく話してくれるのかしら?昴ちゃんのそう言う相談なら大歓迎よ!」

美鈴姉の言葉にさらに青くなる親達。

「なんつうか、いつも気付くと側に居る女で………」

「マリナちゃんね!」

なぜ知ってるんだ?

「フフフ、じつはマリナさんと最近仲よくしているの。マリナさん昴ちゃんの話をよくしてくれるから、私も嬉しくなってマリナさんが良ければ昴さんは差し上げます。って言ってあるから安心して。」

美鈴姉らしい。

「ありがとう。でも、俺がマリナを喜ばせたいんだ。」

「素敵ね!マリナさんならなんでも喜びそうだけど、彼女今流行りの肉食女子だから昴ちゃんが狼狽えて赤面してあげれば喜びそうだけど。」

「そんな喜ばせ方をしたくない。もう少しましなアドバイスをくれ!彼氏居るんだろ?」

「居ますけど………お付き合いする前にするのはおすすめできません。嫌われてしまいますよ。」

「………嫌われるのは………キツいな。」

美鈴姉は嬉しそうに笑ったが、俺と美鈴姉はその日許嫁では無くなったったのだった。




「西田、お前は一条会長にされて一番嬉しかったのは何をされた時だ?」

突然の言葉に西田は目を丸くした。

「いや、一条会長はお前を喜ばせる天才だと聞いた………俺も………喜ばせたい女が………いる。」

情けないことに声がどんどん小さくなった。

「マリナちゃん?」

俺は絶句した。

何で西田まで知ってるんだ?

「………そうだ。」

「マリナちゃん肉食女子だから、キスでもしたら喜ぶかな?」

「西田は、一条会長にキスされたら嬉しいか?」

西田は顔を真っ赤にした。

「………時と場合による。」

「そうか………。」

「考えすぎないのが正解の時もあるよ。」

西田はニコニコと笑った。


放課後、生徒会の仕事が終わり教室に入ると俺の椅子に座り机に突っ伏しているマリナがいた。

軽くマリナの頭を撫でてやる。

「俺に何かようか?」

マリナはゆっくりと顔をあげた。

目に涙をためている。

ギョッとして固まると、マリナは言った。

「楓ちゃんと何を話してたの?」

「に、西田?」

「さっき二人で笑い合ってた!まだ好きなの?私の事は好きになれないのかな?」

マリナの瞳から涙がこぼれた。

「ば、バカ、お前なんか………」

俺の言葉に顔をゆがませるマリナ。

「………好きに………きまってんだろ。」

俺の小さな呟きもマリナはちゃんと聞き取ってくれて、涙のまだ残る顔を笑顔にした。

「昴君大好き。」

マリナは椅子から立ち上がると俺に抱きついた。

「………お前は、俺の女だからな。」

「うん!」

マリナは本当に嬉しそうだ。

「キスして。」

マリナは俺にしがみつきながらそう言った。

「ば、バカ、こんなところでできるか!」

するとマリナは俺の首にしがみついてキスをした。

マリナはニコニコと笑った。

「昴君は私のものよ!」

俺はマリナのその可愛い笑顔に笑顔で返した。

マリナは本当に俺の居てほしい時に側に居てくれた。

これからは俺がマリナの側に居る番だ。

俺はそんなことを心に決めて、呟いた。

「好きだ。」

マリナを幸せにする。

強く誓った放課後の出来事だった。


二階堂君は楓ちゃんにフラれたら直ぐにマリナちゃんを好きになると思ったよ。

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