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お付き合い~end

クライマックス!

「おはよう!ニッシー。」

「おはようございます七先輩。」

私はワンコ先輩に笑顔をむけた。

「今日はいい顔してるね。吹っ切れた?」

ワンコ先輩は安心したように笑った。

「はい。吹っ切れました。………お父さんにまで相談しちゃいました。」

「お父さん恐いんでしょ?」

「私には優しいですよ。ひぃ様は違うみたいだけど。」

「一条大変だな~!」

ワンコ先輩はフフフっと笑った。

「俺の呪いはきかなそうだな。」

なにかを呟いたワンコ先輩は私の頭を撫でてくれた。

「早く幸せになってね。」

「そっくりそのままお返しします。」

私とワンコ先輩はフフフって笑いあった。

「カエちゃんおはよう!春人君行くよ。」

突然奏ちゃんが私とワンコ先輩の間に入ると私とワンコ先輩の腕に腕を絡めた。

「贅沢だわ!私の好きな人二人を腕にしてる。」

「うぇ?」

「私も奏ちゃん大好き!」

ワンコ先輩がかなり焦って居たけど奏ちゃんが幸せそうだったから私は笑った。



家に帰ると玄関先に居る柊君の姿を見つけた。

「ひぃ様、お帰り!着替えたらそっち行って良い?」

「ただいま。玄関の鍵開けとく。」

柊君の言葉に嬉しくなった。

取り合えず制服を脱いで着替えると柊君の家に向かう。

何時もならしない鏡の前で少しだけ髪型を整えたりしてしまった事に恥ずかしくなる。

今まで散々恥ずかしい姿をさらして居たことを今更ながらに後悔した。

何時も通りに柊君の家に上がり込むと、柊君が珈琲を淹れてくれていた。

「飲むだろ。」

「うん。」

柊君はいまだに制服のままだ。

取り合えず珈琲を待つ間にゲームを起動しておく。

「あっ、スキルUPされてる。」

「取り合えずな。」

何から何まで至れり尽くせりだ。

「悩むのは止めたのか?」

私に珈琲を手渡すと柊君がそう言った。

「うん。行き着くとこまで悩みきった感じ!………お父さんに相談したからなんだけどね。」

柊君は少し考えて言った。

「お前が悩んでたのって、お付き合いについてじゃなかったか?」

「うん。」

「浩ちゃんが可哀想だろ。」

「でも、知らないうちに彼氏出来てて孫までなんてなるよりましだって言ってたよ。」

「世のお父さん達が可哀想だ。」

柊君はソファーに座る私の足の横に座る。

柊君の家のリビングに居るときの定位置である。

「で、結論は?」

柊君の言葉に珈琲を飲みながら考える。

「………深く考えない。みたいな。」

「全然前に進む気無いな。」

柊君の呆れ混じりのため息をつく姿が可愛い。

「多少は前進したんですけど?」

「一歩か?俺には動いたようには見えん。」

「ちぇ~。」

柊君はソファーに頭をのせるようにして私の方を見た。

「ま~、悩みまくってるよりは笑っててほしいから良いや。」

柊君はそう言って笑った。

思わず私は顔を近付けて柊君の唇に自分のを重ねた。

一瞬だったが離れると柊君は驚いた顔のままフリーズしていた。

「うん。キスしたくなる気持ちは解ったかも。」

「………おま……なん………」

柊君はフリーズしたままだ。

「だって、ひぃ様が言ったんでしょ!俺のものになってくれって。タヌキ寝入りは謝ります。でも、聞いちゃったから………嫌いになった?」

「バカ!そんなわけ………くそ。」

柊君はそのまま体育座りで膝に顔を埋めた。

耳まで真っ赤だから、照れているのかも知れない。

私はソファーの上で移動して柊君をそのまま後ろから抱き締めた。

「抱き締めたくなる気持ちも解ったかも。」

「気持ちの整理が出来ない。」

柊君の小さな呟きが聞こえた。

「私もここ数日本気で悩んじゃった。」

「お前は俺の事で悩んでたのかよ?」

「うん。抱き締めたいだのキスしたいだの………は、流石にパニックになったよ。私の頭では処理仕切れませんでした。でも、お父さんに相談したら直感で動くのも有りかな?って思えて、深く考えないで行動する事に決めました。」

柊君は深くため息をついた。

「気がつかないうちにスゲー前進してきて目の前に居たみたいな気分なんだけど。」

「頑張ったでしょ?」

「………思った以上にな。」

柊君は私のまわしていた手を握ると私の方を振り返った。

「柊君顔真っ赤。」

「煩い、黙れ。」

そう言うと柊君は私にキスをした。

「……ちょっ」

「黙れ。」

何度も何度もキスされてしまった。

「どんだけ我慢してたと思ってんだ?今日はキスだけで勘弁してやるから、キスさせろ。」

そう言って何度もキスされた。

理不尽だと思ったが、抵抗すら許してくれる気配もなくて私は柊君に従うしかなかった。



乙女ゲームのスチルみたいな告白ではなかったけど柊君が情けなく真っ赤になっているのはどんな乙女ゲームの告白スチルよりもトキメイてしまった。

情けない姿にトキメイたなんて知ったら柊君は凄く嫌がりそうだけど。

私は柊君に向かって言った。

「幸せにします。」

「それは俺のセリフだろ。」

呆れられてしまったが、私が言いたかったのは今まで幸せにしてもらっていた分をふまえてだったんだけど………

取り合えず、こうして私達は付き合うことになったのだった。




end

今まで読んでくださった方々!


ありがとうございます!


取り合えずこれでendです。


楓ちゃんとひぃ様のその後も書こうかと思ってますがいかがでしょうか?


予告としては、楓ちゃんが初めてお父さんにキレる。

みたいな話を考えてみました。


その後は要らないですかね?


皆様がコメントなどなどくださったお陰でここまで来ました。

ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] すごーく好きな作品です。ニマニマしながら読みました。ヒィ様、よくやったーーーー!
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