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困惑

「今日は元気ないな~どうした?」

何で私はこんなに悩んでいるのに柊君の家に来てしまうのか?

私は乙女ゲームの電源を入れてフリーズしている。

「うん、いや、現実とは乙女ゲームのようには、行かないな~って思ってさ。」

「現実?」

柊君にコントローラーを奪われ私はそのままソファーに横になった。

「何で人はお付き合いしたいのでしょうか?」

「藪から棒になんだよ。」

「ワンコ先輩に告白された訳ですよ。な、もんでどうして人はお付き合いしたいのでしょうか?なのですよ。」

あからさまに柊君はフリーズした。

「ワンコ先輩とどう接すれば良いのか?今まで通りで許されるのか?悩んでます。」

それだけではないですけど。

私は柊君こらコントローラーを奪うとゲームを始めた。

「なんて返事したんだよ。」

「………何で?」

意地悪だな~私。

「………」

「お断りしましたよ。………もっと気のきいたお断りの言葉はなかったのか?あ~動物を虐待してしまった気分だよ~。」

柊君は複雑そうな顔をした。

「………付き合いたいって事は楓の一番近くにいたいって事だろ。」

「一番近くに居てくれてるのはひぃ様でしょ?」

「………もっとだよ。俺よりずっと近くにいたいってこと。」

柊君はこれ以上どう近付く気なんだろ?

「それってどう言う事?」

「………抱き締めたいし、キスしたいし、それ以上もって事じゃねえの?誰にも渡したくなくて、自分のものだって確かめたい。独り占めしたい。そう言う気持ちだろ。」

柊君はそう言う気持ちで私を見てるって事?

恥ずかしい。

私は両手て顔を覆った。

「七宮がそう思ってるかは解んないけどな。」

そのセリフは柊君はそう思ってるって事で良いんだよね?

駄目だ。

恥ずかしい。

「うん。無理だ。私には難易度が高すぎる。」

「だからどうしたんだ?」

「お付き合いって事に怖じ気づいてます。」

「………頑張れよ。」

「………無理です。」

私の言葉に項垂れる柊君は可愛い気がする。

「乙女ゲームの攻略対象者だってやたらヒロインに触りたがる気がするけどお前プレイしてんじゃん。」

拗ねたような顔で柊君が私の方を見て言った。

だって柊君は乙女ゲームの攻略対象者だから共感出来るんでしょとは言えない。

「画面越しの私ではないヒロインが攻略対象者に攻められるのは良いの。私じゃないから。」

柊君はゆっくりと倒れるようにソファーの足下に寝転んだ。

「男だったら好きな女に触りたいだろ。普通だ普通。」

「うん。だから、お付き合いって事に怖じ気づいてるんだってば。」

「頑張れよ!」

「さっき、きいた。」

「つうか、七宮の事は断ったんだろ?何を焦ってんだよ。」

その言葉に私はまたフリーズした。

「どうした?」

柊君の心配したような声がムカつく。

柊君のせいだろうが。

「わ、私も女の子ですから………興味ぐらいあるよ。」

「………初耳。」

「普通言わないよね!女同士ならまだしも…」

男友達?兄ポジ?言ったら酷いよね………たぶん。

良い言葉が見つからない。

なんて酷い事をしてきたんだろ?

何度この人を傷付けて来たんだろ。

何でこんなに酷い事ばかりしてきたのに側に居てくれるんだろ?

私はこの人に何を返せて来たんだろ?

「どうした?」

「………頭が混乱してきた。帰る。」

「………なんかあったらすぐに来いよ。」

この人はすぐに私の心配をする。

「甘やかさないでよ。」

「甘やかしたいんだよ。」

こんなにも好きをあらわして来てくれたのに何で私は………

「なさけない。」

小さく小さく呟いた。

自分の不甲斐なさに嫌気がする。

こんな私でもこの人は代わらず側に居てくれるのだろうか?

私はそのまま逃げるように家に帰ったのだった。

楓ちゃんまだまだ混乱してます。

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